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UJAM Finisher BOOSTレビュー:サビ前の「盛り上げ」はこれ一つで完結!

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    「サビ前の盛り上げがつまらない」「ライザー(上昇音)のサンプルを探すだけで時間が過ぎていく」…そんな悩みを持っていませんか?楽曲のクオリティを左右するのは、実はメインのメロディだけでなく、セクションごとの「つなぎ(トランジション)」だったりします。

    ここがカッコよく決まるだけで、曲全体のプロっぽさが一気に跳ね上がります。そんな重要な場面転換を、たった一つのノブで魔法のように演出してくれるのが、UJAMの「Finisher BOOST」です。ありふれたループ素材やトラックが、一瞬で鳥肌モノのフィルインに変わる。その驚異の実力を徹底解剖します。


    目次

    UJAM Finisher BOOSTとは?:退屈な展開を「爆上げ」する魔法

    「トランジション(場面転換)」に特化したFinisherシリーズ最新作

    簡単操作で複雑なエフェクト処理を実現するUJAMの「Finisher」シリーズ。その中でもBOOSTは、楽曲の「場面転換」=トランジションに特化して設計されています。

    曲を作っていて、AメロからBメロへ、あるいはBメロからサビへ移る瞬間、何もしないと唐突でカッコ悪くなってしまいますよね。そこに「シュワー」というライザー音を入れたり、ドラムのフィルインを入れたりするわけですが、これを毎回手作業で作るのは非常に手間がかかります。BOOSTは、手持ちのトラック(ドラム、ボーカル、シンセ何でもOK)にかけてノブを回すだけで、フィルタリング、エコー、リバーブ、歪みなどを複合的にかけ、音楽的な「盛り上げ」や「静寂」を瞬時に作り出してくれます。

    サンプルを貼り付けるだけだと馴染まない?既存トラックをライザーに変える発想

    従来の制作手法では、サビ前の盛り上げには「White Noise Riser」のようなサンプル素材を貼り付けるのが一般的でした。しかし、これだと「いかにも素材を貼りました」という浮いた感じになりがちで、ミックスで馴染ませるのに苦労します。

    BOOSTの素晴らしい点は、「今鳴っている楽器そのもの」をエフェクトで変化させてトランジションを作れることです。例えば、サビ前でドラムトラックに対してBOOSTをかけると、ドラムのビートが徐々にフィルターでこもりながら、激しいディレイとリバーブに飲み込まれ、ドーン!と爆発するような効果が得られます。素材を足すのではなく、既存の音を変化させるため、楽曲のトーンやキーと完全に一致した、違和感のない自然な展開が作れるのです。

    DAWテンポと完全同期!小節数を選ぶだけの簡単操作

    ライザー系のサンプルを使う時のもう一つの悩みが「長さの調整」です。「このサンプルは4小節あるけど、今は2小節で盛り上げたい」といった場合、タイムストレッチなどの面倒な編集が必要です。

    BOOSTはDAWのテンポと小節位置に完全に同期します。画面上で「2Bar(2小節)」「4Bar(4小節)」「8Bar(8小節)」を選ぶだけで、その長さにぴったり収まるようにエフェクトのカーブが自動生成されます。「Finisherノブ」を回すだけで、指定した小節数の終わりに向かってエフェクトがピークを迎え、次の小節の頭で綺麗にドライ音に戻るよう設計されています。この「タイミングの完璧さ」こそが、BOOSTを使う最大のメリットと言えるかもしれません。


    60種類のモードが織りなす多彩なエフェクト

    Just filtersじゃない!ディレイ、リバーブ、歪みが複雑に絡み合う

    「フィルターを開閉するだけなら、EQのオートメーションでいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、BOOSTの内部で行われている処理はそんな単純なものではありません。

