深夜、一人で楽曲制作に向き合う時間。激しいディストーションでも、煌びやかなカッティングでもなく、ただ静かに心に寄り添うようなギターの音が欲しいと思ったことはありませんか?
そんなDTMerの願いを叶える音源が、e-instrumentsから登場しました。その名も「Velvet Guitars」 。前作としてカルト的な人気を誇る「Desolate Guitars」が「孤独と哀愁」なら、本作は「優しさと温もり」です。
ワンノート弾くだけで部屋の空気が変わるような、極上のアンビエント・ギターの世界へご案内します。Lo-Fi Hip Hopや映画音楽を作るあなたに、ぜひ知ってほしい一台です。
目次
Velvet Guitarsとは?:優しさと温もりに包まれるギター音源
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e-instrumentsが贈る「Desolate Guitars」の対となる存在
e-instrumentsといえば、高品位なピアノ音源や、独特の世界観を持つシネマティック音源で知られるデベロッパーです。特に昨年リリースされた「Desolate Guitars」は、アメリカの荒野を想起させる乾いたトーンと哀愁漂う響きで、多くの作曲家を虜にしました。
今回紹介する「Velvet Guitars 」は、そのDesolate Guitarsの兄弟機でありながら、全く異なる性格を持っています。開発コンセプトは「The Mellow Side of Guitars」。直訳すれば「ギターの芳醇で柔らかな側面」。冷たく乾いた風ではなく、暖炉のそばでくつろぐような、柔らかい毛布に包まれるような、そんな「温もり」をテーマにした音源です。
厳選された5本のギターとヴィンテージアンプの融合
収録されているのは、それぞれに強い個性を持つ5本のギターです。
Classic Semi-Hollow : ジャズやブルースで愛される、甘く太いトーン。
Mellow Baritone : 低音域の深みと落ち着きを加えるバリトンギター。
The “Shimmer” Guitar : 60年代スタイルのオフセットボディが生む、独特の浮遊感。
Jazz Semi-Hollow : よりアコースティックに近い、箱鳴り感のある響き。
Amped Acoustic : アコースティックギターをアンプに通した、有機的かつ力強いサウンド。
これらは単にライン録音されただけでなく、2種類のヴィンテージアンプ(いわゆる「アメリカン・クリーン」と「ブリティッシュ・チャイム」)を通して丹念にサンプリングされています。このアンプのキャラクターが絶妙で、デジタル臭さを完全に排除した、太くて存在感のある音像を作り出しています。
リアルなスプリングリバーブが生み出す「深み」
Velvet Guitarsのサウンドの核となっているのが、本物のスプリングリバーブです。プラグインのエフェクトとして後付けされたものではなく、レコーディング段階でアンプのスプリングリバーブを通した音が収録されています。
「ピチャッ」という特有のアタック音や、長く尾を引く金属的な残響。これらがギターの音色と完全に一体化しています。Mod Wheelを上げ下げするだけで、ドライで親密なサウンドから、深い霧の中にいるようなアンビエントなサウンドまで、シームレスに行き来できます。このリバーブの質感だけで、ご飯三杯はいける…というリバーブ好きの方も多いはずです。
表現力の秘密:ただのサンプリングではない「質感」
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繊細なアーティキュレーションとエフェクトチェーン
単に「ジャラーン」と鳴るだけではありません。サステイン、ミュートといった基本的な奏法に加え、ハーモニクス、リバース・スウェル(音が逆再生のようにふわっと立ち上がる)、そして弓で弾いたようなボウイング奏法など、シネマティックな表現に不可欠なアーティキュレーションが網羅されています。
さらに、プロのギタリストが選定したエフェクトチェーンも搭載されています。テープサチュレーション、ロータリー(回転スピーカー)、トレモロなど、ヴィンテージな質感を加えるエフェクトが、画面上のペダルをクリックするだけで呼び出せます。これらはすべて「美味しい設定」にあらかじめ調整されており、つまみを適当に回しても音が破綻することなく、常に音楽的な変化をもたらしてくれます。
誰でも直感的に操作できるインターフェースとMod Wheel
Kontakt音源の中には、キースイッチが複雑すぎて「演奏する前にマニュアルを読まないと音が出せない」ものも少なくありません。しかし、Velvet Guitarsは極めてシンプルです。
基本的には鍵盤を弾くだけ。そして、表現力の肝となるのが「Mod Wheel(モジュレーションホイール)」です。これを動かすことで、音の「Intensity(強度)」や「Texture(質感)」がリアルタイムに変化します。静かなイントロではホイールを下げて繊細に、盛り上がるサビ前ではホイールを上げて倍音豊かなサウンドに…といった操作が、まるで実際の楽器を演奏しているかのような直感性で行えます。
楽曲に「人間味」を与える微細なノイズと揺らぎ
打ち込みのギターが偽物っぽく聞こえる最大の原因は「綺麗すぎること」です。Velvet Guitarsは、フレットを移動する時のノイズ、アンプのハムノイズ、ピッキングの瞬間の微妙なズレなど、演奏に含まれる「不完全さ」を意図的に残しています。
