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【作曲】ブラジリアンPhonkの作り方

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ブラジリアンPhonk(Brazilian Phonk)は、メンフィス発祥のPhonkと、ブラジルのストリート音楽であるBaile Funk(バイレファンク)が融合した、エネルギッシュで攻撃的なジャンルです。

TikTokやYouTube Shortsでバズりやすいこのサウンドを作るための、主なステップとコツをまとめました。


目次

1. 基本的な構成要素

ブラジリアンPhonkを構成する4つの核となる要素です。

  • BPM: 一般的に 130〜150 BPM(140 BPM前後が最も一般的です)。
  • ドラム(Baile Funkのリズム): * 最大の特徴は、ブラジリアン・ファンク特有の「タンボルゾン(Tamborzão)」と呼ばれるリズムパターンです。
    • キックが「ドン・ドド・ドン」という独特のハネたリズムを刻みます。
  • ベース: * 非常に歪んだ(Distorted)808ベースや、うねるような「Wobble Bass」が多用されます。
  • メロディ(カウベル): * Phonk特有の「メンフィス・カウベル」を使って、ダークで耳に残る短いループを作ります。

2. 具体的な作り方のステップ

ステップ1:リズム隊(ドラム)の作成

普通のトラップ(Trap)のリズムではなく、ブラジルのパーカッションを意識します。

  • Kick/Snare: ドラムキットの「Baile Funk」や「Brazilian Phonk」パックから、硬くて歪んだサンプルを選びます。
  • リズム: Kick - (rest) - Kick - Kick - Snare のような、シンコペーションの効いたパターンを組みます。
  • パーカッション: アゴゴ(ベル)、タンバリン、コンガなどを加えて、ラテンらしいグルーヴを出します。

ステップ2:ベースの加工

  • ディストーション: ベースには強めに歪みをかけます。FL Studioなら「Fruity Fast Dist」や「Blood Overdrive」が定番です。
  • サイドチェイン: キックが鳴る瞬間にベースの音量を下げる「サイドチェイン」を強くかけ、キックの衝撃度を高めます。

ステップ3:メロディとカウベル

  • スケール: 短調(マイナースケール)を使用し、不穏でダークな雰囲気を出します。
  • 加工: カウベルにリバーブやディレイをかけて空間を広げつつ、高域を少し削って「ざらついた」質感にします。

ステップ4:ボーカルチョップ

  • ポルトガル語のラップや、90年代のメンフィス・ラップのサンプルを細かく切り刻んで配置します。
  • ピッチシフト: 音程を極端に下げたり(Screwed)、上げたりして、楽器の一部として機能させます。

3. 推奨ツール・プラグイン

  • DAW: FL Studio(このジャンルの制作者が最も多いです)、Ableton Liveなど。
  • VSTプラグイン: * Serum: 攻撃的なベースやリードシンセの作成。
    • RC-20 Retro Color: アナログ感やノイズ、歪みを足すのに最適。
    • Gross Beat: 独特のリズムのヨレやグリッチ効果。
  • サンプルパック: 「Splice」や「Loopmasters」で「Brazilian Phonk」や「Baile Funk」と検索すると、即戦力の素材が見つかります。

4. 仕上げのコツ:Bad Mixing, Good Vibes

ブラジリアンPhonkは、綺麗に整ったミックスよりも、**「あえて音割れさせる」「ラウドに鳴らす」**ことが正解とされる文化があります。

  • マスターチャンネルに Soft Clipper を刺して、ボリュームを思い切り突っ込むことで、あの独特の「圧」が生まれます。

注意点: 政治的なメッセージや過激な歌詞が含まれるサンプルも多いため、リリースを考える際はサンプルの内容(ポルトガル語の意味)を確認することをおすすめします。

特定のドラムパターンやコード進行の作り方について

ブラジリアンPhonkの「あの音」を再現するための、より具体的なテクニックを解説します。


1. ドラムパターンの作り方(バイレファンクの核心)

ブラジリアンPhonkの最大の特徴は、トラップのような「ドン・カッ」という直線的なリズムではなく、**「ドン・ドド・ドン」というブラジル伝統の「ヴォルタ・セッカ(Volta Seca)」**のリズムにあります。

