ギターが入っているバンド形態の生楽器を中心とした音楽でループを作るに良さそう!
「AIが曲を作る時代に、なぜ今さら『人間』なのか?」
Celemonyの新製品「Tonalic」の発表を見た時、多くのクリエイターがそう感じたかもしれません。SunoやUdioといった生成AIが隆盛を極め、ボタン一つで楽曲が生成される現代。一方で、DTMerたちは依然として「Spliceで探したループが自分のコード進行に合わない」「打ち込みのギターがどうしても嘘くさい」という、根源的な悩みを抱え続けています。
そこに投じられた一石。それが、ピッチ補正ソフトの絶対王者Melodyne を擁するCelemonyからの回答、Tonalic です。
彼らが掲げたスローガンは衝撃的でした。「No AI, No Loops, No MIDI 」。人工知能による生成でもなく、固定されたループ素材でもなく、無機質なMIDIデータでもない。あるのは、世界最高峰のスタジオミュージシャンによる「魂のこもった演奏」と、それをあなたの楽曲に完璧に同化させる「魔法のような技術」だけ。この記事では、音楽制作のパラダイムシフトを起こしかねないこの問題作「Tonalic」について、徹底的に深掘りします。UJAMやNative Instrumentsの製品と何が違うのか?サブスクリプションに見合う価値はあるのか?そして何より、本当に私たちの音楽を「人間的」にしてくれるのか?その全貌を、興奮と共にお伝えします。
目次
Celemony Tonalic レビュー:「No AI」が切り拓く、人間的で有機的な音楽制作の未来
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「AIが曲を作る時代に、なぜ今さら『人間』なのか?」 Celemonyの新製品「Tonalic」の発表を見た時、多くのクリエイターがそう感じたかもしれません。 SunoやUdioといった生成AIが隆盛を極め、ボタン一つで楽曲が生成される現代。一方で、DTMerたちは依然として「Spliceで探したループが自分のコード進行に合わない」「打ち込みのギターがどうしても嘘くさい」という、根源的な悩みを抱え続けています。
そこに投じられた一石。それが、ピッチ補正ソフトの絶対王者Melodyneを擁するCelemonyからの回答、Tonalic です。 彼らが掲げたスローガンは衝撃的でした。「No AI, No Loops, No MIDI 」。 人工知能による生成でもなく、固定されたループ素材でもなく、無機質なMIDIデータでもない。 あるのは、世界最高峰のスタジオミュージシャンによる「魂のこもった演奏」と、それをあなたの楽曲に完璧に同化させる「魔法のような技術」だけ。
この記事では、音楽制作のパラダイムシフトを起こしかねないこの問題作「Tonalic」について、徹底的に深掘りします。 UJAMやNative Instrumentsの製品と何が違うのか?サブスクリプションに見合う価値はあるのか?そして何より、本当に私たちの音楽を「人間的」にしてくれるのか? その全貌を、興奮と共にお伝えします。
MelodyneのCelemonyが放つ衝撃作「Tonalic」とは?