設定画面で「Release Noise」や「Fret Noise」の量を調整できるのですが、これらを適度に入れることで、トラックに「人間がそこにいる気配」が生まれます。特にLo-Fi Hip Hopのようなジャンルでは、この「汚れ」こそがグルーヴの源泉になります。ハイファイなポップスでは邪魔になるかもしれない要素が、この音源がターゲットとするジャンルでは最高のスパイスになるのです。
実際に使ってみて感じたメリット:制作の即戦力として
チルアウト、Lo-Fi、シネマティックに特化したサウンドデザイン
正直に言うと、この音源は万能ではありません。ヘヴィメタルや速弾きのフュージョンには全く向いていません。しかし、「特定のジャンル」においては最強の武器になります。
夜明け前の静けさを表現したい時のサウンドトラック。 雨の日のカフェで流れるようなLo-Fi Beats。 インディー映画の切ない回想シーン。
こういったシチュエーションにおいて、Velvet Guitarsは「これ以外考えられない」というほどハマります。プリセットを選んでコードを一発弾いた瞬間、「あ、これこれ。この雰囲気が欲しかったんだ」と膝を打つことになるでしょう。
アイディアが枯渇した時の「インスピレーション・ブースター」
作曲をしていると、「コード進行は決まったけど、どんな音色で鳴らせばいいかわからない」「アレンジが平凡でつまらない」という壁にぶつかることがあります。そんな時、私はとりあえずVelvet Guitarsを立ち上げます。
そのリッチな倍音と揺らぎのあるサウンドは、弾いているだけで新しいメロディを誘発してくれます。「音色に弾かされる」という体験です。特に、リバース系のアーティキュレーションや、テクスチャ系の音色を重ねることで、シンプルなコード進行が壮大なサウンドスケープに化ける瞬間は快感です。
複雑な処理不要で「あの音」が出る時短効果
通常、ギターの打ち込み音源をプロっぽい「エモい音」にするには、アンプシミュレーターを挿し、空間系エフェクトを調整し、EQで不要な帯域を削り…と、多くの工程が必要です。
Velvet Guitarsは、アウトプットされた時点ですでに「完成された音」になっています。NeveのプリアンプやRoyerのリボンマイクを使って録音された素材自体が素晴らしいため、ミックス段階での処理は最小限で済みます。「時短」というのは単に作業が速くなるだけでなく、ミックス疲れを防ぎ、クリエイティブな判断力を維持するためにも非常に重要です。
Velvet Guitar 特徴
5 つの象徴的なギター: 5 つの特徴的な楽器から得られる暖かくて個性的なエレクトリック トーンとエレクトリック アコースティック トーン。
ビンテージ アンプ: まろやかで雰囲気のあるギター サウンドの代名詞である 2 つのビンテージ アンプを選択またはブレンドします。
リアル スプリング リバーブ: 本物のスプリング リバーブの独特な特性を調整して、瞬時に雰囲気と深みを演出します。
本格的なトレモロ: ビンテージ アンプのトレモロ モデルに加え、ホストとの完全な同期機能を含む、ペダル風のスタイルが追加されました。
豊富な FX チェーン: マクロによる即時の表現力豊かなコントロールを備えた、ギタリストがデザインした厳選された FX プリセット。
アーティキュレーション: プラック、ミュート、デッド ノート、コード、スウェル、フィードバック、ハーモニクス、スライド、ジャズ オクターブ、イーボウ、バイオリン ボウ、さらに歯ブラシで演奏されたギターのような型破りなサウンド、ローファイ テープ録音、およびユニークなランダム テクスチャ。
ハイエンド レコーディング チェーン: Rupert Neve Designs® プリアンプを通じてキャプチャされた純粋なスタジオ サウンド。
多彩なサステイン: 複数のギターやアンプのセットアップにわたって、サステインとミュートを使用してダイナミックなパフォーマンスを作成します。
コード オプション: コード ベースのプリセットでメジャー コードまたはマイナー コードを簡単に選択できます。
モジュレーションホイール コントロール: アーティキュレーションをシームレスに切り替えたりブレンドしたりして、演奏性と表現力を向上させます。
まとめ:あなたの楽曲に「Velvet」のような手触りを
おすすめのユーザー層と導入の価値
Velvet Guitarsは、次のようなクリエイターに強くおすすめします。
Lo-Fi / Chillout系のトラックメイカー : ビートに乗せるだけで極上の上モノになります。
映像音楽 / ゲーム音楽の作曲家 : 環境音と馴染む、主張しすぎない背景音楽を作るのに最適です。
Indie Pop / Dream Popのアーティスト : 幻想的でドリーミーなギターサウンドを探している方に。
ギターが弾けない、または録音環境がないDTMer : プロが弾いた「いい感じのテイク」を自由に扱えます。
逆に、テクニカルなギターソロや、カッティングのキレを求める方には向きません。それは他の専門音源に任せましょう。
価格も手頃で、Kontakt Player(無料版)でも動作するため、導入のハードルは低いです。あなたのPCの中に、いつでも極上のトーンを奏でてくれる、優しくて少しセンチメンタルなギタリストを一人、迎え入れてみてはいかがでしょうか?その音色は、あなたの楽曲に、ベルベットのような滑らかさと、温かい手触りを与えてくれるはずです。
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