基本の打ち込み例(4/4拍子 / 1小節)

16分音符のグリッドで考えると分かりやすいです。

1e&a2e&a3e&a4e&a
Kick
Snare
  • ポイント: 2拍目と4拍目の頭にスネア(またはリムショット)が来るのは標準的ですが、キックがその直前(16分音符1つ前)に入ることで、独特の「ハネ」と「推進力」が生まれます。
  • 音色の選び方: スネアは少し「ポコン」という空洞感のある乾いた音(Funk Rim)を選ぶと、よりブラジルっぽさが出ます。

2. コード進行とスケール

Phonk全般に言えることですが、複雑なコード進行はあまり使いません。それよりも**「不気味さ」「緊張感」**を重視します。

推奨スケール:フリジアン・スケール (Phrygian)

ダークで邪悪な響きを作るには、フリジアン・スケールが最適です。

  • 例(Cフリジアン): C – Db – Eb – F – G – Ab – Bb
  • コツ: ルート音(C)とその半音上の音(Db)を交互に行き来するだけで、ブラジリアンPhonk特有の「攻め立てるような緊張感」が出ます。

コード進行の例

コードとして鳴らす場合は、以下の2パターンが定番です。

  1. i – II (マイナーワン – メジャーセカンド): 例:Cm → Db。半音のズレが不安を煽ります。
  2. 単音リフ: コードを弾かず、ベースとカウベルのメロディだけで構成するのが主流です。

3. カウベル・メロディの作り方

カウベルは「メロディ楽器」として扱います。

  • 音域: 中高域(C4〜C6あたり)で打ち込みます。
  • リズム: ドラムのキックのリズムに合わせつつ、あえて少しズラした位置にノートを置くとグルーヴが出ます。
  • スライド: FL Studioの「Slide Note」などを使って、ノートの終わりで音程をギュイーンと上下させると、現代的なPhonkらしいサウンドになります。

4. ベース(808)の配置

ブラジリアンPhonkでは、ベースがドラムと同じくらい重要です。

  • 配置: 基本的にはキックと同じ位置に打ち込みます。
  • 長さ: 短く「ドンッ」と切るのではなく、次のキックまで音を伸ばして、ディストーションの余韻を聞かせます。
  • ピッチ移動: メロディに合わせてベースの音程も変えますが、基本はルート音(Cなど)を連打して「重さ」を強調してください。

実践的な次のステップ

まずは 140 BPM に設定して、上記の表の通りにキックとスネアを打ち込んでみてください。それだけで一気に「ブラジリアン」な雰囲気になります。

1. ジャンルを象徴する世界的ヒット曲

ブラジリアンPhonkの勢いは凄まじく、YouTubeやTikTokでは数千万から数億再生を超えるヒット曲が次々と生まれています。

リファレンス(参考曲)として聴いておくべき、100万再生以上の代表曲をいくつかピックアップしました。


  • S3BZS – “MONTAGEM – PR FUNK”
    • YouTubeで数億再生を記録している、ブラジリアンPhonkブームの火付け役的な一曲です。強烈なベースと中毒性のあるループが特徴です。
  • Slowboy, Nueki, Crazy Mano – “Brazilian Phonk Mano”
    • タイトル通り、このジャンルの「教科書」のような構成です。独特の跳ねるリズムとカウベルの使い方が非常に参考になります。
  • Slowboy, Nueki, Crazy Mano – “Life in Rio”
    • リオデジャネイロのストリートを感じさせるダークな雰囲気と、重低音の効いたサウンドが特徴です。

2. 2024年〜2025年の最新ヒット・トレンド曲

最近は「Aura Phonk」とも呼ばれ、よりエネルギッシュで洗練された楽曲が人気です。

  • ZXKAI / slxughter – “NO BATIDÃO”
    • 非常に攻撃的で、現代のTikTokトレンドを象徴するようなサウンドです。
  • MXZI – “MONTAGEM XONADA”
    • 2025年現在、多くのプレイリストに入っている人気曲です。
  • Ariis – “FUNK DO BOUNCE”
    • 踊り出したくなるようなグルーヴ感が強く、リバーブを深くかけた「Slowed」バージョンも100万再生を軽く超える人気を博しています。