Celemonyといえば、もはや説明不要のピッチ補正ツール「Melodyne」の開発元です。彼らが持つ特許技術「DNA(Direct Note Access)」は、ポリフォニック(和音)のオーディオデータから個々の音を分離・操作することを可能にし、音楽制作の歴史を変えました。 そのCelemonyが、長年の沈黙を破って発表したのがTonalicです。一言で言えば、「あなたのDAWの中に住む、適応能力を持った超一流のセッションミュージシャン」 です。
「No AI, No Loops」の衝撃。なぜ今、実演に回帰するのか
昨今のトレンドである「生成AI」は、膨大なデータを学習し、確率論的に「それっぽい」音楽を生成します。それは確かに凄まじい技術ですが、そこには「意図」や「感情」、そして微細な「揺らぎ」が欠如しがちです。 一方、従来の「ループ素材(Spliceなど)」は、プロの演奏を録音したものですが、「キーやテンポが合わない」「コード進行を変えられない」という制約がありました。
Tonalicは、この両者の「いいとこ取り」どころか、全く新しい次元のアプローチを取りました。 収録されているのは、AIが生成したデータではなく、生身の人間がスタジオで演奏したオーディオデータです。しかし、それはただの録音ではありません。Melodyneの技術を応用することで、ユーザーが指定したコード進行、テンポ、グルーヴに合わせて、演奏内容が有機的に変化する のです。
鍵となる技術「AMI (Adaptive Musical Intelligence)」の正体
Tonalicの核となるのが、AMI(Adaptive Musical Intelligence:適応型音楽知能) と呼ばれる新技術です。 これはAI(人工知能)とは名乗っていますが、いわゆるディープラーニングによる生成AIとは異なります。Celemonyが長年培ってきた「音楽理論の理解」と「音響解析技術」の結晶です。
あなたがDAW上でコードを「Cmaj7 -> Am7 -> Dm7 -> G7」と入力したとします。 通常のタイムストレッチ技術なら、無理やりピッチを変えて音質が劣化したり、不自然なフレージングになったりします。 しかしAMIは違います。ミュージシャンがそのコード進行を見て演奏するかのように、フレージングそのものを再構築 します。 「Cmaj7ならここで3度の音を強調しよう」「G7の解決フレーズはこれだ」といった具合に、音楽的な文脈を理解して演奏を変化させるのです。だからこそ、どれだけコードを変えても「不自然な継ぎ接ぎ感」が出ず、まるで最初からその曲のために演奏されたかのような一体感が生まれます。
世界トップクラスのミュージシャン(Kenny Aronoffら)があなたのDAWに
Tonalicの価値を決定づけているのは、その「音源」の質です。 参加しているミュージシャンは、単なる「上手い人」ではありません。世界的なレジェンド級のプレイヤーが含まれています。
Kenny Aronoff(ドラム) : Rolling Stones, Smashing Pumpkins, John Mellencampなどと共演した、ロック界で最も尊敬されるドラマーの一人。
Nate Mendel(ベース) : Foo Fightersのベーシスト。あの力強いボトムエンドが、あなたの曲に入ります。
彼らのようなトッププロを雇おうと思えば、数十万円〜数百万円のギャラと、スタジオの手配が必要です。それが、月額数千円で使い放題になる。 彼らの「手癖」「ゴーストノート」「タイム感の溜め」といった、MIDIでは決して再現できない人間味あふれるニュアンスが、Tonalicにはそのまま封じ込められています。
徹底比較!UJAM、NI Session Guitaristとの違い
「でも、ギター音源ならUJAMやNI(Native Instruments)があるじゃないか」 そう思うのは当然です。これらは非常に優秀な製品であり、多くのプロに愛用されています。では、Tonalicは何が違うのでしょうか?
「ループ」でも「打ち込み」でもない第3のアプローチ
UJAM Virtual Guitarist : 基本的に「MIDIトリガーによるフレーズ再生」です。キースイッチでパターンを切り替え、ワンキーでコード演奏ができます。手軽さは最強ですが、用意されたパターン以外のことは苦手で、どうしても「UJAMっぽい音」になりがちです。
NI Session Guitarist (Kontakt) : サンプリングされた音をMIDIで鳴らす方式です。リアルさは素晴らしいですが、やはり「録音されたパターンを鳴らす」という域を出ず、複雑なコード進行や、独特のグルーヴへの追従には限界があります。
