ギターの弦をピックで弾いたとき、バイオリンの弦を弓でこすったとき、ピアノの弦をハンマーで叩いたとき——これら全く異なる「弦との接触方法」の違いが、なぜあれほど異なる音を生み出すのか。Applied Acoustics Systems String Studio VS-3 はこの問いに「弦と道具の物理的な相互作用を数学的にモデリングする」という方法で正面から向き合ったシンセサイザーです。
Applied Acoustics Systems String Studio VS-3
従来のシンセサイザーが鋸歯波・矩形波などの「波形」を起点に音を作るのとは全く異なり、String Studio VS-3は弦がオシレーター(音源) として機能します。BSO(弓で弾く弦)・HSO(ハンマーで叩く弦)・PSO(ピックで弾く弦) という3種類の「弦との接触方式」によるオシレーターを核心に持ち、2ボイスマルチティンブラルエンジン、800以上のプリセット、拡張されたマルチエフェクト——String Studio VS-3は「弦楽器を模倣するだけでも、弦楽器を超えた音を生み出すためにも」使える、物理モデリング弦楽シンセの最高峰です。
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目次
String Studio VS-3の「3種のストリングオシレーター」:弦との接触方法が音を決める
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String Studio VS-3のシンセシスの核心は、従来のシンセのオシレーター(正弦波・鋸歯波・矩形波等)ではなく、弦と「触れ方」のフィジカルモデリングがオシレーター として機能する点です。
BSO(Bowed String Oscillator):弓で弾く弦
BSO はバイオリン、チェロ、コントラバスなどの弓奏弦楽器の物理モデルです。弓の毛が弦と「引っかかっては滑る(スティック&スリップ)」という複雑な摩擦現象を数学的に再現しており、この特殊な非線形振動が「バイオリンのお互いに絡み合うような豊かな倍音感」の正体です。
BSOから生まれる音は:
弓圧・弓速・弓の弦上の位置(駒寄り・ネック寄り)を変えることで 劇的に変化
リアルなバイオリン・チェロから「決して現実の弦楽器では出ない電子的な歪み」まで
HSO(Hammered String Oscillator):ハンマーで叩く弦
HSO はピアノやハンマーダルシマー(弦を棒で叩く民族楽器)の物理モデルです。「弦にハンマーが当たった瞬間の短いパルス的な刺激」から始まる弦の振動をシミュレートします。
HSOから生まれる音のキャラクター:
ピアノ的な「アタック後に伸びるサステイン」
ハンマーの硬さ(ソフト〜ハード)によるアタック音の変化
プリペアドピアノ的な「ピアノとは思えない独特の音色」も実現可能
PSO(Plucked String Oscillator):ピック・指で弾く弦
PSO はギター・ベース・ハープ・コトなどの撥弦楽器の物理モデルです。「弦を引っ張って離した瞬間」の物理特性を再現し、ピックの硬さ・弾く速さ・弾く位置による音色変化を数値で制御できます。
PSOから生まれる音:
アコースティックギター的なアタックと自然な減衰
ハープのような「流れるようなグリッサンド感」
カリンバ(親指ピアノ)的な独特の「コポン」とした質感
[!NOTE] スティック&スリップ(Stick & Slip) : バイオリンなどの弓奏楽器で弦と弓の間に起きる物理現象。弓の毛の摩擦で弦がある方向に引っ張られ(スティック)、ある限界を超えると弦が素早く元の位置に戻る(スリップ)、この繰り返しが弦の振動を維持します。この非線形な繰り返しが「弓奏楽器特有の複雑な倍音構造」の物理的な根拠です。 プリペアドピアノ(Prepared Piano) : ピアノの弦の間にネジ・ボルト・消しゴム・フェルト等を挟んで音色を変えた実験的な音楽技法。現代音楽作曲家のJohn Cageが体系化。String Studio VS-3のHSOはこのような「弦の状態を変えるアプローチ」もパラメーターで実現できます。
ボディモジュール:「弦を支える楽器本体の共鳴」
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弦が単独で振動しても音は非常に小さい。楽器の音としての「豊かさ・存在感」を与えるのが弦を張る「楽器本体(ボディ)の共鳴」です。
String Studio VS-3では弦オシレーター(BSO/HSO/PSO)の出力がBody(ボディ)モジュール を通過することで、「その楽器の筐体がどのように共鳴するか」が音に加わります。Bodyモジュールでは:
ボディの材質(木・金属・プラスチック等)に対応したトーンキャラクター
ボディのサイズ・形状の変化に相当するパラメーター
「現実の木製ギターのボディ」から「金属製の架空の楽器ボディ」まで
これにより「弦の振動特性」と「本体の共鳴特性」を独立してコントロールし、「ギターの弦をチェロのボディに通した音」のような現実には存在しないハイブリッド楽器のボディサウンドが実現できます。
2ボイスマルチティンブラルエンジン:「2つの弦楽器を重ねる」
String Studio VS-3もChromaphone 3と同様に2ボイスマルチティンブラルエンジン を搭載しており、Layer AとLayer Bという2つの完全に独立した音源エンジンをスタックまたはスプリットで組み合わせられます。
活用例:
