
おすすめのアルペジエータープラグイン!苦手な人でも毎日使いたくなる

和音の構成音を細かく鳴らしていくアルペジオ。ただ演奏するには確実な技術が要るし、色々なパターンを考えるのは面倒。
そこで使えるツールが
アルペジエーター!
鳴らしていて単純に面白いんですよ
メロディラインから伴奏まで活躍してくれる便利なツールで、複数のアルペジオラインを組み合わせるだけでも曲になったりしますし、すこしラインをずらせばミニマルミュージックっぽい演出ができたりと可能性は無限大です!
自分と相性の良いアルペジエーターを見つけて作曲速度をあげていきましょう!!
そもそもアルペジエーターとは何か
アルペジエーター(arpeggiator。和音を1音ずつ分解して自動的に演奏してくれる機能のこと)とは、鍵盤で押さえた和音を、あらかじめ設定したパターン・スピードで自動的に1音ずつ演奏し続けてくれる機能です。
たとえばCメジャーの和音(ドミソ)を1つ押さえるだけで、シンセが「ド→ミ→ソ→ド→ミ→ソ……」というふうに自動的にアルペジオ(分散和音。和音を構成する音を1音ずつ順番に鳴らす演奏方法のこと)を演奏し続けてくれる、というイメージです。
指がそこまで速く動かせなくても、和音を押さえているだけでプロっぽい細かいフレーズが出てくる。これがアルペジエーターの一番わかりやすい魅力です。
アルペジエーターの仕組み
アルペジエーターの動作原理はシンプルです。鍵盤で複数の音(和音)を同時に押さえると、アルペジエーターはその和音を構成する音を内部的に記憶し、設定されたパターン・速度・音域の範囲で、1音ずつ順番に自動再生していきます。
つまり「和音を押さえる」という入力に対して、「1音ずつ分解して演奏する」という出力を自動で行ってくれる、という関係です。演奏している間は鍵盤を押さえ続ける必要があるものが多いですが、後述する「ラッチ(latch。鍵盤から指を離してもアルペジオが鳴り続ける機能のこと)」をオンにすれば、手を離しても演奏が続きます。
内部的にはシーケンサー(sequencer。音の並びやタイミングを記録・再生する装置や機能のこと)に近い仕組みで動いており、実際にアルペジエーターは「和音入力に特化した簡易シーケンサー」と説明されることもあります。この仕組みのおかげで、コード進行を押さえるだけで動きのあるフレーズが自動生成される、というわけです。
アルペジエーターの歴史
アルペジエーター自体の考え方は古くからありますが、ハードウェアシンセサイザーに機能として組み込まれるようになったのは1970年代後半からです。
代表的な初期採用機種の一つがRoland Jupiter-4(1978年発売)です。Jupiter-4はローランド初の自己完結型ポリフォニックシンセサイザー(polyphonic。複数の音を同時に鳴らせる方式のこと)で、Up・Down・Up/Down・Randomという4つのモードを選べるアルペジエーターを搭載していました。この時点ですでに、現在のアルペジエーターの基本モードの原型がほぼ出来上がっていたことになります。
続いて1981年発売のKorg Mono/Polyにもアルペジエーターが搭載されており、ラッチ・オクターブレンジ・ノートオーダー(音を鳴らす順番の設定)といった、現在の機能にかなり近いパラメータがすでに用意されていました(参考:Roland Jupiter-4 – Wikipedia、Korg Mono/Poly – Wikipedia)。
このように1970年代後半から1980年代前半にかけて、ポリフォニックシンセサイザーの標準機能としてアルペジエーターが定着していった、という流れがあります。現在のソフトシンセに搭載されているアルペジエーターも、基本的な考え方はこの時代からほとんど変わっていません。
主要なパターンの種類と使い分けの鉄則
アルペジエーターには、演奏パターンを決める「モード」と、演奏の質感を決める「パラメータ」の2種類の設定項目があります。
モードの種類
- Up:音を低い方から高い方へ順番に演奏するモード。素直で使いやすく、基本のモード
- Down:音を高い方から低い方へ演奏するモード。落ち着いた印象を出しやすい
- Up-Down:低い方から高い方へ、その後高い方から低い方へと往復するモード。動きが出やすい
- Random:押さえた音をランダムな順番で演奏するモード。予測不能な動きが欲しいときに
- As Played:鍵盤を押さえた順番のまま演奏するモード。自分の押さえ方をそのまま活かしたいときに使う
どのモードを選ぶかで曲の雰囲気がかなり変わるので、まずはUpとRandomの2つを試してみて、狙いの動きに近い方を選ぶ、というやり方がわかりやすいです。
パラメータ(レート・オクターブレンジ・ゲート/デュレーション)
- レート(rate。アルペジオが1音ずつ進むスピードのこと):BPMに同期させて8分音符・16分音符などの単位で設定するのが一般的
- オクターブレンジ(octave range。押さえた和音を何オクターブ分まで広げて演奏するかの設定のこと):1オクターブだと落ち着いた印象に、2〜3オクターブに広げると派手で広がりのある印象になる