Celemony Tonalic : 「オーディオデータの再構築」 です。MIDIで鳴らすのではなく、オーディオ波形そのものをMelodyne技術でコネコネと変形させます。これにより、MIDIベースの音源では不可能な、弦の擦れるノイズの連続性や、ピッキングの強弱の自然な変化を実現しています。
コード進行への追従性が段違い?Melodyne DNA技術の応用
最大の違いは、やはりコードへの適応力 です。 UJAMやNI製品は、マイナー/メジャーの切り替えは得意ですが、テンションコードや複雑なボイシングになると、用意されたサンプルがない場合、不自然なピッチシフトで対応することがあります。 Tonalicは、DNA技術により和音の中の構成音を個別に認識しています。そのため、「Cadd9」のようなコードを指定しても、ミュージシャンが指使いを変えるように、自然にナインスの音を織り交ぜたフレーズに変化します。 「あ、そこでその音に行ってくれるんだ!」という、セッション中に感じるような驚きや喜びが、Tonalicにはあります。
ドラッグ&ドロップだけじゃない!DAWタイムラインでの統合(ARA)
Tonalicは、VSTプラグインとしてだけでなく、ARA(Audio Random Access) 対応プラグインとして真価を発揮します。 Studio OneやLogic ProなどのARA対応DAWであれば、Tonalicのウィンドウを開かなくても、DAWのタイムライン上で直接Tonalicのフレーズを編集できます。 楽曲の構成(イントロ、Aメロ、サビ)に合わせて、Tonalicのリージョンを配置し、DAWのコードトラックを変更すれば、即座にオーディオが書き換わる。 このシームレスな統合感は、他のプラグインにはない強みです。「プラグインの中で完結する」のではなく、「DAWの一部として機能する」感覚です。
Tonalicの全貌:その機能とワークフロー
では、具体的にTonalicを使って何ができるのか、その機能を見ていきましょう。
豊富なライブラリ:ギターだけじゃない、ドラムもベースも
「Tonalic」という名前からギター音源だと思われがちですが、実は総合的なバンドアンサンブルツールです。 現在、180種類以上のインストゥルメント が用意されています。
Electric Guitar : クリーン、クランチ、ディストーション、アコースティックまで多種多様。
Bass : プレシジョン、ジャズベ、シンセベースなど。
Drums : 生ドラムからエレクトロニックなキットまで。Kenny Aronoffのドラムキットももちろんあります。
これらはジャンル(Rock, Pop, Funk, Soulなど)や、プレイヤー(Kenny, Nateなど)ごとにカテゴライズされており、ブラウザからプレビューして選ぶことができます。
「Arranger」と「Studio」エディションの違いは?
Tonalicには2つのプランがあります。
Tonalic Arranger : 基本的な機能が使えるプラン。プリセットを選び、コードに合わせて演奏させることに関しては制限はありません。ライトユーザー向けです。
Tonalic Studio : 上位プラン。後述する「Refine」モードや、マイクのミキシング、詳細なエフェクト設定などが可能です。
正直なところ、Tonalicの真価を味わうならStudio一択 です。なぜなら、次に紹介する「Refine」機能こそが、Melodyne技術の真骨頂だからです。
まるで魔法!「Refine」モードで一音単位のニュアンス調整(Studioのみ)
Studio版に搭載されている「Refine」モード。これが凄まじいです。 生成されたオーディオ波形に対し、Melodyneのような画面で編集ができます。
「このギターの3拍目のアルペジオ、ちょっと強すぎるな」 -> その音だけ音量を下げる。
「ベースのピッチが少しフラットしてるな」 -> その音だけピッチを修正する。
「スネアのタイミングを少し後ろに倒したい」 -> スネアだけ掴んでズラす。
これがオーディオデータに対して行える のです。MIDIではありません。 録音された演奏の空気感を保ったまま、指一本の動きを修正するかのような緻密なエディット。これこそが「No MIDI」であるTonalicだけの特権であり、プロデューサーが喉から手が出るほど欲しかった機能です。
実際の使用感レビュー:メリットとデメリット
筆者も実際にトライアルで導入し、数曲制作に使ってみました。その率直な感想です。
メリット:圧倒的な「生々しさ」と「馴染みの良さ」
