音楽制作において、永遠のテーマとも言える「音圧」。 私たちは常に、より大きく、より迫力のある、そしてよりクリアなサウンドを追い求めてきました。かつて「音圧戦争(Loudness War)」と呼ばれた時代は、ダイナミクスを犠牲にしてでも海苔波形を作ることが正義とされたこともありましたが、ストリーミングサービスの普及に伴うラウドネスノーライゼーション(Loudness Normalization)の導入により、その戦いのルールは大きく変わりつつあります。
しかし、それでもなお、「音圧」は楽曲の第一印象を決定づける重要な要素であり続けています。特にダンスミュージックやヒップホップ、ロックなどのジャンルにおいては、キックの重み、スネアのアタック感、そしてミックス全体の「密度」が、リスナーの心を掴むための鍵となります。 「ストリーミングで音量が揃えられるから、音圧はもう気にしなくていい」 そんな言葉を鵜呑みにして、ダイナミクスの処理を怠れば、あなたの楽曲はプロの作品と並べた時に「線が細い」「迫力がない」と感じられてしまうでしょう。音圧を稼ぐこと自体が目的ではなく、音圧をコントロールし、楽曲に適切な「ボディ感」と「エネルギー」を与えることが、現代のマスタリングにおいては不可欠なのです。
目次
Beatskillz LoudBody とは?:そのコンセプトと真髄
そんな中、数あるプラグインメーカーの中でも、独自の視点とアナログライクなサウンドメイキングで支持を集める Beatskillz から、興味深いプラグインが登場しました。 その名も 「LoudBody」。 名前がいきなり直球です。「ラウド(Loud)」で「ボディ(Body)」がある。これほど分かりやすいコンセプトも珍しいでしょう。
「マスタリング・グレード・リミッター」を謳うこのプラグインは、単にピークを抑えるだけのリミッターではありません。その名の通り、サウンドに「大きさ」と「厚み」を同時に付加することを目的とした、現代的なダイナミクス・プロセッサーです。 多くのプロデューサーが、FabFilter Pro-L2やWaves L3、Ozone Maximizerといった定番リミッターを使用している中で、あえてこの「LoudBody」を選ぶ理由はどこにあるのか? そして、AIによる自動マスタリングや、複雑なマルチバンド処理が全盛のこの時代に、たった2つの主要なノブ(LoudとBody)で勝負を挑むこのプラグインの実力はいかなるものか?
シンプル・イズ・ベストの逆襲
近年、オーディオプラグインは多機能化の一途を辿っています。1つの画面に数十個のパラメータが並び、裏画面に入ればさらに細かい設定が可能、といったプラグインも珍しくありません。もちろん、それらはプロフェッショナルな現場で精密な調整をするためには必要な機能ですが、クリエイティブなフローにおいて、必ずしも「多機能=正義」ではありません。 特に、インスピレーションが湧き上がっている最中に、マニュアルを読み込まなければ理解できないようなパラメータ群と格闘するのは、制作の勢いを削ぐことになります。
Beatskillz LoudBody は、そんな「パラメータ多すぎ問題」に対する一つの回答と言えるでしょう。 このプラグインのGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を開くと、まず目に飛び込んでくるのは、巨大な2つのノブです。 左側にある LOUD。 右側にある BODY。 これだけです。 もちろん、細かい設定項目は他にもありますが、このプラグインの核となる操作は、実質この2つのノブを回すことだけに集約されているのです。
「LOUD」ノブを回せば音が大きくなる。 「BODY」ノブを回せば音に厚みが出る。 まるでギターアンプのボリュームとゲインを操作するかのような、この直感的でアナログライクな操作感こそが、LoudBodyの最大の魅力であり、コンセプトなのです。
「マスタリング・グレード」の意味
LoudBodyは「Master Grade Limiter」と銘打たれています。「マスタリング・グレード」という言葉は、オーディオ業界では頻繁に使われるマーケティング用語ですが、具体的には何を意味するのでしょうか? 一般的には、「マスタリングという最終工程で使用に耐えうる、高解像度かつ低歪みな処理能力」を指します。 LoudBodyにおいて、この品質を支えている技術的な背景がいくつかあります。