    60種類用意された「Mode」には、それぞれ異なるエフェクトチェーンが組まれています。あるモードでは「ビットクラッシャーで音を壊しながら、無限のリバーブで空間を広げる」、別のモードでは「音が回転しながら上昇し、最後は無音になる」といったように、一度に数十個のプラグインを立ち上げないと再現できないような複雑な処理が、ワンノブの裏側で行われているのです。

    「Loop」と「Flip」機能で生まれる予期せぬグルーヴ

    単なるエフェクトだけでなく、リズムそのものを変化させる機能も搭載されています。「Loop」ノブを上げると、入力音が設定した長さでループし(スタッター効果)、それが徐々に細かくなっていくような、EDMでよくあるビルドアップ効果を付加できます。

    ユニークなのが「Flip」ボタンです。これを押すと、エフェクトのかかり方が「逆」になります。通常はノブを回すほどエフェクトが強くなりますが、Flipさせると「徐々にエフェクトが弱まってドライに戻っていく」ような動きになります。これは、激しいドロップの後で静かなAメロに戻る「ダウンリフター」を作る際に非常に便利です。

    ドラム、ボーカル、シンセなど、トラックごとの最適解

    モードは楽器ごとにカテゴリ分けされています。

    • Inst(楽器用): シンセやギターなどに合う、調性を保ったまま変化するエフェクト。
    • Drums(ドラム用): アタック感を強調したり、逆にリズムを崩してカオスなフィルを作るエフェクト。
    • Vox(ボーカル用): 声をロボットボイスに変えたり、電話越しのような音にして盛り上げるエフェクト。

    もちろん、ドラムにボーカル用のプリセットをかけてもOKです。個人的には、マスターバスに薄くかけて、曲全体を一気にフィルターアウトさせる「DJ的なパフォーマンス」にも使えると感じています。


    実際の制作での活用テクニック

    サビ前の「空白」を埋める最強のフィルイン作成術

    最もスタンダードかつ効果的な使い方は、やはりサビ前のフィルイン(Fill-in)作成です。 手順は簡単。

    1. ドラムトラック(またはリズム隊のバス)にBOOSTを挿す。
    2. サビ前の2小節または1小節で、Finisherノブを0から最大まで動かすオートメーションを書く。

    これだけです。たったこれだけで、プロが数時間かけて作り込んだような、スリリングなドラムフィルが完成します。コツは、エフェクトのピークを「小節の終わりギリギリ」に合わせること。BOOSTはその辺りのカーブも自動で最適化してくれるので、適当に書いてもカッコよくなります。

    平坦なループ素材に命を吹き込む「隠し味」としての使い方

    Spliceなどで拾ってきたループ素材は、便利ですが「展開」がなくて退屈になりがちです。そんな時、4小節や8小節の終わりにBOOSTを軽く(全開にせず30%くらい)かけるオートメーションを書いてみてください。

    これだけで、ループに「呼吸」が生まれます。「ここで一区切りだよ」という合図がリスナーに伝わり、ただの繰り返しが「楽曲の構成要素」へと進化します。特にLo-Fiやアンビエントなど、ミニマルな構成の曲では、この「微かな変化」が聴き手を飽きさせない重要なテクニックになります。

    ライブパフォーマンスのようなダイナミクスをオートメーション一つで

    EDMやダンスミュージックでは、ビルドアップ(盛り上げ)とドロップ(爆発)の落差(ダイナミクス)が命です。BOOSTを使えば、ブレイクダウンパートで徐々にエネルギーを溜めていき、ドロップ直前で一気に解放(エフェクトOFF)するという流れが直感的に作れます。

    複数のトラック(シンセ、ドラム、FXなど)を一つのバスにまとめ、そこにBOOSTをかけるのもおすすめです。全員が一斉に同じエフェクトに飲み込まれていく様は圧巻で、これぞ「一体感」のある盛り上がりと言えるでしょう。

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    この記事を書いた人

    櫻井徳右衛門のアバター 櫻井徳右衛門 音楽プロデューサー・ミュージシャン

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