目次
bx_shredspread
Brainworx bx_shredspreadはBrainworxのステレオイメージャープラグイン。
名前と見た目から連想できるようにステレオギターの音を広げるためのプラグインです。
ウォールオブサウンドのためのステレオイメージャー
Brainworxの伝説的なステレオ幅、EQ、パンのアルゴリズムにより、M/S処理時によく発生する位相問題を自動的に回避します。
M/S処理とは?
通常の左右に分かれるステレオの処理とは違う概念の処理を行います。
ステレオ音源をこの2つの要素に分解して、それぞれに異なる処理を施すことで、音の印象を大きく変化させることができます。
「M」はMIDのMで、2mixに含まれる情報を1つにまとめたモノラル情報。
「S」はSideのSで両方のチャンネルにないものすべてです。
M/S処理のメリット
- 音の広がりや立体感の調整: S成分を強調することで音の広がりを感じさせたり、M成分を強調することで中心の音を際立たせたりすることができます。
- パンニングの自由度: M成分は左右にパンニングしても音の位置が変わらないため、パンニングの自由度が上がります。
- ミックスの効率化: M/S処理を用いることで、複数の音源をまとめて処理することができ、ミックスの効率化が期待できます。
- マスタリングでの活用: マスタリングの段階で、全体のバランス調整や音の広がりを調整するためにM/S処理が用いられます。
M/S処理の具体的な活用例
ルームサウンド: S成分にリバーブをかけることで、自然な残響感を作り出すことができます。
ボーカル: M成分を強調することで、ボーカルを前に出すことができます。
楽器: S成分を強調することで、楽器の音を広げ、立体感を持たせることができます。
ウォールオブサウンドとは?
ギターのウォールオブサウンドとは、複数のギターを重ねて演奏することで、まるで音の壁が立っているように、分厚く重厚なサウンドを生み出すことを指します。
ウォールオブサウンドの特徴
- 複数のギター: 複数のギターを重ねて演奏することで、音の厚みが増し、迫力のあるサウンドになります。
- 同じフレーズ: 同じフレーズを複数のギターで演奏することで、一体感が生まれ、より一層厚みが増します。
- 異なる音色: 異なる音色のギターを重ねることで、複雑で奥行きのあるサウンドになります。
- エフェクター: ディレイやリバーブなどのエフェクターを効果的に使うことで、空間的な広がりや残響感を演出できます。
ウォールオブサウンドを生み出すためのテクニック
- ユニゾン: 複数のギターで同じ音を同時に弾くことで、音の厚みが増します。
- ハーモニー: 複数のギターで異なる音を同時に弾くことで、複雑なハーモニーを生み出します。
- パンニング: 複数のギターの音を左右に振り分けることで、立体感のあるサウンドになります。
- レコーディングテクニック: マイクのセッティングやレコーディング環境によって、音の厚みや広がりを調整できます。
ウォールオブサウンドが用いられる音楽ジャンル
- ロック: 特にヘヴィメタルやシューゲイザーなど、重厚なサウンドが特徴のジャンルでよく用いられます。
- ポップ: 壮大なコーラスやイントロなどで、ドラマチックな雰囲気を出すために用いられることもあります。
ウォールオブサウンドのメリット
- 迫力のあるサウンド: 聴く者を圧倒するような、迫力のあるサウンドを生み出すことができます。
- 表現力の広がり: さまざまな音色やエフェクトを組み合わせることで、表現の幅が広がります。
- 楽曲の印象を強くする: ウォールオブサウンドは、楽曲の印象を強くし、記憶に残るようなサウンドを作ることができます。
ウォールオブサウンドのデメリット
- 複雑なミックス: 複数のギターを重ねるため、ミックス作業が複雑になることがあります。
- 音の分離が悪くなる: 複数のギターの音がかぶってしまうと、音の分離が悪くなり、聞き取りづらくなることがあります。
Brainworx bx_shredspread レビュー
Brainworx bx_shredspread
メリット
- ギターのウォールオブサウンドを簡単に実現
- アンプを動かすだけで非常にわかりやすいUI
デメリット
- 発売してから年数が経っているため古いものが苦手な人には向かない
- 古めのプラグインのため代替手法はある
このBrainworx bx_shredspreadは発売から10年以上経過しているため発売してから年数が経っているため古いものが苦手な人には向きません。
しかしそれだけ長く使われてきたという実績もあるので一概にすべてが古いとは言えません。
最大の導入メリットとしては、Brainworx bx_shredspreadのUIがめちゃめちゃわかりやすい点です。
使い方
基本的にギターバストラックのようにSideへ音を広げてたいトラックへBrainworx bx_shredspreadを使って、ウィンドウ内にあるアンプを動かすだけで音が広がります。
左右に広げたいトラックはあらかじめ左右一杯にPANを振り分けておきます.
Spread 0%
Spread 100%
Spread 200%
アンプの動きに従って左右に広がっていくため、見た目が非常にわかりやすいUIになっています。
ステレオイメージャーを使って確かに音が広がっているのはわかるんだけど、イマイチしっくりこないという人にはこの作りは確実に腑に落ちる内容です。
左右のアンプの距離を離していけば、中央から音が左右に広がって聞こえていくのは当たり前ですよね。
パラメータはGain, Solo Pan,Threshold,Mono Maker ,Shred,SpreadがありSpreadのノブを上げていくだけです。
左右にPANを振ってる以上にステレオ感が出せます。
bx_shredspreadはキーボードグループ、オルガン、合唱、バックグラウンドボーカル、その他のステレオまたはダブリングトラックにも使用することができます。
他のステレオイメージャープラグインと違う大きな点として、
曲のギターイントロのように、片方のチャンネル(LまたはR)だけがオーディオを検出した場合、M/S処理は自動的にバイパスされ、ウォールオブサウンドが再び始まるまで、完全にクリーンなモノラルサウンドになります。(thresholdでM/S処理が始まる値を設定)
他のステレオイメージャーでもM/S処理ができれば似たような処理は可能です。
しかし、ステレオ幅を大きく広げられる点、UIのわかりやすさ、プラグイン効果のわかりやすさは痛快です。
一度試してみると他のステレオイメージャープラグインと大きく違うので面白い効果が狙えます。
特にウォールオブサウンドを土台にしたハードロック・メタルギター曲を作りたいときは使う価値が十分あります!!
2024年にフリープラグイン化しました。Pluign Alliance公式サイトからダウンロードできます。
PA FREE bx_shredspread – Plugin Alliance
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