まず一つ目は、高品質なオーバーサンプリング機能です。 デジタルオーディオにおいて、リミッティングやサチュレーションといった非線形処理を行うと、どうしても「エイリアシングノイズ(折り返しノイズ)」が発生します。これはデジタル特有の不快な歪みで、特に高域の透明感を損なう原因となります。 LoudBodyは、デフォルトで 4倍(4x) のオーバーサンプリングで作動しており、必要に応じて最大 16倍(16x) まで設定を引き上げることが可能です。16倍のオーバーサンプリングというのは、現在のプラグイン市場においてもトップクラスの仕様です。これにより、極端なリミッティングを行っても、デジタルの冷たさや粗さを感じさせない、シルキーで滑らかなサウンドを維持できるのです。
二つ目は、トゥルー・ピーク(True Peak)リミッティングへの対応です。 先ほど触れたストリーミングサービスのラウドネス規定においては、単なるデジタルピーク(0dBFS)を超えないことだけでなく、「トゥルー・ピーク」を制御することが推奨されています。 デジタル信号をアナログ音声に変換(DA変換)する際、サンプル間の波形が再構築されることで、デジタル上では0dBを超えていなくても、アナログ波形としてはクリッピングしてしまう現象が起こります。これが「インターサンプル・ピーク」であり、これを抑制するのがトゥルー・ピーク・リミッターです。
LoudBodyは、このトゥルー・ピークを正確に検知し、制御するアルゴリズムを搭載しています。これにより、SpotifyやApple Musicにアップロードした際に、意図しない歪みが発生したり、エンコード処理で音質が劣化したりするリスクを最小限に抑えることができます。
独自の「カラー」を持ったダイナミクス処理
一般的なクリアなデジタルリミッター(例えばFabFilter Pro-L2のTransparentモードなど)は、原音のバランスを崩さずに音量だけを上げることを目指します。 しかし、LoudBodyは少し違います。 Beatskillzというメーカーは、シンセサイザー音源やエフェクトにおいて、「80年代のレトロな質感」や「アナログ機材の太さ」を再現することに定評があります。そのDNAはこのLoudBodyにも色濃く受け継がれています。
LoudBodyは、単に音を大きくするだけでなく、音に「色(カラー)」を付けます。 それは、アナログのコンプレッサーを突っ込んだ時のようなサチュレーション感であったり、トランスを通した時のような中低域の粘りであったりします。 「透明なリミッター」を求めている人には、もしかしたら少しキャラクターが強すぎるかもしれません。しかし、「デジタル臭さを消したい」「楽曲にパンチと温かみを加えたい」と考えている人にとっては、まさに代えの効かないツールとなるでしょう。 この「色付け」をコントロールするのが、まさに右側の BODY ノブなのです。
機能詳細:2つの巨塔とそれを支える機能たち
それでは、LoudBodyの各機能をさらに深掘りしていきましょう。GUIの中央に鎮座する2つの巨大なノブから、下部に配置された玄人好みのパラメータまで、その役割と効果を詳細に解説します。
1. LOUD ノブ:音圧のアクセルペダル
左側に位置する「LOUD」ノブ。これは、いわゆるスレッショルド(Threshold)とメイクアップゲイン(Makeup Gain)を統合したようなコントロールです。 このノブを時計回りに回していくと、内部的なスレッショルドが下がり、リミッター回路への入力レベルが上がります。結果として、出力音量が大きくなります。
一般的なマキシマイザーのスレッショルド操作と違うのは、その「かかり方」の感触です。 単純に音がバツっと切られる感じではなく、レベルを上げていくにつれて、徐々に音楽的な「密度」が増していくようにチューニングされています。 低い設定値では、穏やかなレベリングアンプのように動作し、軽くピークを整える程度です。しかし、50%、70%と回していくにつれ、強烈なリミッティングがかかり始め、音の壁が迫ってくるような、現代的なラウドネスサウンドへと変貌します。
このLOUDノブの挙動の素晴らしさは、その可変域の広さと、スウィートスポットの広さにあります。 「ここまでは自然だけど、ここを超えると急に歪む」というポイントが分かりにくく、かなり極端に突っ込んでも破綻しにくい設計になっています。これは、内部処理のニー(Knee)特性や、アタック・リリースの設定が、非常に音楽的に最適化されているからでしょう。 初心者の方であれば、まずはこのLOUDノブを、波形が赤く張り付く手前まで回していくだけで、十分な音圧を得ることができるはずです。
2. BODY ノブ:魔法のサチュレーション
