「シンセの音がのっぺりしてて面白くない…」 「トラックに『動き』が足りないけど、オートメーションを書くのは面倒…」 そんなDTMerの悩みを一撃で解決するプラグイン、それが DS Audio TANTRA 2 です。 ただのマルチエフェクトではありません。これは、8つのモジュレーターを駆使して、静的なサウンドを「生き物」のように躍動させる リズミック・サウンド・ジェネレーター です。
今回は、EDMから映画音楽まで、あらゆるジャンルで使えるこの「魔法の箱」の全貌をレビューします。
目次
DS Audio TANTRA 2レビュー:退屈な音を「リズムの洪水」に変える魔術
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シンセサイザーのプリセットを鳴らしてみたものの、「音が単調でつまらない」「何かが足りない」と感じたことはありませんか? 楽曲制作において、サウンドに「退屈さ」を感じる瞬間は誰にでも訪れます。シンプルなコード進行や、サンプルパックから持ってきただけのループ素材は、そのままではリスナーの耳を惹きつける力が弱いものです。 そんな時に、一瞬でサウンドに命を吹き込み、複雑なリズムとグルーヴを与えてくれる救世主のようなプラグインがあります。 それが、DS Audio (Dmitry Sches) の TANTRA 2 です。
「リズミック・マルチエフェクター」と呼ばれるジャンルに属するこのツールは、単なるエフェクト(リバーブやディレイなど)の寄せ集めではありません。 入力されたオーディオ信号を細切れにし、フィルターをかけ、歪ませ、空間を広げ、それを複雑怪奇なパターンで変調させることで、ただの白玉(全音符)コードを、躍動感あふれるトランスゲートや、IDMのようなグリッチ・ビートへと変貌させる「魔法の箱」なのです。 このプラグインを通すだけで、無機質な波形がまるで生命を持ったかのように動きし、あなたのトラックに強烈な個性を刻み込みます。
今回は、EDM等のダンスミュージックから、アンビエント、映画音楽のサウンドデザインに至るまで、あらゆるジャンルのトラックに動き(Movement)を与えるTANTRA 2の魅力を徹底的にレビューします。 競合プラグインとの違いや、具体的な使用例、そして何よりこのプラグインがもたらす「作曲プロセスの変化」について、深く掘り下げていきます。
「リズミック・マルチエフェクター」の決定版
市場には「Effectrix (Sugar Bytes)」や「ShaperBox (Cableguys)」、「Infiltrator 2 (Devious Machines)」など、優れたリズミック・マルチエフェクトが既に存在します。
Effectrix 2
これらはどれも素晴らしいツールですが、TANTRA 2の最大の特徴であり、他の追随を許さない点は 「モジュレーション(変調)」への異常なまでの執着 です。
多くのマルチエフェクトが「グリッドに沿ったシーケンス」や「決まったLFO波形」を主軸にしているのに対し、TANTRA 2は自由度が桁違いです。 ステップシーケンサーやLFOを単に「かける」だけでなく、それらを複雑にルーティングし、エフェクトのあらゆるパラメータを「有機的に動かす」ことに特化しています。 その結果生まれるサウンドは、デジタルな正確さを持ちながらも、どこか人間味のある、予測不能な面白さを持っています。 「機械的すぎない、音楽的な揺らぎ」を作りたいプロデューサーにとって、これほど強力な武器はありません。
TANTRA 2の心臓部:8つのモジュレーターとエフェクト
TANTRA 2のサウンドエンジンは、非常に論理的でありながら、無限の可能性を秘めた構造になっています。 その核となるのが、画面上部で常に脈打っている8つのモジュレーターと、高品質なエフェクトモジュール群です。 これらがどのように相互作用し、音を変えていくのかを詳しく見ていきましょう。
自由自在に動く8つのモジュレーター(Step & Curve)
