突然ですが「ディエッサー」って使いこなせていますか?
メーカーによって効果が違いすぎるのでどれを選んでいいかわからなくなりがち
こんにちは、皆さん。音楽制作に携わっている方なら、ボーカルトラックで悩まされることってありますよね。
特に、あの鋭い「s」や「sh」の音、つまりsibilance(エス音と呼ばれる子音のきつい響き)が目立ってしまうんです。
そんなときに使うのが ディエッサー(De-Esser) です。
Wavesfactory Re-Esser
でも実際のところ、普通のディエッサーって設定が難しく感じませんか?
そんなときに頼りになるのが、Wavesfactory Re-Esserです。
この記事では、Wavesfactory Re-Esserがどんなツールなのかを詳しくお話ししながら、導入するメリットや使い方のコツを、実践的な例を交えてご紹介します。Wavesfactory Re-Esserを活用すれば、あなたのミックスがぐっとプロ級に近づくはずですよ。
目次
Wavesfactory Re-Esser レビュー 一体どんなプラグイン?
Wavesfactory Re-Esser
メリット
- ディエッサーで失われがちな高域の明瞭さを保ったままディエッサー処理
- Sibilancenのボリュームを下げるだけ。超簡単
- Tonalとわけたあとはエフェクトを掛けられる
Wavesfactory Re-Esserは、ボーカルやダイアログのsibilanceを精密にコントロールするためのオーディオプラグインです。従来のde-esser(エス音を抑えるためのコンプレッサー的なツール)と違って、単に音量を下げるだけじゃありません。
このプラグインは、AIのような自動検知機能でsibilance部分をトーン(声の基本的な響き)から分離します。つまり、エス音だけをピンポイントで抽出して、別々に処理できるんです。
ディエッサーとしての機能はどう?
歯擦音を抑えることだけを目的としている場合は、
歯擦音のボリュームノブ(Sibilance のVolume) を下げるだけと、とても簡単です。
たとえば、ボーカル録音で「she said」の「sh」の部分が耳障りになるケースを想像してみてください。
Wavesfactory Re-Esserを挿入したら、Sens.(Sensitivity:感度)ノブを少し上げて検知を調整するだけで、リアルタイムの波形表示がsibilanceの発生箇所を視覚的に教えてくれます。
ディエッシング処理されている箇所は波形が白く表示される
初心者の方でも、視覚的に確認しながら操作できるので、直感的に使いこなせますよ。
対応フォーマットはVST/AU/AAXで、MacやWindowsのDAW(デジタルオーディオワークステーション、例えばAbleton LiveやLogic Pro)でサクッと動きます。
Ver.1.0.2からUIテーマの色を変えるダークモードが追加されましたが、コレ以外デメリットを感じません。
ディエッサープラグインは昔より遥かに安く購入できるようになりましたし、(Wavesなんて6,000円台DeEsser ) , DAWの付属プラグインとしても付いてくるようになりました。
ただ古いディエッサーのシステムなので、Re-Esserのような明瞭感を衰えさせずにディエッサー処理を行えるプラグインではありません。Eventide SplitEQみたいなトランジェントとEQを分けられるシステムだと似たようなことはできますが、ディエッサーとはまた違うので持っておく価値が十分あります!
Re-Esser と従来のディエッサーの違い
従来のディエッサーは、信号全体の高域を圧縮することで、耳障りな音を軽減するだけです。
Re-Esserはさらに進化し、ボーカルを歯擦音とトーナルという2つの完全に独立したレイヤーに分割します。
そして、それぞれのパートを個別に処理し、完璧な位相で再びブレンドすることができます。これにより、歯擦音を軽減するだけでなく、完全に作り変えることができます。
ディエッサーを効かせすぎて高域の明瞭さが失われてしまう…
ディエッサーをかましたら何か綺羅びやかさがなくなった…という現象がRe-Esserを使うことで解消されます。
Wavesfactory Re-Esserを導入する理由:個性的な特徴と選ぶべきポイント
なぜWavesfactory Re-Esserを選ぶのか? それは、sibilance処理の「妥協」を排除してくれる革新的なアプローチにあります。伝統的なde-esserは、高域のコンプレッションでエス音を抑えようとするけど、結果として声全体の明るさが失われがちですよね。
でも、Wavesfactory Re-Esserはsibilanceを完全に分離するので、トーン部分はそのまま保ちつつ、エス音だけを柔らかくシェイプできます。加えて、グループ機能が秀逸で、複数のボーカルトラック間でsibilance検知を同期させるんです。これで、バックボーカル群の処理が一気に効率化されます。具体的な導入理由として、スピードと精度の高さが挙げられます。
システムはWavesfactory Quantum と同じものを使用。
Quantumはトランジェントシェイパーで、Attack・Sustainに分離した後、それぞれの信号にエフェクトを掛けられるという他にはないアイデアプラグイン。
Quantum
作業フローの単純さも導入魅力の一つ。
古いタイプのディエッサーはThresholdの値を超えた信号に対して、ディエッサーがかかりますが、Re-Esserの場合は自動検知で、細かい指定はなし。
Re-EsserをONにしたらsibilanceのボリュームを下げます。基本的にはコレでOK.