- ゲート/デュレーション(gate / duration。1音1音の長さ・鳴っている時間の割合のこと):短くすると跳ねるような歯切れの良い質感に、長くすると音同士がつながるレガート(legato。音と音の間を切らずに滑らかにつなげる演奏のこと)に近い質感になる
この3つを組み合わせることで、同じコード・同じモードでも印象がまったく違うフレーズが作れます。まずはレートを曲のテンポに同期させ、オクターブレンジとゲートを微調整していく、という流れが基本です。
初心者が知るべきアルペジエーター選び・使い方の鉄則
アルペジエーターを使いこなす上で押さえておきたいポイントをまとめます。
- まずはBPM同期を確認する:レートがBPMに同期していないと、曲のテンポとズレたフレーズになってしまいます。最初に同期設定を確認する癖をつけると安心です
- コード進行をシンプルにしてから試す:複雑なテンションコードよりも、まずは3和音のシンプルなコードでモードやパラメータの違いを確認した方が変化がわかりやすいです
- ラッチ機能を活用する:手を離してもアルペジオが鳴り続けるラッチをオンにしておくと、コードチェンジのタイミングだけ鍵盤を押さえ直せばよくなり、演奏がぐっと楽になります
- ゲート/デュレーションで質感を作る:モード選びばかりに気を取られがちですが、実はゲートの長さの調整だけでも印象がかなり変わります
- レイテンシー(latency。音を鳴らす操作をしてから実際に音が出るまでの遅れのこと)にも注意する:CPU負荷が高い状態でアルペジエーターを多用すると、発音のタイミングがわずかに遅れて聴こえることがあります。動作が重いと感じたら設定を見直しましょう
リアルな使用例3パターン
実際の制作現場でアルペジエーターがどう使われているか、ジャンル別に3つの例で見ていきます。
シンセリードでの使い方
シンセリードにアルペジエーターをかける場合は、Upモードかランダムモードに、やや短めのゲートを組み合わせるのが定番です。オクターブレンジを2オクターブ程度に広げることで、単音のメロディよりも情報量の多い、きらびやかなフレーズを簡単に作ることができます。ソロパートやサビ前のフレーズなど、耳を引きたい場面で使うと効果的です。
EDM系ビルドアップでの使い方
EDMのビルドアップ(サビ前に緊張感を高めていくパート)では、Up-DownモードやRandomモードのアルペジエーターに、フィルターの開き具合を徐々に上げていく処理を組み合わせるのが王道の作り方です。レートを16分音符に固定したまま、オクターブレンジを曲の展開に合わせて広げていくことで、盛り上がりを演出できます。
アンビエント/チルアウト系での使い方
アンビエントやチルアウト系では、ゲート/デュレーションを長めに設定し、音同士がゆるやかにつながるように演奏させるのが向いています。レートも8分音符や3連符など、ゆったりめの値にすることで、忙しない印象を与えずに揺らぎのあるテクスチャーを作れます。シンセ系プラグインの選び方については、シンセサイザープラグインのレビューまとめでも触れているので、音色選びに悩んだら参考にしてみてください。
DAW・シンセ内蔵アルペジエーターと専用プラグインの違い
アルペジエーター機能を使う方法は大きく分けて2つあります。
1つは、DAW(Digital Audio Workstationの略。作曲・録音・編集を行うソフトウェアのこと)に標準搭載されているアルペジエーター機能や、シンセ音源自体に内蔵されているアルペジエーター機能を使う方法です。多くのDAWやソフトシンセにはあらかじめアルペジエーターが組み込まれており、追加の導入なしにすぐ使い始められるのが利点です。
もう1つは、Cthulhuのようなアルペジエーター専用のプラグインを別途導入する方法です。専用プラグインは、複数のトラックに同じ設定を使い回しやすかったり、より細かいパターン編集ができたりと、DAW標準機能よりも柔軟な設定ができる印象があります。凝ったコード進行の管理や、複数の音源にまたがるアルペジオパターンの使い回しをしたい場合は、専用プラグインの方が向いていると思われます。
まずはDAW・シンセ内蔵の機能で操作に慣れてから、物足りなさを感じたタイミングで専用プラグインの導入を検討する、という順番がおすすめです。アルペジエーターと合わせてシーケンサー機能も使いこなせるようになると表現の幅がさらに広がるので、シーケンサー関連プラグインのレビューまとめも合わせてチェックしてみてください。
アルペジエーターのメリット・デメリット
メリット
- 和音を押さえるだけで動きのあるフレーズが作れるため、作曲のスピードが上がる
- 鍵盤テクニックに自信がなくても、プロっぽい細かいパッセージを演奏できる
- モード・パラメータの組み合わせで、同じコードから多彩なバリエーションを作れる
デメリット
- 便利さゆえに頼りすぎると、どの曲も似たような雰囲気のフレーズになりがち
- モードやパラメータの数が多く、最初はどこから触ればいいか迷いやすい
- 生演奏らしいニュアンス(強弱・タイミングの揺らぎ)は基本的に出しにくい
作曲の効率化という意味では非常に強力な機能ですが、使いすぎると表現が画一化してしまう側面もあります。自分の耳で「使うべき場面」を判断する感覚を養っていくことが大切です。
おすすめのアルペジエーター
Eternal Arps
普段アルペジエーターを使わない人でも使いたくなる!
そんなプラグインです!