右側に位置する「BODY」ノブ。これこそが、Beatskillz LoudBodyを唯一無二の存在にしている核心部分です。 通常のリミッターには、このようなノブはありません。「Character」や「Style」といったセレクターで内部アルゴリズムを切り替えるタイプはありますが、連続可変のノブとして「BODY」が存在するのはユニークです。
このノブが何をしているのか、技術的なブラックボックスの中身を推測すると、おそらく「パラレルコンプレッション」と「サチュレーション(倍音付加)」、そして「EQ(イコライジング)」の複合処理を行っていると考えられます。 BODYノブを上げていくと、次のような変化が起こります。
- 中低域(Low-Mid)の増強:キックの胴鳴りや、ベースの基音、スネアの太さといった、楽曲の土台となる帯域が持ち上がります。これにより、音が「太く」なります。
- サスティンの強調:コンプレッションによって余韻が持ち上がり、音の隙間が埋まっていきます。これが「密度」感に繋がります。
- 倍音の付加:アナログ回路をドライブさせた時のような、心地よい歪み(ハーモニクス)が加わります。これにより、音が前に張り出し、存在感が増します。
LOUDノブだけで音圧を上げると、どうしてもピーク成分(トランジェント)がつぶれて、音がペラペラになったり、平面的になったりしがちです。 そこでこのBODYノブの出番です。LOUDで稼いだ音量に対して、BODYで「肉付け」をしてやるのです。 骨組み(ピーク制御)と肉体(RMS/トーン制御)を個別にコントロールできる。この設計思想が、LoudBodyの使いやすさとサウンドの良さに直結しています。
例えば、トラップ(Trap)のようなジャンルで、808ベースをもっとブーストさせたい時、EQでローエンドを上げるよりも、このBODYノブを回した方が、自然かつ強烈に低域のエネルギーを引き出すことができます。 ロックのミックスにおいて、ギターとベースが混ざり合った「壁」のようなサウンドを作りたい時も、BODYノブが活躍します。
3. Ceiling(シーリング)と True Peak
中央下部にある小さなノブですが、非常に重要なのが Ceiling です。 これは、最終的な出力の上限レベルを設定するものです。 ストリーミング向けの配信を前提とするなら、ここを -1.0 dB または -0.5 dB 程度に設定するのがセオリーです。0.0 dBギリギリまで攻めることも可能ですが、前述のMP3/AACエンコード時の歪みを避けるため、少しマージン(余裕)を持たせることが推奨されています。
LoudBodyのCeilingは、トゥルー・ピーク・モードと連動して動作します。 「True Peak」スイッチをオンにすると、インターサンプル・ピークを検知し、設定されたCeiling値を絶対に超えないようにリミッティングを行います。 この制御の精度は非常に高く、安心して最終段を任せることができます。
4. M/S 処理と Stereo Link
LoudBodyは、M/S(Mid/Side)処理にも対応しています。 これは、マスタリングエンジニアにとっては必須とも言える機能です。 オーディオ信号を、センター成分(Mid)とサイド成分(Side)に分けて処理することができます。 例えば、キックやベース、ボーカルといったセンターに定位する重要な要素はしっかりとリミッティングして音圧を稼ぎつつ、サイドにあるシンセパッドやリバーブ成分は少しダイナミクスを残して広がりを維持する、といった高度な使い方が可能です。
また、Stereo Link 機能もあります。 これは、左右のチャンネルのリミッティングをどれくらい連動させるかを決めるものです。 100%に設定すれば、LとRのうち大きい方の入力に合わせて、両方のチャンネルに同じだけのリダクションがかかります。これにより、ステレオイメージ(定位)が安定します。 逆に0%(Unlink)にすれば、LとRは個別にリミッティングされます。左右で全く違う音が鳴っているような楽曲では、こちらの方が音圧を稼げる場合がありますが、定位がふらつく原因にもなります。 LoudBodyでは、このリンク量を調整することで、音圧とステレオ感のバランスを微調整できます。多くの場合はデフォルトの設定で問題ありませんが、こだわりたい派には嬉しい機能です。
5. 高性能な LUFS メーター
GUIの中央には、視認性の高いメーターが配置されています。 ここでは、以下の情報をリアルタイムで確認できます。
- Gain Reduction(ゲインリダクション):リミッターによってどれくらい音が圧縮されたか。
- Output Level(出力レベル):最終的な音量。
- LUFS(Loudness Units Full Scale):人間の聴覚特性に基づいたラウドネス値。
