Youtubeに自作曲をアップするときに気をつけたいのが、Youtubeのラウドネス対策ことラウドネスノーマライゼーション」についてです。
ラウドネスとは、人間の聴覚で感じる音の大きさのことです。
単位はLUFS(ラウドネスユニットフルスケール)で表されます。
ラウドネスノーマライゼーションは上がりすぎた音量を一定値に抑えて聞こえやすくするための機能です。
ある動画のボリュームが大きすぎて、次の動画のボリュームが小さすぎるなんてことがあります。そんなことをしていたら見ているユーザーが離れてしまうので一定の基準値を超えた音量の動画は、音量を自動的に下げられます。
Youtubeの基準値 -14LUFS
YouTubeでは、-14LUFS以下にラウドネスを調整する必要があります。(過去のネット記事では-16LUFSと出てきますが、2024年5月現在は-14LUFSです)
-14LUFSを超えると、動画の音量が自動的に下げられてしまうためです。
逆に音量が足りない場合、YOUTUBEでは何もしてくれません。
YOUTUBE投稿になれていないユーザーが音量をあげると、音が小さすぎる場合があります。この場合は小さいまま動画がエンコード処理されてしまいます。小さい音量も考慮してよ!…という感じではありますが。
音量が大きすぎても抑えられてしまうし、小さすぎても何も処理してくれません。
「動画の音」は予想よりもかなり重要な要素です。例えば音がバリバリに割れていたら即動画を閉じるはず。また小さいすぎる場合は、聞いている端末の音量を上げないといけないのでめんどくさいくて閉じます。
動画を見ているユーザーはワガママなのです。これを理解した上で最適な音量値に設定する必要があります。
ラウドネスを計測する方法
Adobe Premiere Pro ,Davinci Resolveといった動画編集ソフトやDAW,Adobe Audition には「ラウドネスメーター」がついています。
StudioOneの場合、付属の「Level Meter」というプラグインでLUFSが確認できます。
[1]右上のメーターの種類を「EBU R128」に
[2]下にある「LUFS」をON
StudioOneだけでなく他のDAWにもメータープラグインがあるので、EBU R128のメーター設定を呼び出して確認します。
CUBASE ・・・ MixConsole でLoudnessを選択しLUFSを表示
StudioOne ・・・ Level Meter
Logic Pro ・・・ Loudness Meter
ラウドネスメーターはメーカーによって値が違うことがあるので、信頼しているものを選んで使うのがベスト!
1番良いのは「ラウドネスメーター専用の有料プラグイン」が信頼度あります。
おすすめなラウドネス計測方法
個人的に1番楽だったのがiZotope RXを使ったラウドネス計測方法です。
RXを起動しオーディオデータを開きます。
モジュールにある「Loudness Control」を選びます。
「Loudness Control」が起動すると自動で計測が始まり、
Integratedの値が計測したLUFSの値になります。
RX11からはLoudness値を-14LUFSに合わせて調整してくれる機能が付きました。
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お金を支払いたくない場合は、メディアプレイヤー「foobar2000」を使うと簡易的にラウドネス計測できますがあくまでも簡易的なので、専用のメーターツールの利用をおすすめします。
またDavinci Resolveにもラウドネスメーターがあり計測後、ノーマライズして-14LUFSに上げる手法もあるので、音質に影響があるかもしれないためおすすめはできませんが、この方法あります。ちなみにDavinci Resolveは無料で使える動画編集ソフトです。
foobar2000
LUFSは最初から最後までを通して計測した平均値を取る部分的に聞かせてもダメです。
そのためMV内で無音時間や音の小さい時間を作って平均値を下げてLUFSを基準値に近づける手法も取られています。
Eminem – Godzilla のMVでこの施策が取られています。
他のラウドネス計測方法
アルバムを作りたいと考えているときにファイルごとにラウドネス値を読み取っていくのではなく、一度に把握できないかな?と考えているならLoudness Penalty Studioが便利です。
画面のとおり複数のオーディオデータのLUFS値を計測して、YOUTUBEにアップしたらどれくらい音量をさげられてしまうのか?を一目で把握できます。
目次
DAW内で-14LUFSにあわせたい
作っている曲をいちいち書き出してラウドネス値を計測して…という作業が面倒くさく感じる効率派閥のあなたには
リミッターsmart:limit がおすすめ。
微調整は必要ですが、配信先を指定したらそのLUFSに合わせてリミッターで音量をあげてくれます。
Studio Oneの便利なラウドネス対策書き出し機能
Studio Oneユーザーの場合は書き出すときにラウドネス調整機能に頼れます。(※Studio One5.5以上)
書き出すときに「ラウドネス」の項目にあるラウドネスを調整にチェックを入れます。
ラウドネス値が大きすぎる場合は設定したLUFS値まで押さえてくれるし、足りない場合は目標値に極力近くなるように音量を上げてくれます。プリセット色々ありますが、音楽配信だけならばYoutubeを選んでおけばOK.
割と見逃している機能です。
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