TANTRA 2のGUIを開くと、まず目に飛び込んでくるのが画面上部に並ぶ8つのカラフルなラインです。 これがTANTRA 2の魂である「モジュレーター」セクションです。 一般的なプラグインではLFOが2つや3つあれば良い方ですが、TANTRA 2はなんと8つも搭載しています。これにより、フィルター、ボリューム、パン、歪みの量など、複数のパラメータを同時に、しかもバラバラの周期で動かすことが可能です。
このモジュレーターには、主に2つの強力なモードがあります。
1. Step Mode(ステップモード) グリッドに沿って値を設定していく、いわゆるステップシーケンサーです。 最大32ステップまで設定可能で、リズムの刻みを細かく制御できます。 特筆すべきは「Smooth(スムーズ)」機能です。ステップ間の変化を滑らかに繋ぐことができ、角張ったデジタルな変化だけでなく、ぬるっとしたアナログシンセのような挙動も作れます。 トランスゲートのような「バチッ」としたリズムを作りたい時はSmoothをゼロに、オートワウのような滑らかな変化が欲しい時はSmoothを上げる、といった使い分けが直感的に行えます。
2. Curve Mode(カーブモード/エンベロープモード) こちらはより自由な形状を描けるモードです。DAWのオートメーションを書くように、点(ノード)を追加して曲線を描けます。 非常に複雑な波形を作れるため、ダブステップのウォブルベースのような激しい動きや、ゆっくりと盛り上がっていくライザー効果などを作るのに適しています。 テンションカーブの調整も自由自在で、加速するような動きや減速するような動きも思いのままです。
使い方は驚くほど簡単です。モジュレーターの上部にあるカラーのドットをドラッグし、コントロールしたいエフェクトのツマミにドロップするだけ。 いわゆる「ドラッグ&ドロップ」方式のモジュレーションアサインは、最近のシンセ(SerumやVitalなど)では標準的ですが、エフェクトプラグインでここまで快適に実装されているものは多くありません。 フィルターのカットオフをリズミカルに開閉させたり、ディストーションのドライブ量を小節の裏拍だけ上げたり、ディレイのフィードバックを発振ギリギリまで自動で動かしたりと、DAWのレーンでオートメーションをちまちま描く作業の何倍もの速さで、複雑かつ音楽的な動きを作ることができます。
6つの強力なエフェクト・モジュール
モジュレーターによって制御される対象となるエフェクト群も、非常に高品質です。 TANTRA 2には以下の6種類のエフェクトモジュールが搭載されており、これらを自由に組み合わせて音作りを行います。 各モジュールは単体でもプラグインとして成立するレベルのクオリティを持っています。
1. Filter(フィルター) サウンドデザインの基本となるフィルターです。 Low Pass, High Pass, Band Passといった基本的なタイプに加え、アナログ回路をモデリングしたような温かみのある質感を持っています。 レゾナンスを上げた時の発振音も音楽的で、モジュレーターでカットオフを高速に動かせば、アシッドなベースラインも簡単に作れます。
2. Distortion(ディストーション) サウンドを太く、汚く、攻撃的にするためのドライブエフェクトです。 Tube, Soft Clip, Hard Clip, Bitcrushなど複数のモードを搭載しており、微妙なサチュレーションによる倍音付加から、原形を留めないほどの破壊的な歪みまで幅広く対応します。 特にドラムループにかけると、コンプレッサーだけでは出せないパンチと迫力を付加できます。
3. Delay(ディレイ) 空間とリズムを作るためのディレイです。 単純なエコー効果だけでなく、左右に音が飛び交うピンポンディレイや、フィルター付きのダブディレイも作成可能。 TANTRA 2のディレイが面白いのは、Delay Time自体をモジュレーターで動かせる点です。これにより、テープエコーのようなピッチの揺らぎや、予測不能なグリッチサウンドを生み出すことができます。