特に現代のマスタリングで最も重要視されるのが LUFS です。 Spotifyは-14 LUFS、Apple Musicは-16 LUFSなど、各プラットフォームには基準値があります(これを超えてもノーマライズされますが、基準を知ることは重要です)。 また、CDプレスのためのマスタリングや、クラブでプレイするための音源なら、-9 LUFS 〜 -6 LUFS といった高い音圧を目指す必要があります。 LoudBodyのメーターは、Short Term(短期間)とIntegrated(全期間平均)の切り替えが可能で、ターゲットとするメディアに合わせて正確なラウドネス管理が可能です。 別途、ラウドネスメーターのプラグインを立ち上げる必要がないのは、CPUリソースの節約にもなり、ワークフローの効率化に貢献します。
6. その他の重要機能:オーバーサンプリングとLookahead
設定メニュー(あるいは下部のツールバー)からアクセスできる機能として、前述の Oversampling 設定があります。 x2, x4, x8, x16 から選択可能です。 CPUパワーに余裕があるなら、書き出し(バウンス)の際は x16 に設定することを強くお勧めします。特に、高域のシンバルやハイハットの質感が、ザラつかずに綺麗に伸びるようになります。 制作途中や、低遅延でモニタリングしたい場合は、x2 や x4 に下げておくと良いでしょう。
Lookahead(先読み) 機能は搭載されていません。
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検索サジェストから読み解くユーザーの関心
ここからは、Googleの検索サジェストに現れるキーワードを元に、ユーザーがLoudBodyについて具体的に何を知りたがっているのか、その疑問に答える形で解説を進めていきます。
Beatskillz LoudBody vs …(競合比較)
「LoudBody vs」という検索キーワードは、多くの人が他社製品との比較を求めていることを示しています。 ここでは、代表的なリミッタープラグインとLoudBodyを比較してみましょう。
vs FabFilter Pro-L2
FabFilter Pro-L2は、現在のマスタリングリミッターの業界標準(デファクトスタンダード)と言える存在です。 Pro-L2の強みは、その圧倒的な視認性(美しい波形表示)と、多機能さ、そして「透明性」です。どんなジャンルにも対応でき、音を変えずに音圧だけを上げることができます。 一方、LoudBodyの強みは、「キャラクター」と「簡便さ」です。Pro-L2でLoudBodyのような太い音を作ろうとすると、Attack、Release、Lookahead、Style選定、さらにはEQやサチュレーターを別途インサートするなど、複雑な工程が必要です。LoudBodyなら「BODY」ノブ一発です。
結論として、「精密でクリアな制御ならPro-L2」「太さと勢い、時短を求めるならLoudBody」という使い分けが最適です。両方持っていても決して損はありません。
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vs Waves L2 / L3シリーズ
WavesのLシリーズは、長年リミッターの代名詞でした。特にL2の「通すだけで音が前に出る」感じは、今でも多くのファンがいます。 LoudBodyは、このWaves Lシリーズの正当進化系とも捉えられます。L2のシンプルさに、現代的なオーバーサンプリング技術と、L3のようなマルチバンド的な「BODY」制御を加えたイメージです。 WavesのGUIや音が古臭いと感じ始めているユーザーにとって、LoudBodyは魅力的な乗り換え先となるでしょう。
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Stealth Limiterは、「世界で最も透明なリミッター」の一つとして知られています。とにかく歪まない、原音を変えないことに特化しています。 これはLoudBodyとは対極にある存在です。LoudBodyは積極的に音を加工し、色付けを行います。 クラシックやジャズ、生録音のアコースティック音源など、空気感を絶対に壊したくない場合はStealth Limiterに分があります。 逆に、EDM、ロック、ポップス、ヒップホップなど、音圧とパンチが重要なジャンルでは、LoudBodyの方が「聴いていて楽しい音」に仕上げやすいでしょう。
Beatskillz LoudBody Price / Sale(価格とセール)