Sibilanceを抑えきれない、従来の定番なディエッサープラグイン同様なトーンにしたい場合にはSibilanceにコンプレッサーを入れます。
Re-Esser 使い方
Wavesfactoryではこんな使い方が提案されています。
- 音色を変えずに歯擦音を圧縮します。
- トーンレイヤーにのみリバーブを追加します。
- 歯擦音を自然に保ちながら音の高さをシフトします。
- オーバーディエッシングされた録音を復元します。
- 荒々しさを再現することなくトップエンドをブーストします。
- 明瞭度を犠牲にせずにボーカルを飽和させます。
- EQ を使用して歯擦音を望みどおりに調整します。
- モジュレーションとアンビエンスを使用して、夢のような特徴的なテクスチャを作成します。
ボーカルエフェクターとして
Re-Esserには16種類の高品質なスタジオエフェクトも搭載されています。
トーンと歯擦音の成分に個別に適用できるため、幅広いサウンドメイクが可能です。
- コーラス: 4 つの LFO を備えたステレオ コーラスは、ステレオ フィールドに広がる音声を変調します。
- コンプレッサー: 多用途に使えるように設計された自動ゲイン付き VCA コンプレッサー。
- コンボリューション: フィルター、プリディレイ、IR コレクションを備えたインパルス応答ローダー。
- ディレイ: テンポ同期とフィードバック パスのフィルターを備えたステレオ ディレイ。
- エンハンサー: 必要な場所に彩度を適用する 2 バンド Spectre。
- EQ : 5 つのバンドと 7 つのフィルター タイプを備えたパラメトリック グラフィカル EQ。
- フランジャー: フィードバック、ステレオ スプレッド、正弦波/三角波を備えたステレオ フランジャー。
- リミッター: 先読み機能を備えたブリックウォール リミッターで、完璧な結果が得られます。
- Lo-Fi : ミックスおよび出力コントロールを備えたサンプルレートリデューサーおよびビットクラッシャー。
- フェイザー: 正弦波/三角波 LFO、スプレッド、2 ~ 12 ノッチを備えたステレオ フェイザー。
- ピッチシフター:長さに影響を与えずにピッチを変更する高品質のエフェクト。
- リバーブ: ルーム リバーブとプレート リバーブにヒントを得て、両方の最高の機能を組み合わせました。
- サチュレーション: 彩度モデリング用の 5 つの彩度タイプとパラメータを含むツールボックス。
- ステレオ ツール: さまざまなチャンネルの音量と位相を制御するユーティリティ エフェクト。
- トレモロ:LFOを使って信号のレベルを変化させます。リングモジュレーターとしても使用できます。
- ビブラート:LFOを使って信号のピッチを変化させます。周波数シフターとしても使用できます。
類似プラグインとの比較:Wavesfactory Re-Esserの優位性
Wavesfactory Re-Esserを他のde-esserと比べてみましょう。たとえば、FabFilter Pro-DSのような人気ツールは、周波数ベースの検知が優秀ですが、sibilanceとトーンの分離まではしません。
一方、Wavesfactory Re-Esserは分離処理のおかげで、声の自然さを保ちつつエス音を根こそぎ除去できます。iZotope RXのDe-esserモジュールはオフライン修復に強いものの、リアルタイムミキシングではWavesfactory Re-Esserのスピードが勝ります。
価格面でもWavesfactory Re-Esserは手頃で、初心者からプロまで幅広くカバーします。
デモ版の制限
ディエッサーは素材によって検知できる状況が異なりますので、導入前にデモするのを推奨します。
- プラグインがオーディオを処理している間のみ、オーディオ ウォーターマークが 90 秒ごとに再生される
- プリセットの保存は無効
- パラメータのセッション呼び出しは無効
v1.0.2 アップデート
、新しいダークモードが搭載されています。
ダークモード
通常モード
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