目次
Cubase ユーザー必携!Absolute 7 を導入すべき理由と実践的な時短ワークフロー
現代の音楽制作において、高品質なサウンドソースをいかに効率よく手に入れるかは、作品の完成度と制作スピードを左右する最大の鍵です。その答えの一つとして、長年多くのクリエイターに支持されてきたのが、Steinberg の総合音源コレクション「Absolute」 (アブソリュート)です。
Absolute 7
今回リリースされた最新版、Absolute 7 は、単なるアップデートの枠を超え、総容量 194GB 、収録インストゥルメント 35 種類以上 という、圧倒的なスケールへと進化を遂げました。新たに加わった凶暴な 7 弦ギター音源「Axe Machina」や、ヤマハ C3X グランドピアノの繊細な響きを封じ込めた「Etude」、さらには心臓部である HALion 7 と Groove Agent 6 の進化など、見どころは尽きません。
「今の音源に物足りなさを感じている」「特定のジャンルを強化したいが、何を買えばいいか分からない」そんな悩める DTM ユーザーのために、この記事では Absolute 7 の全貌を徹底検証し、あなたの制作環境を劇的に変えるその真価を網羅的に解説します。
Steinberg Absolute 7: 194GB の創造性を解き放つ「究極の制作プラットフォーム」
Steinberg の Absolute 7 は、バーチャルインストゥルメントの世界において、一つの金字塔とも言えるコレクションです。このパッケージを導入するということは、世界中のレコーディングスタジオ、コンサートホール、そして最先端のシンセサイザーラボを自分の PC の中に所有することを意味します。
Steinberg 総合音源コレクションの頂点
Absolute シリーズは、Steinberg が誇る最高峰のソフトウェア音源を一堂に会した、いわば「音の宝石箱」 です。その歴史は長く、バージョンを重ねるごとに「これ一つあれば、どんなジャンルの音楽でも作れる」という信頼を確固たるものにしてきました。
Absolute 7 となり、そのライブラリの総容量は 194GB にまで膨れ上がりました。これは、ただ大容量なだけでなく、一つひとつのサンプルが極めて高い解像度で収録されている証拠でもあります。プロフェッショナルな現場でも通用する「密度のある音」が、この一つのパッケージに集約されています。
Cubase ユーザー必携!制作の幅を無限に広げる 35 種類の楽器
特に Steinberg の DAW である Cubase との親和性は、他社の追随を許しません。Cubase ユーザーにとって、Absolute 7 は「最も使いやすく、最も強力な武器」になります。
今回のコレクションには、以下の 3 つの主要なカテゴリーを含む 35 種類以上 の楽器が収録されています。
サンプラー & シンセシス : HALion 7 を筆頭に、ビンテージシンセから最新のウェーブテーブルシンセまで。
アコースティック & エレクトロニックドラム : Groove Agent 6 がリズム制作のすべてをカバー。
スペシャリスト & コンテンツライブラリ : オーケストラ、ピアノ、ギター、合唱など、各分野に特化した高品位音源。
これらがすべてシームレスに連携し、Cubase の MediaBay から瞬時に呼び出せるワークフローは、一度体験すると元には戻れません。
高音質・大容量・即戦力のプリセットが 8,000 以上
「音が多すぎて使いこなせないのでは?」という心配は無用です。Absolute 7 には、世界中のトップサウンドデザイナーが手掛けた 8,000 種類以上 のプリセットが収録されています。
読み込むだけですぐに楽曲のメインを張れるような「完成されたサウンド」から、自分の好みに合わせてエディットするための「素のサウンド」まで、バリエーションは驚くほど豊かです。インスピレーションが湧かない時、8,000 のプリセットの中からランダムに音を選ぶだけでも、新しい楽曲のアイデアが次々と生まれてくるはずです。