4. Lo-Fi(ローファイ) 近年流行のLo-Fi Hip HopやVaporwave的な質感を作るのに欠かせないエフェクトです。 ビットクラッシャーによるデジタルな劣化感や、サンプルレートダウンによるザラついた質感を追加します。 これを薄くかけるだけで、最新のデジタルシンセの音が、まるで90年代のサンプラーから鳴らされているような、ノスタルジックな雰囲気を纏います。
5. Flanger(フランジャー) ジェット機のような「シュワー」という音や、金属的な響きを加えるモジュレーションエフェクトです。 コーラス的な広がりを持たせることも可能で、パッドやストリングスにかけると、幻想的でサイケデリックな空間を演出できます。
6. Glitch(グリッチ) TANTRA 2の飛び道具的な存在です。 スタッター(吃音効果)やリバース(逆再生)、テープストップのような効果を発生させ、音を切り刻みます。 「Glitch」という名前ですが、設定次第では非常にリズミカルな刻みを作ることができ、ブレイクビーツやドラムンベースの制作で重宝します。
これらのエフェクトは、直列(Series)または並列(Parallel)で自由にルーティングを変更できます。 ディストーションをかけた後にリバーブをかけるのか、リバーブ成分だけを歪ませるのか、ルーティングを変えるだけで出音は劇的に変化します。この自由度の高さもTANTRA 2の魅力です。
2つのレイヤー(A/B)で生み出す「ポリリズム」的な深み
TANTRA 2が他の簡易的なマルチエフェクトと一線を画すのが、Layer A と Layer B という2つの独立したレイヤー構造です。 これは実質的に、TANTRA 2の中に2つの独立したエフェクターラックが入っているようなものです。
これがなぜ重要なのでしょうか? 例えば、Layer Aでは「4分音符でフィルターを開閉するシンプルなリズム」を作り、Layer Bでは「3/16拍子でグリッチをかける変則的なリズム」を作るとします。 この異なるリズム周期を持つ2つのレイヤーを重ねる(ミックスする)ことで、単調さを完全に排除した、複雑で飽きのこない「ポリリズム」的な深みを生み出せるのです。
Layer Aで低域の太いベースラインの動きを作り、Layer Bで高域のキラキラした装飾音の動きを作る、といった帯域別の処理も可能です。 この「レイヤー機能」を使いこなすことで、TANTRA 2は単なるエフェクトプラグインを超え、一つの「楽曲生成マシン」のような振る舞いを見せ始めます。
音作りを加速させる「Intelligent Randomizer」
多機能なプラグインには、常に「設定が複雑すぎて、どこから触ればいいか分からない」という問題がつきまといます。 パラメータが多すぎることは、初心者にとっては足枷にもなり得ます。 そんな悩みを解決するために、TANTRA 2には最強の機能 「Intelligent Randomizer(インテリジェント・ランダマイザー)」 が搭載されています。
画面上部にあるサイコロのようなアイコン。これをクリックするだけで、TANTRA 2はすべてのパラメータをランダムに変更し、新しいプリセットを生成します。 しかし、ここで重要なのは「Intelligent(知的)」であるという点です。 単にすべての数値をデタラメにするのではありません。そんなことをすれば、大抵は耳障りなノイズや無音になってしまいます。 TANTRA 2のランダマイザーは、「音楽的に破綻しない範囲で」 ランダム化を行うアルゴリズムを持っています。
生成されるサウンドは、即座に楽曲に使用できるレベルのクオリティであることが多く、「完全なハズレ」が極端に少ないのが特徴です。 ・制作に行き詰まってアイデアが出ない時 ・予期せぬサウンドとの出会いを求めている時 ・とりあえずカッコいい音が欲しい時 そんな時に、とりあえずこのサイコロをポチポチとクリックしてみてください。 数回クリックするだけで、自分では絶対に思いつかなかったような、独創的でクールなリフやテクスチャに出会えるはずです。 この「偶然性」を味方につけることこそ、現代のデジタル音楽制作における最大の武器の一つと言えるでしょう。
実際の活用テクニック:こうやって使う!