「Price」や「Sale」も頻繁に検索されています。 Beatskillzの製品は、定価設定はそこそこしますが、頻繁に強力なセールを行うことで有名です。 定価だけでなく、イントロダクションセールや、ブラックフライデー、ホリデーシーズンなどのタイミングを狙えば、驚くほど安価に入手できることがあります。 Plugin Boutiqueなどの販売サイトをこまめにチェックするか、ニュースレターに登録しておくのが賢い買い方です。 コストパフォーマンスという点では、セール時のLoudBodyは最強クラスのリミッターと言えます。数万円するハイエンドリミッターに匹敵するサウンドが、数千円で手に入るチャンスがあるのですから。
Beatskillz LoudBody Demo / Download(デモ・ダウンロード)
購入前に試してみたい、という人のために、公式サイトではデモ版(トライアル版)が用意されています。 一定期間(通常は15日間など)、機能をフルに使用できる場合が多いです。 まずは自分の環境で、手持ちの楽曲のマスターに挿してみてください。 特に「LOUD」と「BODY」を適当に回しただけで、どれだけ音が変わるか、その「即効性」を体験してほしいと思います。 ダウンロードはBeatskillzの公式サイト、または販売代理店のポータルアプリから簡単に行えます。インストールも認証もスムーズで、最近のプラグインらしくストレスフリーです。
Beatskillz LoudBody Presets(プリセット)
「リミッターにプリセットなんて必要?」と思うかもしれませんが、LoudBodyには 100種類近く のプリセットが用意されています。 これらは単なる設定例ではなく、ジャンルごとの「理想的なダイナミクス」の提案でもあります。 例えば、「EDM Punchy Master」「Rock Wall of Sound」「HipHop Boomy Bass」といった名前のプリセットを選ぶと、LOUDとBODY、そして各種内部パラメータがそのジャンルに最適な状態にセットされます。 マスタリングに詳しくない初心者の方にとっては、これらは最高の学習教材になります。 「なるほど、ロックならこれくらいBODYを突っ込んでもいいのか」 「バラードならアタックは遅めがいいのか」 といったことが、プリセットを切り替えるだけで体感的に理解できるはずです。
Beatskillz LoudBody Tutorial(チュートリアル)
使い方は非常にシンプルですが、より深く使いこなすためのチュートリアル動画も、公式YouTubeチャンネルや、多くのレビュアーによって公開されています。 特に「Level Match(レベルマッチ)」機能を使った比較試聴の方法などは、動画で見ると非常に分かりやすいです。 レベルマッチとは、エフェクトをオンにした時の音量と、オフにした時の音量を自動的に揃えてくれる機能です。 人間の耳は「音が大きい方が良い音」だと錯覚してしまう(これが音圧戦争の元凶です)ため、音量差を無くした状態で「音質」そのものがどう変化したかをチェックすることは、マスタリングにおいて極めて重要です。 LoudBodyにはこの機能がボタン一つで実行できるようになっており、冷静な判断をサポートしてくれます。
実際の使用ワークフロー:LoudBodyでマスタリングしてみよう
ここでは、実際にLoudBodyを使ってトラックをマスタリングする際の手順を、ステップ・バイ・ステップで紹介します。
Step 1: 準備とインサート
DAWのマスタートラックの最終段(またはディザリングの一つ前)にLoudBodyをインサートします。 まずはプリセットの「Default」または「Initialized」を選び、すべてのノブが初期状態であることを確認します。 この時点で、Ceilingを -1.0dB に設定し、True PeakモードをONにしておきましょう。 オーバーサンプリングは、PCへの負荷を考慮して x4 程度にしておきます。
Step 2: LOUDで音量レベルを決める
曲の中で一番盛り上がっている部分(サビやドロップ)をループ再生させます。 LOUDノブをゆっくりと時計回りに回していきます。 音量が上がっていくのを感じながら、Gain Reductionメーターを注視します。 ジャンルにもよりますが、最も音量が大きい瞬間で、ゲインリダクションが -3dB 〜 -6dB 程度になるあたりが、現代的な「音圧高め」の目安です。 -2dB程度であれば、非常にナチュラルでダイナミクスが残った状態です。 -6dBを超えてリダクションさせると、かなり潰れた(Smashed)音になりますが、EDMやダブステップなどではそれが求められることもあります。 歪みが聞こえ始めたら、少し戻します。LoudBodyはかなり突っ込んでも歪みにくいですが、クリアさを保ちたい境界線を見極めましょう。
