Vertigo VSS-2 は Plugin Alliance のチャンネルストリッププラグイン。
Vertigo VSS-2
チャンネルストリップは音の処理をまとめて行うための複数の機能を備えたプラグイン
Vertigo Soundは、ドイツ・ミュンヘンに拠点を置くプロオーディオ機器メーカーで、2007年6月に最初の製品を発表。以降ハイエンドなアナログ機器を生産し続けているメーカー。製品名にはVS◯の名前がそれぞれついている。
目次
Vertigo Soundの製品
Brainworx Vertigo VSS-2
■プラグイン VSE-2 プラグイン(ディスクリートジャイレーターEQ ) VSC-3 プラグイン (クアッドディスクリートVCAコンプレッサー) VSM-4 プラグイン(MIX SATELLITE ’59) VSE-4 プラグイン (ビッグディスクリートジャイレーターEQ) ■実機 VSE-2 VSC-3 VSM-2 MS VSP-2
もともとplugin-allianceで発売。後にVertigo Soundがオリジナルでプラグインを開発するようになってからBrainworx Vertigo シリーズは更新が止まっていたが2025年2月になり新しく新機種のプラグインが登場。
今作の【Brainworx Vertigo VSS-2 】はリリース済の
Vertigo VSM-3
Vertigo VSC-2
とは異なり、Vertigo Soundから直売されている4つのプラグインの要素を一つにまとめたものだ。
セクション 1 VSE-2 – 入力フィルタで不要な周波数をロールオフする
セクション2 VSC-2 / VSC-3 – 1979 Quad VCAコンプレッションでダイナミクスを制御し、光沢を加える
セクション3 VSE-2 – Gyrator EQで暖かさと超滑らかさを引き出す
セクション4 VSM-2 – 切り替え可能なチューブサチュレーションでハーモニックグルーを追加
それぞれを個別で設定をつめていきたい場合は本家のVertigo Soundプラグインを使って、4エフェクトの要素を手早く使うならBrainworx Vertigo VSS-2 を使うという選択ができる。
本家のVertigo Soundプラグインは単価が€229とかなりの高額プラグインのためBrainworx Vertigo VSS-2 がかなり破格に見えてくるのもありがたい点。
個人的にはBrainworx Vertigo VSM-3 の音は気に入っていたが、サチュレーションの設定やUIとの相性が悪く投げ出してしまった過去があるので今回のVertigo プラグイン化はとても嬉しい。
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Plugin Alliance Vertigo VSS-2 レビュー
それではVertigo VSS-2 レビュー!
もう一度セクション情報を。
セクション 1 VSE-2 – 入力フィルタで不要な周波数をロールオフする
セクション2 VSC-2 / VSC-3 – 1979 Quad VCAコンプレッションでダイナミクスを制御し、光沢を加える
セクション3 VSE-2 – Gyrator EQで暖かさと超滑らかさを引き出す
セクション4 VSM-2 – 切り替え可能なチューブサチュレーションでハーモニックグルーを追加
Vertigo VSS-2 はモジュールを並べた様に配置されているので、UIがわかりやすいのが良いところ。
実機そのままにチャンネルストリップを作っているUIは多いのだけど、横並びになっているものは数が少ないので、マウスカーソルを行き来させるときも楽。
SSLのチャンネルストリッププラグイン Channel Strip 2
Vertigo VSS-2 は左からInput Gain, Filter , VCAコンプ、EQ,サチュレーター、Output Gainで構成されている。
音質について
真空管のアナログチャンネルストリップと比べると、音がかなりクリアで驚かされた。どんなジャンルの曲にも対応できる。逆に真空管のアナログサウンドの音の太さまで求めるならちょっと物足りない。
トラックの音を手早く下ごしらえするのには最適。
Vertigo VSS-2 OFF
[MixBus] Vertigo VSS-2 プリセットDrum Buss
[MixBus] Vertigo VSS-2 プリセットFull Mix1
[MixBus] Vertigo VSS-2 プリセットFull Mix2
コンプはバストラック用途では十分。SC Filterもついていて便利。イコライザーのアナライザー表示がないので、耳で判別するしかないが慣れている人だと違和感なく使えるはず。
High, HiMid,LoMid,Lowの4バンド構成。
サチュレーションセクションはこの狭い空間に単体プラグイン並の機能が詰め込まれているので地味に活躍してくれる。
UI配置が絶妙で設定できる調整幅も広いため、できるだけ接続するプラグイン数を少なくしたい!と思っている人にはドンピシャ。
下の画像はStudio One付属のChannel Stripだが、これはこれでシンプルで良いけどもっと調整を詰めたいときには機能不足。
その点Vertigo VSS-2 だと、コンプ、EQ,サチュレーション設定を詰められるので、1台でOK!にできる。
またセクションごとにON/OFFスイッチがあるのも便利。長時間の作業をしていると誤動作でノブが回っていていることに気づきにくくなるので、「なんかおかしいぞ・・・」という自体を防ぎやすい。
意外とセクションのON/OFFが用意されているチャンネルストリッププラグインは少ない。
1クリックでON/OFFできるのも良い
また左上にあるロゴ横の設定ボタンからオーバーサンプリングの設定が可能。
x8のオーバーサンプリングにすると若干重いかな~ぐらい。初期設定はx4。
x8オーバーサンプリング時
ちょっと気になる点
プリセットブラウザが使いにくいのと、UAD製品のようにプリセット数が多いプラグインに慣れていると物足りない。
UIズームは可能なので、そんなに気にならないが、ラベルの文字が小さいので老眼には辛い……
フィルターセクション
