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はじめに:DAWとは何か?
音楽制作を始めようと思った時、必ず出会う言葉が「DAW」です。DAW(Digital Audio Workstation)とは、音楽制作のすべての工程をこなせるソフトウェアのこと。作曲、編集、ミキシング、マスタリングまで、かつては専用の機材が必要だった作業をパソコン一台で完結できるようになりました。
しかし、「有名なDAWは高額で初心者には手が出ない…」と諦めていませんか?実は、無料でも本格的な音楽制作ができるDAWが数多く存在します。今回は、予算ゼロでも音楽制作を始められる優良DAWソフトを厳選してご紹介します。
初心者におすすめの無料DAWソフト5選
1. Cakewalk by BandLab
対応OS: Windowsのみ
かつては「SONAR」という名前で有料だった老舗DAWが、なんと完全無料化!プロフェッショナルな機能を備えた本格DAWでありながら、無料で使えるようになりました。
SONARはCakewalk Sonar , Cakewalk Nextとしてサブスク利用で復活しています。
そのため、今後Cakewalk by BandLabには新機能が追加されなくなります。
◎ Cakewalk by BandLab ⇒ 無料
◎ Cakewalk Sonar , Cakewalk Next ⇒ 有料; Cakewalkのアップデートが引き継がれる
Cakewalk by BandLab 主な特徴
- プロ仕様の完全版DAWが無料
- 直感的なインターフェース
- 豊富なエフェクト・プラグイン内蔵
- VST対応で拡張性が高い
- 無制限のオーディオ・MIDIトラック
Cakewalk はオンラインサービスのBandLabと連携します。
BandLabについて
BandLabではサウンドクラウドのような音楽制作ユーザー間で繋がれるSNS。あまり日本人ユーザーはいませんが海外のユーザーとSNSで繋がれます。
またBandLabユーザー間で音源の作成や共有ができます。
BandLabのダッシュボード
そして制作ツールのエフェクトやディストリビューションを行いたい場合のオプションは有料です。($14.95/月)
Windows ユーザーなら真っ先に検討すべき選択肢です。ただし、MacOSには非対応なのでご注意を。
Cakewalk by BandLab
BandLab
2. GarageBand
Mac,iPhoneに最初からインストールされています!
対応OS: macOS, iOS
Macユーザーなら、最初に触れるDAWとしてこれ以上ないでしょう。
Appleのデバイスに無料でプリインストールされているGarageBandは、シンプルさと高機能を両立しています。
主な特徴:
- 直感的で使いやすいインターフェース
- 高品質な内蔵サウンドとループ
- バーチャル楽器が充実
- Logic Pro X(有料版)へのスムーズな移行が可能
- iOS版もあり、外出先での作曲も可能
Apple製品を使っているなら、まずはGarageBandから始めるのが最短ルートです。
GarageBand for iOS
3. LMMS (Linux MultiMedia Studio)
対応OS: Windows, macOS, Linux
オープンソース(無料でソースコードが公開されているプログラムのこと)の無料DAWとして人気のLMMS。FL Studioに似た操作感で、EDMやビートメイキングに強みがあります。
主な特徴:
- クロスプラットフォーム対応(Windows/Mac/Linux)
- 直感的なピアノロールエディター
- 内蔵シンセサイザーとサンプラー
- FL Studioライクな操作感
- アクティブなコミュニティがサポート
特にビートメイキングやエレクトロニック系の音楽制作を始めたい方におすすめです。
LMMS | ホーム
4. Waveform Free
対応OS: Windows, macOS
Tracktion社の「Waveform Free」は、無料版でありながら驚くほど制限が少なく、本格的な音楽制作が可能です。
上位版が用意されているので、気に入ったらそのまま上位版を購入できます。
主な特徴:
- シンプルで使いやすいシングルスクリーンインターフェース
- 無料版でもトラック数無制限
- 基本的なプラグインも充実
- オートメーション機能が強力
- Windows/Mac両対応
特にシンプルさを求める方や、トラック数に制限なく作業したい方におすすめです。
Waveform Free audio editing software – mac, pc, linux | Tracktion
5. SoundBridge
対応OS: Windows, macOS
比較的新しい無料DAWですが、クリーンなインターフェースと機能性で注目を集めています。
***機能制限あり***
追加の楽器やアルペジエーター、10トラック以上の使用を希望する場合、月額9.99ドルの支払いが必要です。
主な特徴:
- モダンでスタイリッシュなUI
- 高速な起動と動作
- 基本的なオーディオ編集機能を完備
- VST/VST3/AU対応
- 初心者にも扱いやすい設計
特にシンプルさと速さを重視する方におすすめのDAWです。
SoundBridge
Universal Audio LUNA
オーディオメーカーの老舗「Universal Audio」のオリジナルDAW。
Windows,Mac両対応ですが、Windows版はあまり安定していません。Macユーザーならとりあえず入れてしまって問題ありません。