[!NOTE] バーチャルインストゥルメント (Virtual Instrument) : コンピュータ上で動作する、実在の楽器やシンセサイザーの機能を再現したソフトウェア。VSTインストゥルメントとも呼ばれる。 コンテンツライブラリ : ソフトウェア音源で使用するための、録音された音声データ(サンプル)の集まり。 即戦力 : 面倒なエディットや加工をしなくても、読み込んだ瞬間に楽曲の中で通用する品質であることを示す言葉。
驚異の進化!Absolute 7 で新たに追加された注目インストゥルメント
Absolute 7 の最大の魅力は、今回新たに追加(または大幅に拡張)されたインストゥルメントたちにあります。これらは現代の音楽制作トレンドを的確に捉えた、尖った性能を持つものばかりです。
Axe Machina:Soundiron による暴虐の 7 弦メタルの咆哮
ロックやヘヴィメタル、さらには映画の劇伴などで、重低音を強調した強力なギターサウンドが必要な場面は多々あります。Absolute 7 に加わった Axe Machina は、名門 Soundiron が手掛けた、まさに「破壊的」なギター音源です。
カスタムメイドの 7 弦ギター を丁寧にサンプリングし、オープン、ミュート、ハーモニクス、スクレイプといった多彩なアーティキュレーションを網羅。さらに、オートストラム機能により、キーボードを弾くだけでリアルなリフを奏でることができます。内蔵されたアンプシミュレーターとエフェクトを組み合わせれば、地を這うような重厚なメタルサウンドを即座に構築可能です。
VIDEO
Axe Machina セールはこちら >>
Etude:Yamaha C3X の繊細な響きを凝縮した次世代グランドピアノ
VIDEO
ピアノ音源は選択肢が多い分、理想の一台を見つけるのが難しいものです。Etude は、ヤマハの最高傑作の一つである C3X グランドピアノ を、最高の環境でサンプリングした音源です。
その特徴は、圧倒的な「透明感」と「ダイナミクス」にあります。18GB という大容量を使い、12 段階のダイナミックレイヤーと 4 つのマイクポジションを選択可能。クラシックの繊細なパッセージから、歌モノのバッキングで埋もれない芯のあるサウンドまで、自由自在に調整できます。ヤマハのピアノらしい、明るく華やかでありながら品格のある響きは、あらゆる楽曲のクオリティを底上げします。
The Orchestra Colors & Verve:シネマティックな情感を操る
オーケストラセクションも The Orchestra Colors の登場で劇的に進化しました。これは、単に楽器の音が入っているだけでなく、複数の楽器を組み合わせた「色彩のある響き」を一音で表現できる音源です。繊細なストリングステクスチャや、勇壮なブラスアンサンブルなど、ハリウッド映画のようなサウンドを瞬時に生み出すことができます。
VIDEO
あわせて読みたい
The Orchestra Completeのアップグレード方法
[1] Native Access Native Accessを開き、旧バージョンをアンインストールします。(The Orchestra Completeのフォルダごと消えるため重要なファイルがある場合はバック…
また、Verve は、ヤマハ LA スタジオで収録された「フェルトピアノ」にフォーカスした音源です。弦にフェルトを挟んで録音された柔らかく親密なサウンドと、金属音や電子音などのレイヤーを組み合わせることで、現代的で切ないシネマティックな空気感を作り出します。
Colors Lofi Tapes & Carrier8:最新のトレンドを反映したサウンド群
昨今の Lofi Hip Hop やレトロなサウンドへの需要に応えるのが、Colors Lofi Tapes です。アナログテープのノイズ感や揺らぎを完璧に再現したこのライブラリは、聴く人にどこか懐かしく、そして心地よい刺激を与えます。
VIDEO
一方の Carrier8 は、HALion 用の FM 音源拡張として、80 年代を彷彿とさせる煌びやかなリードや、鋭いベースラインを提供します。デジタルとアナログ、それぞれの「不完全さ」と「美しさ」を使い分けることで、あなたの音楽に奥行きが生まれます。
VIDEO