Step 3: BODYで質感を調整する
ある程度の音圧が決まったら、次はBODYノブの出番です。 今のサウンドに何が足りないかを聞き分けます。 「音が軽い」と感じるなら、BODYを上げていきます。 徐々に低域の重心が下がり、中域に厚みが出てくるはずです。 キックの「ドスン」という重みや、スネアの「バシッ」という芯の強さが強調されます。 上げすぎると、音がモコモコしたり、低域が飽和して全体のクリアさが失われたりします。 LoudBodyの良いところは、このBODYノブを上げても、LOUDノブで決めたピークレベル(Ceiling)は守られる点です。安心して音作りができます。
Step 4: レベルマッチで冷静に判断する
設定が決まったと思ったら、画面上部の「Level Match」ボタン(または同等の機能)を使ってバイパス音と比較します。 音量差がない状態で聴き比べて、 「本当に音質が良くなっているか?」 「単に音が大きくなっただけではないか?」 「トランジェントが潰れて、パンチがなくなっていないか?」 をチェックします。 もし、バイパス時の方が「元気でパンチがある」と感じたら、LOUDの突っ込みすぎか、BODYの上げすぎです。少し設定を戻しましょう。
Step 5: 最終確認と書き出し
最後に、曲全体を通して再生し、静かなパートでノイズが持ち上がりすぎていないか、ブレイク部分で不自然なポンピング(音量のふらつき)がないかを確認します。 問題なければ、オーバーサンプリングを最高品質の x16 に設定し、書き出し(バウンス)を行います。 これで、プロ顔負けの「音圧」と「ボディ感」を持ったマスターの完成です。
総評:LoudBodyは誰のためのプラグインか?
ここまで見てきたように、Beatskillz LoudBodyは非常に強力かつ個性的なツールです。 最後に、このプラグインが特におすすめできるユーザー層と、そうでない層を整理しておきましょう。
おすすめする人
- ダンスミュージック(EDM, House, Techno)プロデューサー:これ以上ないほど相性が良いです。フロアを揺らす太いキックとベースが簡単に手に入ります。
- ヒップホップ / トラップのビートメイカー:808ベースの存在感を際立たせ、ボーカルに負けない迫力ある2ミックスを作るのに最適です。
- ロックバンド / メタル:音の壁(Wall of Sound)を作りたい時、ギターやドラムの密度を上げるのに重宝します。
- マスタリング初心者:難しいパラメータに悩むことなく、ノブ2つで最高の結果が得られる成功体験は貴重です。
- 時短を求めるプロエンジニア:デモ制作や、急ぎの納品において、瞬時にクライアントを納得させる音圧を作れる「飛び道具」として優秀です。
おすすめしない人
- 完全な透明性を求める人:クラシック音楽や、繊細なアコースティック・ジャズなど、空気感そのものを記録したい場合には、BODYの着色が邪魔になるかもしれません。
- すべてのパラメータを数値で管理したい人:アタックタイムをミリ秒単位で指定したい、といったエンジニア気質の人には、LoudBodyのブラックボックス的な挙動はストレスになるかもしれません(それでも音は良いのですが)。
結論:音圧戦争の「次」へ
Beatskillz LoudBodyが提示しているのは、音圧戦争の「終わり」ではなく、音圧というものの「質的な転換」なのかもしれません。 ただメーターの数値を上げるだけの不毛な争いは終わりました。 これからは、同じラウドネス値の中で、いかに「聴感上の迫力」や「音楽的なエネルギー」を詰め込めるかという、より高度でクリエイティブなフェーズに入っています。
LoudBodyは、その新しいフェーズにおいて、私たちが直感的に「良い音」と感じる要素(=Body)を、テクノロジーの力で簡単に付加してくれる頼もしいパートナーです。 もしあなたが、自分のミックスになにか物足りなさを感じているなら、ぜひ一度このLoudBodyを試してみてください。 LOUDノブとBODYノブを回した瞬間、あなたのスピーカーから放たれる音が、まるで魔法にかかったように生き生きと躍動し始めるのを体感できるはずです。 音楽は、理屈ではなく感情です。そしてLoudBodyは、その感情を揺さぶるための「ボディ」を、あなたの音楽に吹き込んでくれるのです。
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