DAWで再生した瞬間、「あ、空気が変わった」と感じました。 打ち込みのドラムやベースにTonalicのギターを重ねるだけで、急に楽曲に奥行きが出ます。 特に秀逸なのが、「意図しないノイズ」の美しさ です。 コードチェンジの瞬間のキュッという弦鳴り、ピックが弦に当たるアタック音、アンプのわずかなハムノイズ。これらが完璧なタイミングで、しかもランダムではなく音楽的に鳴ります。 「上手いギタリストが、いい機材で、いいスタジオで弾いてくれた」音が、そのまま手に入る。これは感動的です。
デメリット:サブスクリプションのみ?価格への本音
最大のネックは、やはりサブスクリプション(月額制)のみ という点でしょう。 買い切り版はありません。
使い続ける限り、毎月課金が必要です。 「またサブスクかよ…」とうんざりする気持ちは痛いほどわかります。特に、たまにしか曲を作らないホビーユーザーにとっては、使わない月も料金が発生するのは痛手です。
日本円でいくら?導入コストとコスパを検証
2026年1月現在の価格(ユーロベースの概算)は以下の通りです。
Arranger : 約14.90ユーロ(約2,700円 / 月)
Studio : 約24.90ユーロ(約4,600円 / 月)
※為替レートにより変動します
月額4,600円。NetflixやSpotifyと比べると高いですが、音楽制作ツールとして見ればどうでしょうか。 Spliceが月額2,000円〜、UJAMの製品を一つ買うと1万円〜。 「世界トッププロの演奏が、24時間使い放題で、エディットも自由自在」というサービス として捉えれば、決して高くはありません。プロを1時間雇うお金で、数ヶ月使えるわけですから。 逆に言えば、「月に1曲も作らない」人には間違いなく高いです。自分の制作ペースと相談する必要があります。
Tonalicを使いこなすためのヒント
Tonalicは単に「貼り付けて終わり」のツールではありません。使いこなしのコツがあります。
ジャンル別活用術:ロック、ポップス、そして意外なジャンルへ
ロック/ブルース : 最も得意な分野です。クランチ気味のギターと、生々しいベースラインを組み合わせれば、DAW臭さは一瞬で消えます。
ファンク/R&B : カッティングギターの切れ味は抜群です。AMIの追従性により、16ビートの複雑なシンコペーションも、ドラムに合わせてグルーヴします。
Lo-Fi/Hip Hop : あえてTonalicの生演奏をサンプリングソースとして使うのも面白いです。一度生成したオーディオを、さらにローパスフィルターで削ったり、カセットテープエフェクトをかけたり。Spliceで掘るよりも、「狙ったコード進行のサンプリングネタ」を作れるので効率的です。
既存のループ素材とどう組み合わせる?ハイブリッド制作術
Tonalicだけですべてを作る必要はありません。 例えば、ドラムはSpliceで見つけた特徴的なブレイクビーツを使い、その上にTonalicでベースとギターを乗せる。 あるいは、UJAMのシンセフレーズと、Tonalicの生ギターをユニゾンさせる。 「生演奏(Tonalic)」と「デジタル素材(Splice/UJAM)」を混ぜることで、現代的かつ有機的なサウンドが生まれます。Tonalicは、他の音源と喧嘩せず、むしろ接着剤のように全体をまとめてくれる懐の深さがあります。
まずは1ユーロ(約180円)で試せ!トライアルのすすめ
あれこれ考える前に、まずは音を聴いてみるのが一番です。 Tonalicには、初月1ユーロ(約180円) で試せるトライアルキャンペーンが用意されていることがあります(時期によりますが、多くの期間で実施されています)。 180円なら、ジュース1本分です。これで1ヶ月、全ての機能をフルで試せます。 自分の曲にTonalicのギターを入れてみて、「これだ!」と思えば続ければいいし、「違うな」と思えば解約すればいいのです。リスクはほぼゼロです。
まとめ:音楽制作は「入力」から「指揮」へ
Tonalicを使っていると、音楽制作のあり方が変わっていくのを感じます。 これまでは、マウスでMIDIノートを一つ一つ書き込む「入力作業」でした。 しかしTonalicでは、優秀なプレイヤーに「こういう感じで弾いて」と指示を出し、上がってきた演奏に対して「ここはもう少し抑えて」と調整する、まさに「指揮者(ディレクター)」 のような立ち位置になります。
AI全盛の時代において、あえて「人間の演奏」にこだわり、それをテクノロジーで最大限に活かすCelemonyの姿勢。そこには、「音楽は人間が奏でるものだ」という強い信念と、「でもテクノロジーで楽はしたいよね」という優しさが共存しています。
Tonalicは、あなたの楽曲に失われていた「魂」を吹き込むラストピースになるかもしれません。 さあ、今すぐDAWを立ち上げ、世界最高のセッションを始めましょう。あなたの隣にはもう、Kenny Aronoffがスティックを持って待機しています。
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