[!NOTE] アーティキュレーション (Articulation) : 楽器の演奏技法のこと。ギターなら「ミュート」や「チョーキング」、ピアノなら「ペダルの有無」など。 フェルトピアノ (Felt Piano) : ピアノのハンマーと弦の間にフェルトを挟んで演奏した音。通常のピアノより柔らかく、打鍵音のノイズなどが強調された独特の質感が特徴。 FM 音源 (Frequency Modulation Synthesis) : 周波数を変調させることで複雑な倍音を作る合成方式。ヤマハの DX7 などが有名で、非常にクリアで硬質なサウンドを得意とする。
HALion 7 と Groove Agent 6:コレクションの心臓部がもたらす革新
Absolute 7 の価値を決定づけているのは、単体製品としても高い評価を得ている二大巨頭、HALion 7 と Groove Agent 6 が含まれていることです。これらはコレクションの「エンジン」であり、あらゆる制作のハブとなります。
HALion 7:FM エンジン搭載でサウンドデザインの地平を広げる
HALion 7 (ハリオン 7)は、サンプラーとシンセサイザーの究極のハイブリッドエンジンです。今回のバージョンでは、完全に一新された FM エンジン が搭載され、クラシックな DX シリーズのような音から、現代的な先鋭的なリードまで、無敵のサウンドデザインが可能になりました。
ユーザーインターフェースも洗練され、複雑な音作りも直感的に行えるよう改善されています。Absolute 7 に含まれる膨大なライブラリは、この強力な HALion 7 のエンジン上で動作するため、自分好みにカスタマイズする際もその自由度は計り知れません。
Groove Agent 6:ドラム制作のワークフローが劇的に改善
Groove Agent 6
一方のリズムセクションを担う Groove Agent 6 は、今回の Absolute 7 における最大の進化点の一つです。
あわせて読みたい
Groove Agent 6 !新機能がもたらすドラム制作の革命と SE 6 との違い
Steinberg が誇る最強のバーチャルドラムスタジオ、Groove Agent 6(グルーヴエージェント 6)がついにリリースされました。長年、多くの音楽プロデューサーやソングラ…
特筆すべきは、アコースティックドラムのカスタマイズ機能が大幅に強化されたことです。既存のドラムキットに対して、キックやスネアだけを別のライブラリからドラッグ&ドロップで入れ替えたり、複数のサンプルをレイヤーしたりすることが可能になりました。これにより、「生ドラムの質感は残しつつ、キックだけは sub-bass 系の重い音に変える」といった、現代的なアプローチが驚くほどスムーズに行えます。
二大巨頭が連携することで生まれる無限のハイブリッドサウンド
HALion 7 のシンセシス能力と、Groove Agent 6 のリズム構築能力。これらが Absolute 7 という一つの傘の下で融合することで、ハイブリッドなサウンド の制作が加速します。
例えば、Groove Agent で作ったアコースティックなビートに、HALion 7 の FM エンジンで作ったメタリックな質感をレイヤーし、それを一つの「独自の楽器」として保存する。こうした高度なサウンドデザインが、Absolute 7 ならば一つのワークフローの中で完結します。
[!NOTE] サンプラー (Sampler) : 実際の楽器の音や自然界の音を録音、取り込んで、それを音源として使用する装置またはソフトウェア。 ウェーブテーブル (Wavetable Synthesis) : 短い波形データを組み合わせたりスキャンしたりすることで、時間と共に劇的に変化する音色を作るシンセシス方式。EDM などで多用される。 ** sub-bass**: 非常に低い周波数帯域のベース音。クラブミュージックやヒップホップで「身体に響く低音」として重視される。
プロ級のサウンドを最短で。Absolute 7 を使いこなすための実践ヒント
せっかく Absolute 7 を導入しても、その膨大な機能を持て余してしまっては意味がありません。ここでは、制作スピードとクオリティを両立させるための、具体的な活用術を紹介します。