Layer A「PSO(ギター的)」+Layer B「BSO(バイオリン的)」→ 「ギターとバイオリンが重なった架空の弦楽器」
Layer A「リードの弦音」+Layer B「アンビエントなボディ共鳴音」→ 「単音のメロディをとりながら、その下に揺れる弦の息吹が広がるテクスチャー」
スプリット:低域はベース系のPSO、高域はメロディックなBSO→ 「ベースラインとメロディを一人で演奏できる多弦楽器感覚」
800以上のプリセット:即戦力のサウンドライブラリ
String Studio VS-3には800以上のファクトリープリセット が付属します(String Studio VS-2からの後方互換性あり)。各プリセットはゲインステージを統一した「ゲインステージング」と「MIDIコントロールによるサウンド変形アサイン」を施したリマスター版で、制作ですぐに使えるクオリティになっています。
プリセットカテゴリ(例):
Guitar(ギター系)
Bass(ベース系)
Cello / Violin / Viola(弦楽器系)
Harp / Koto / Sitar(民族弦楽器系)
Pad(持続音・ストリングパッド)
Pluck(アタック感のある弾弦音)
Lead(リード音)
Experimental(実験的・独自のテクスチャー)
パフォーマンスモジュレーター:「演奏中に音が生きて変化する」
各レイヤーには2つのパフォーマンスモジュレーター が搭載され、MIDIコントローラーに割り当てることができます。例えば:
モジュレーションホイール → 弓圧の変化→ 「演奏しながら音色をドラマティックに変化させる」
アフタータッチ → ビブラートの深さ→ 「押し続けると自然なビブラートがかかる」
「スタジオで打ち込む楽器」であると同時に「ライブキーボードで演奏する楽器」としても機能するString Studio VS-3の、演奏表現力の核心です。
マルチエフェクト:3つの独立したラック
String Studio VS-3のエフェクトセクションは3つの独立したラック (Layer A・Layer B・マスター)に分かれており、それぞれに複数のエフェクトスロットを持ちます。
利用可能なエフェクト:リバーブ・ディレイ・ディストーション・フェイジング・コーラス・フランジング・フィルター・EQ・コンプレッサー・アンプモデリング・トレモロ
「Layer Aのギター音にはディストーションとアンプ→Layer Bのストリングパッドにはリバーブとコーラス→マスターにはコンプでまとめる」という独立したエフェクトチェーンが2レイヤー分使えるため、単体でほぼ完結したサウンドデザインが可能です。
フィルターと改良点:「極端なモジュレーション下でも音楽的」
VS-3で特に改良されたのがフィルターの音楽的な振る舞い です。従来のシンセフィルターは極端なモジュレーション(急速なカットオフ変化等)をかけると「チューニングが崩れる」「不自然な音になる」問題がありましたが、VS-3のフィルターはエクストリームなモジュレーション下でも「音楽的な音程感とキャラクター」を維持するよう設計されています。
どんな音楽制作者に向くか
「生の弦楽器の質感」が欲しいが完全な再現は求めない制作者 「バイオリンっぽいリード」「ギターっぽいアルペジオ」という弦楽器のキャラクターをサンプルとは異なる「生きた物理的な動き」で使いたい方に。
実験的・アバンギャルドな弦楽系テクスチャーを求める制作者 「弦楽器であって弦楽器でない」独特のサウンドデザイン空間はString Studio VS-3の最も輝く領域です。実験的な電子音楽・サウンドアート・映画音楽の変わった質感に。
ストリングパッドやアンビエントテクスチャーを作りたい制作者 BSOの持続的な弓奏的サスティン感を活かしたパッドサウンドは、サンプラーやウェーブテーブルシンセとは全く異なる「弦の物理的な生命感」を持ちます。
結論:String Studio VS-3は「弦の物理学の游び場」
AAS String Studio VS-3 はBSO・HSO・PSOの3種ストリングオシレーター、ボディモジュール、2ボイスマルチティンブラルエンジン、2つのパフォーマンスモジュレーター、800以上のプリセット、3ラックのマルチエフェクトを統合した、弦楽器の物理モデリング専用シンセサイザーの決定版です。
「リアルな弦楽器サウンドのリアリズム」と「弦の物理法則を使って架空の楽器を設計する創造性」の両方をひとつのプラグインで追求できるString Studio VS-3は、弦楽器的なサウンドを「音楽的な道具」として使いたいあらゆる制作者に向けた、唯一無二のシンセシス体験を提供します。
[!NOTE] String Studio VS(ストリングスタジオ) : Applied Acoustics Systemsが開発する弦楽器特化のフィジカルモデリングシンセサイザーシリーズ。「VS」は「Virtual String」の略。VS-1(初代)→VS-2→VS-3と進化し、各バージョンで新しい機能・プリセット・マルチティンブラル機能等が追加されてきました。 Applied Acoustics Systems(AAS) : カナダ・モントリオール発のフィジカルモデリング専門シンセサイザーメーカー。Chromaphone(打楽器・ベル)・String Studio VS(弦楽器)・Lounge Lizard(エレクトリックピアノ)・Ultra Analog(アナログシンセ)等のシリーズを持つ。「物理の法則から音楽を作る」という一貫した哲学で20年以上音楽制作コミュニティに貢献してきた。
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