基本的にはオーディオレコーダーと思ってもらったほうが良いです。まだまだ歴史が浅くMIDIの扱いの機能が貧弱です。
バンド演奏等の自分で楽器の音を録音して、ミックス・マスタリングまでする人におすすめします。
LUNAが出てきたときにコンソールのサミング機能が使えるのを大々的にフューチャーしていましたが、サミングをするためのプラグイン「Neve Summing 」「API Summing 」をするためのプラグインは課金しないと使えません。
Pro Tools Intro
業界標準のDAWである「Pro Tools」の機能制限版で、オーディオトラックが8つまで使えます。
8トラック制限はかなり厳しいので、こちらもLUNA同様にオーディオ録音用途で使うのが無難です。
iLOKドングル(認証するための物理USB)は不要で、iLok Cloudのアカウントを利用して認証します。
Pro Tools Intro
Studio One Prime
Studio One PrimeはStudioOne7が登場したことで廃止されました。
無料DAWの選び方
自分に合った無料DAWを選ぶポイントをいくつかご紹介します:
- 使用するOS:WindowsならCakewalk、MacならGarageBandが無難な選択肢
- 制作したい音楽ジャンル:EDMならLMMS、バンドサウンドならCakewalkなど
- インターフェースの好み:直感的に操作できるかどうかは重要
- 将来性:有料版へのアップグレードパスがあるかどうか
- コミュニティのサポート:チュートリアルや解説が豊富かどうか
無料DAWでできること・できないこと
無料DAWでも十分に本格的な音楽制作が可能ですが、いくつか制限もあります。
できること:
- 基本的な録音・編集・ミキシング
- MIDIでの作曲・打ち込み
- 簡単なマスタリング
- ある程度のプラグイン使用
制限されることが多い機能:
- 高度なマスタリングツール
- 特殊なエフェクトプロセッシング
- 一部のプロフェッショナル向け機能
- テクニカルサポート
初心者がDAWを使い始める際のステップ
- まずはインストール:上記で紹介したDAWの中からひとつ選んでインストール
- 基本操作を学ぶ:YouTube等のチュートリアルで基本的な操作方法を学習
- 簡単な曲を作ってみる:内蔵ループやサンプルを使って簡単な曲構成を試す
- 録音に挑戦する:マイクやギターなどを接続して録音してみる
- ミキシングを学ぶ:ボリュームバランスやパンニングなど基本的なミックスを試す
無料DAWから始めるメリット
初心者が無料DAWから始めることには、実はたくさんのメリットがあります:
- リスクなく試せる:お金をかけずに音楽制作が向いているか試せる
- 基礎が学べる:どのDAWも基本的な機能は共通しているので、転用可能なスキルが身につく
- 徐々にスキルアップ:必要に応じて有料版や別のDAWにアップグレードできる
- 創造性を試せる:制限がある中で工夫することで、創造性が磨かれる
無料DAWを使うデメリット
無料のDAWを使うのにデメリットなんてあるのか・・・と思われるかもしれませんが、個人的にはデメリットはあると確信しています。
特にちょっと音楽制作をやってみたいというレベルではなく、これから気合をいれて音楽制作を趣味・仕事までスキルアップして持っていきたい!と感じているなら無料DAWの利用はやめたほうが良いです。
もしもプロを目指すならCubaseやProToolsを選ぶのが良いです。
特に音楽制作のエンジニアをやりたいと思っているならプロの商用スタジオで用意されているのがProToolsであることがほとんど。
そのためファイルの共有を行ったり、持ち帰り後作業をしたいなんて場合はProToolsの方が良いです。
もう一点は操作を覚えるための学習コスト。
- トラックの概念
- レコーディング方法
- 個々のプラグインエフェクトの使い方
- 音源の鳴らし方
などをストレスなく使えるまで叩き込み、各DAWの専門用語、使いたい機能がどこにあるのか?を覚えるのが非常に大変です。ゼロスタートの独学だと結構きつくて心が折れます。基本的にDAWは不親切です。スペックの高いPCを用意していても結構頻繁に落ちますし。
DAWは想像しているよりも操作を覚えることが多く、曲を満足に作れる状態になるまでに一ヶ月はかかると思っておいたほうが良いでしょう。
DAWを乗り換えると概念や作業フローは同じなのですが、「押したいボタンがなんでここにないの……」ということが良くあるので、DAWを乗り換える学習コストはかなり高いと思っておいたほうがよいです。覚えなおすくらいなら最初から長く使うものを買っておいたほうが良いですよね。
まとめ
音楽制作を始めるのにお金はかかりません。無料のDAWソフトを活用すれば、今すぐにでもあなたのクリエイティビティを形にすることができます。まずは自分に合ったDAWを見つけて、音楽制作の世界への第一歩を踏み出してみましょう。
「使いながら学ぶ」というのが音楽制作上達の近道です。完璧を目指すよりも、まずは楽しみながら曲を作ってみることをおすすめします。その過程で自然とDAWの使い方も身についていきますよ。
- 無料のStudio Oneあるのか?
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Studio One Ver6まではStudio One Primeがありましたが、Ver7からは廃止されています。
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