Absolute 7 の 8,000 以上のプリセットから、今すぐ必要な音を見つけ出すには MediaBay (メディアベイ)の検索フィルターの使いこなしが重要です。
単に「Synth Pad」と探すのではなく、「Attributes」 (属性)機能を活用しましょう。
「Dark」「Bright」といった質感。
「Electronic」「Analog」といったジャンル。
「TempoSynced」といった機能。
これらを組み合わせることで、今頭の中で鳴っているイメージに近い音へ、数秒以内でアクセスできます。探している最中にインスピレーションが逃げないこと。これが Absolute 7 の最大の利点です。
複数音源をレイヤーして自分だけのシグネチャーサウンドを作る
Absolute 7 には多彩な音源が入っていますが、それぞれを単体で使うだけでなく、「レイヤー」 することを強くお勧めします。
Etude の美しいグランドピアノに、
Verve のフェルトピアノの柔らかなアタックを重ね、
さらに背景で HALion 7 の薄いシンセパッドを鳴らす。
このように複数の楽器をレイヤーすることで、市販のプラグイン一つでは出せない、あなただけのシグネチャーサウンド が完成します。Absolute 7 の音源はどれも位相がしっかりと管理されているため、重ねても音が濁りにくく、重厚な響きを簡単に得られます。
劇伴からダンスミュージックまで:ジャンル別おすすめ音源の組み合わせ
「何を使えばいいか迷う」という方は、以下の組み合わせから始めてみてください。
劇伴・シネマティック : Verve + The Orchestra Colors + Skylab
ロック・メタル : Axe Machina + Groove Agent 6 (Acoustic Agent) + The Grand 3
Lofi Hip Hop : Colors Lofi Tapes + Groove Agent 6 (Beat Agent) + Electric Bass
最新 EDM : HALion 7 (FM/Wavetable) + Anima + Voltage
このように、Absolute 7 だけで各ジャンルの「黄金セット」が組めるため、新しいジャンルへの挑戦も驚くほど容易になります。
[!NOTE] 位相 (Phase) : 音の波のタイミングのこと。複数の音を重ねる際、位相がずれていると音が打ち消し合って細くなってしまう(中抜き)ことがある。 シグネチャーサウンド (Signature Sound) : そのクリエイターを象徴する、独自の特徴を持った音。 劇伴 (げきばん) : 映画やアニメ、ゲームなどの背景で流れる音楽のこと。
まとめ:Absolute 7 はあらゆるジャンルの音楽制作を底上げする
Steinberg Absolute 7 は、単なる音源の詰め合わせではなく、あなたのクリエイティビティを次のレベルへ引き上げるための「音のインフラ」 です。
コスパ最強!個別購入では不可能な圧倒的な価値
もし Absolute 7 に含まれる 35 種類の音源を、すべて単品で購入しようとすれば、そのコストは数倍に膨れ上がります。HALion 7 と Groove Agent 6 の単体価格だけでもパッケージ価格の大部分を占めることを考えれば、このコレクションがいかに驚異的なコストパフォーマンス を誇っているかが分かるでしょう。
特に Cubase ユーザーにとって、これだけの高品質な武器が一気に揃うメリットは計り知れません。
未来のスタンダードとなる「絶対的」なコレクション
Absolute 7 という名前の通り、このコレクションはあなたの制作環境にとって「絶対的」な存在となります。どんなに時代が進み、音楽のトレンドが変わったとしても、ここに含まれる高品質なアコースティック楽器や、高度に設計されたシンセシスエンジンは、色褪せることなくあなたの音楽を支え続けてくれるでしょう。
もしあなたが「自分の音楽に何かが足りない」と感じているなら、それは外部のエフェクトではなく、核となる Absolute 7 のサウンド かもしれません。194GB の扉を開き、まだ見ぬ新しい音楽の世界へ踏み出してみませんか?
この記事について質問がありますか?コメントはお気軽にご記入ください