毎作ユニークなMIDIツールプラグインをリリースしているPitch Innovationsから「Eternal Arps」が登場です。
このプラグインは今までにない発想が採用されていることもあり、
アルペジエーターのゲームチェンジャーになりますね!
Eternal Arpsはシンプルなものから複雑なものまでを再生できる新機軸のアルペジエータープラグイン。

これまでのクラッシックシンセ由来の伝統的なアルペジエーターは反復的に繰り返しが行われるため機械的に聞こえてしまう面がありました。
例えばPigmentsのアルペジエーターはクラッシックなものより進化しているがステップ数やパラメータをきっちり決めて動作させるタイプです。

「Eternal Arps」では自然に聞こえるようにダイナミクスを調整しアルペジエーターが展開されます。
Eternal Arps in 5 Minutes | Overviewの動画を見ると分かる通り、聞こえてくる音の数は多いのですが、演奏しているときに必要な鍵盤を押させえている数は極端に少ないです。
指一本で演奏できるシングルノートトリガー、トラディショナルなアルペジエーターモードであるLIVEにも切り替えできます。
Play modeにはSplitモードが用意され、左手側でコードを押さえて右手側でアルペジエーターを起動させる演奏方法が可能です。(動画の3:22 ~ )

左手でコードが押さえられれば、鍵盤の演奏に苦手意識がある人でも音数の多い複雑な演奏を再現することもできます。
音源付き
なんとEternal Arpsは音源付きです!アルペジエーターツールの多くは外部のシンセを用意して音を出すためにルーティング設定をしてからスタートする…という煩わしさがあったのですが、Eternal Arpsはインストール直後からすぐに利用できます。
プリセットは300収録。黄色のサイコロボタンを押すとランダマイザーが実行され様々なアルペジエーターのパターンが利用できます。
Pitch Innovations Eternal Arps レビュー (Ver.1.0.1)

- 自然なアルペジエーターパターンを簡単に鳴らせる
- 音源付き
- コードを鳴らしながらアルペジエーターを起動できるSplitモード
- MIDIエクスポートに不具合がある
このEternal Arpsは欲しい人いっぱいいるでしょう!
機械的になりがちなアルペジエーターのフレーズを人間が演奏しているようなニュアンスで自然に聞かせられることのできるアルペジエータープラグイン。
クラッシックなシンセだとUP/Downと少しのバリエーションパターンでしかアルペジエーターを起動できなかったのが、Eternal Arpsを使うと音の詰め込み方や配置をスライダーで動かして複雑なパターンへリアルタイムでアレンジできる個性的な機能があります。
複雑なテンションコードにも対応。
アルペジエーターが作り出すフレーズのスケール指定も簡単にできます。

Input Scaleの例


つくったアルペジエーターフレーズはお気に入りに保存。お気に入り画面からすぐに呼び出せます。

対応コード
- Major scale
- Minor scale
- Blues
- Magic Note
- Major6
- Major11
- Min/Maj7
- Minor 6
- Minor 7
- Add11
- Major
- Major9
- Minor
- Minor9
- Minor7#5
- Minor7♭9
- Min/Maj9
- Augmented
- Augmented9
- Aug/Maj7
- Aug/Maj7(#5)
- Aug/Maj 9
- Diminished
- Diminished 7
- Diminished 9
- Dim/Min 9
- Half Dim (M7♭5)
- Half Dim9
- Half Dim/Min9
- Dominant
- Dom7
- Dom9
- Dom7 ♭9
- Dom7 #9
- Dom7 #5♭9
- Add 9
- 6 Add 9
- 7 Add11
- 7 Add 13
- M add9
- m Add11
- M6 Add9
- m7 Add 11
- m7 Add 13
- Maj7 Add11
- MMjar7 Add11
- Maj7 Add 13
- Maj7 Sus 4
- m Maj7 Add 13#sus
- Sus2
- Sus4
- 6 Sus4
- 7 Sus4
- 9 Sus4
- Maj 9 sus 4

対応OUTPUTスケール

音のセット
Eternal Arps付属の音源が付いていますが、手持ちのシンセVSTの音をEternal Arpsで鳴らすこともできます。
使える音
ARPエンジンのページで鳴らす音を変更できます。
- ConcertHarp
- Santoor
- HandPan
- MuteHarp
- Marimba
- Baraphone
- Kalimba
- BassSynth
- PizzCello
- MusicBox
- Celesta
- SynthPluck

使えるエフェクトはリバーブのみ。

気になった点
NOTEパターンにランダマイザーがない。ランダマイザーが有効なのはアルペジエーターのパターン生成のみ。
またVer.1.0.1にてMIDIエクスポートの不具合が若干あるようです。演奏した内容のアルペジエーターフレーズとピッチがオクターブずれて書き出しされるよう。
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