3. 要チェックの主要アーティスト

曲単位だけでなく、以下のアーティストの楽曲を追うと、最新のドラムパターンや音作りの傾向が掴めます。

  • MC GW: ブラジリアン・ファンク界のレジェンド的存在。彼のボーカルは多くのPhonk曲でサンプリングされています。
  • Slowboy: 北欧出身ながらブラジリアンPhonkを世界に広めた第一人者。
  • Crazy Mano: 本場ブラジルのプロデューサーで、リアルな打楽器のリズム感が強みです。

ブラジリアンPhonkを研究するコツ

これらの曲を聴くときは、特に**「キックが鳴った瞬間に他の音がどう消えるか(サイドチェインの強さ)」と、「ボーカルがどれくらい加工されているか」**に注目してみてください。

もし特定の曲のような「あの独特のベース音」や「カウベルのメロディ」を再現したい場合は、曲名を挙げてもらえればさらに詳しく解説できます。

ブラジリアンPhonkの制作において、「有料音源」を揃えるなら、「音を作るためのシンセ(VST)」と、「本場の質感を出すための素材(サンプルパック)」、そして**「仕上げの加工(エフェクト)」**の3点に投資するのが最も効率的です。

プロやバズっているクリエイターが実際に使っている、おすすめのツールを厳選しました。


1. 必須のシンセ(VST)

ブラジリアンPhonkの「凶悪なベース」や「硬いリード」を作るには、この2つが圧倒的に主流です。

  • Xfer Records / Serum
    • 理由: 現在のPhonk制作で最も使われています。ブラジリアンPhonk特有の歪んだベースやカウベルを自作するのに最適です。
    • ポイント: 有料の「Brazilian Phonk Preset Pack」を購入すれば、即戦力の音が手に入ります。

  • Spectrasonics / Omnisphere 3
    • 理由: 膨大なライブラリがあり、ダークで不気味なシネマティックサウンドや、古いサンプルのような質感を出すのに使われます。

2. おすすめのサンプルパック(音素材)

ブラジリアンPhonkは「音選び」が8割です。以下のパックは、本場のドラムパターンやポルトガル語のボーカル素材が充実しています。

  • BRAZILIAN PHONK HITMAKER (Singomakers)
    • 内容: 激しく歪んだビートやボーカル、ベースが詰まった決定版的なパックです。

Brazilian Phonk Hitmaker セール

  • BRAZILIAN VIBE – VOCALS (Dabro Music)
    • 内容: ブラジルのストリート感溢れるボーカル素材が豊富。声を楽器のように切り刻む(チョップする)スタイルに最適です。

Brazilian Vibe: Vocals セール

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ブラジルのフォンクのリズムパラダイス

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  • Shadow – Brazilian Phonk Samples (Sound District)
    • 内容: 2025年現在、非常に人気のあるパックです。空気感まで再現されたドラムやボーカルが収録されています。

3. 仕上げのエフェクト(音を汚すツール)

「綺麗すぎる音」をあえて壊し、Phonk特有のざらつきを与えるために重要です。

  • XLN Audio / RC-20 Retro Color
    • 役割: ノイズを乗せたり、ピッチを少し揺らしたりして、アナログな質感(ヴィンテージ感)を出します。
  • Soundtoys / Decapitator
    • 役割: 歪み(サチュレーション)の定番。ベースやドラムにかけて、圧倒的な「圧」と「汚さ」を演出します。
  • Initial Audio / Initial Clipper
    • 役割: マスターにかけて音量を限界まで突っ込みます。ブラジリアンPhonkの「音割れ寸前の迫力」を作るための最終兵器です。

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この記事を書いた人

櫻井徳右衛門のアバター 櫻井徳右衛門 音楽プロデューサー・ミュージシャン

激しく速いギタープレイが得意分野 | 希少種メタラーDTMer
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