LPF : 500Hz ~ 20KHz (12dB / 6dBoct) HPF : 20Hz ~ 5KHz (12dB / 6dBoct)
VCAコンプ
Threshold : -50 ~ 6dB Attack : 0.1 ~ 40ms Release : 50 ~ 1200ms , Auto Make Up : 0 ~ 22 dB Ratio : Soft / 2:1 / 4:1 / 10: 1 SC Filter : Off / 90Hz / 120Hz
EQ
High: 500Hz ~ 20KHz / Gain :-20 ~ +20 dB HiMid: 20Hz ~ 20KHz / Gain : -20 ~ +20 dB LoMid: 20Hz ~ 20KHz / Gain : -20 ~ +20 dB Low : 20Hz ~ 2KHz / Gain : -20 ~ +20 dB Alt Curveスイッチ Pre Compスイッチ
サチュレーターセクション
サチュレーターセクションは複雑なトーンシェイプができるがシンプル。 過去にBrainworx Vertigo VSM-3 で操作がわからなくなって投げ出したことを考えるとまだわかりやすかった。
つまみが多いのに変化の具合を耳で確認するしかなく、難易度が高かったVSM-3
Brainworx Vertigo VSM-3
Input Filter : Low / Mid / HiMid/ High / Full / Track Drive : 0 ~ 100% Level : -20 ~ 20dB Shape: 0 ~ 100% Mix: 0 ~ 100% Tube : Pentode / Triode Style: Soft / Hard Post Filter
デフォルト設定
VCAコンプセクションを入れると20hzあたりからゆるくカットされる
プリセット
残念ながらVertigo VSS-2 のプリセット数は少なめ。プリセットだけでポチポチ設定していくには少し数が足りない。
プリセットブラウザの仕組みがあまり良くなくて、Load Presetのアイコンボタンを押さないと切り替わらないので、手早く切り替えたいときには若干ストレスがある。
mixbus用と各トラックの用途にわかれたフォルダ構成になっているのでとりあえずはプリセットを当てるとVertigo VSS-2 の効果が実感できる。
Vertigo VSS-2とは?
VIDEO
■動画のまとめ (00:00) Vertigo VSS-2 プラグインの紹介。これは、Vertigo のハードウェアをモデルにした、VCA コンプレッサー、ジャイレーター EQ、チューブ サチュレーターを備えた個別のチャンネル ストリップです。 (01:29) 入力ゲイン モジュールと、選択可能なローパス フィルターとハイパス フィルター (調整可能なスロープ) を備えたフィルター セクションを備えています。 (02:00 – 05:11) VCA コンプレッサーは、ボーカル、ギター、ミックスにクリーンな圧縮を提供し、アタック、リリース、比率、メイクアップ ゲインを調整できます。低周波の影響を制御するサイドチェーン フィルターが含まれています。 (05:55) ジャイレーター EQ には、周波数選択、バンド シェーピング、コンプレッサーの前または後に配置するオプションを備えた 4 つのバンド (高、中高、中低、低) があります。 (08:08) チューブ サチュレーターは、五極管または三極管モードによるソフト/ハード サチュレーション、ドライブ コントロール、並列処理用のミックス ノブを提供します。トーン コントロール用のポスト フィルターが含まれています。 (10:04) スタイル スイッチは倍音の豊かさを調整し、出力レベル ノブは最終的な信号レベルを制御します。 (12:10) その他の機能には、ノブ コントロールのカスタマイズ、品質向上のためのオーバーサンプリング (2 倍、4 倍、8 倍)、UI ズーム オプションなどがあります。 (12:39) プリセット管理により、カスタム プリセットを保存、比較、整理できます。チャンネルとミックスバスのプリセットが組み込まれています。 (13:11) プラグインをテストするために、Mega プランを通じて 30 日間の無料トライアルを利用できます。
Vertigo VSS-2 主な特徴
Vertigo は、ドイツで最高級の最新アナログ コンポーネントを使用して手作業で配線されたハイエンドの制作ハードウェアで有名です。その精度と独自の音質はプロからも高く評価されており、グラミー賞受賞者の Craig Bauer や Dave Cobb など、大物アーティストのスタジオでも Vertigo の機器が使用されています。VSS-2 は、最も評価の高いスタジオ ハードウェアの最高のパーツを組み合わせ、1 つの完全な個別のチャンネル ストリップに丹念にモデル化したものです。
プレミアムシグナルチェーン、最適なワークフロー
VSS-2 は、VSE-2 のフィルター、VSC-3 のクアッド VCA コンプレッサー、VSE-4 のディスクリート Gyrator EQ、VSM-4 の真空管を採用しています。これらはすべて、ハイエンド アナログ コンソールの最高峰に匹敵する、入念にキュレーションされたシグナル チェーンに統合されています。サウンドを取り込み、クリーンアップ、スムージング、トーンの強化、温かみを加えます。ボーカルを引き締めたり、ドラムにパンチを加えたり、フラットなミックスに活気を与えたりするのに最適です。1 つのプラグインで完全な Vertigo ミキシング コンソールを実現できます。
VSC-3 ディスクリート クアッド 1979 VCA コンプレッサー
VSE-4 ディスクリートジャイレーター回路付きインダクターEQ
VSM-4 切り替え可能な五極管/三極管ハード/ソフト管セクション
VSE-2 ハイパスおよびローパスフィルター
各EQバンドのナローQとワイドQの切り替え
FIRオーバーサンプリング
SCフィルタースイッチング
切り替え可能なセクションルーティング
THDミックスコントロール
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