機能解説だけではイメージが湧きにくいかもしれません。 ここからは、私が実際に制作現場でTANTRA 2をどのように使っているか、具体的なテクニックを3つ紹介します。
1. シンプルなコードを「トランスゲート」風シンセに
これはTANTRA 2の一番オーソドックス、かつ効果的な使い方です。 用意するのは、シンセサイザーで鳴らした「ジャーン」と伸ばすだけのシンプルなコード(白玉)のMIDIトラック。音色はSuper Sawのような倍音の多いものが適しています。
そのトラックにTANTRA 2をインサートします。
Filterモジュールをオンにし、Cutoff(カットオフ)ノブにStepモードのモジュレーターをアサインします。
シーケンサー画面で、16分音符のグリッドに合わせてリズミカルなパターンを描きます。
好みに応じてLo-FiやDistortionを薄くかけ、音に厚みを加えます。
これだけで、EDMやトランス、あるいはポップスのバックトラックで聴けるような、リズミカルに刻まれるゲート・シンセが完成します。 サイドチェーンコンプレッサーで音をダッキングさせる手法も一般的ですが、TANTRA 2を使えば、フィルタリングによる音色の変化も同時に加わるため、よりドラマチックで展開のあるバッキングトラックが作れます。 特に、サビ前のビルドアップでSmoothノブを操作して徐々にゲート感を変えていくテクニックは必殺技です。
2. 生ドラムをのっぺりさせない「グリッチ&スタッター」
生ドラムのループ素材や、打ち込んだドラムトラックが「なんだか普通すぎる」「機械的すぎる」と感じることはありませんか? そんな時こそTANTRA 2の出番です。
ドラムバス、またはハイハットやパーカッションのトラックにTANTRA 2を挿します。
GlitchモジュールとLo-Fiモジュールを使用します。
ただし、ずっとかけっぱなしにするのではなく、モジュレーターを使って「4小節に1回だけ」とか「スネアのタイミングだけ」エフェクトが掛かるようにMix量を制御します。
さらに、Delayモジュールを薄くかけ、そのFeedbackをCurveモジュレーターで不規則に動かします。
こうすることで、基本のリズムは保ちつつ、時折「ズザザッ!」「キュルル…」といったグリッチノイズやフィルインのような効果が自動的に挿入されるようになります。 Aphex TwinやAutechreのようなIDM(Intelligent Dance Music)的な知的なビートメイクが、複雑な波形編集なしで実現できます。 「のっぺりしたドラム」が、一気に「プロが細かくエディットしたドラム」に化けるのです。
3. ボーカルチョップに動きをつける
Spliceなどのサンプル配信サイトで入手したボーカル素材(Vocal Chops)。 クオリティは高いですが、そのまま貼っただけでは「どこかで聴いたことがある」音になってしまい、オリジナリティが出せません。 TANTRA 2をボーカルバスに挿してみましょう。
Filterモジュールでフォルマントフィルターのような動きを作ります(Band Passを高めのレゾナンスで動かすと近くなります)。
Delayモジュールで飛ばし、そのディレイ音だけにDistortionをかけます(ルーティング機能を使います)。
ランダマイザーを使って、予期せぬ設定を試してみます。
ボーカルは元々人間が発している音なので、TANTRA 2の有機的なモジュレーションと非常に相性が良いです。 単純なリバーブやディレイでは出せない、シンセサイザーのような、それでいて声の生々しさも残った、独特なボーカル・テクスチャが生まれます。 Future Bassなどのジャンルでは、この「加工されたボーカル」自体がメインのフックになることも多いので、TANTRA 2は強力な武器になります。
競合プラグインとの比較:TANTRA 2を選ぶ理由
リズミック系マルチエフェクトは激戦区です。他社製品と比べてTANTRA 2はどうなのでしょうか? 購入を迷っている方のために、主要な競合製品との違いを詳しく比較してみましょう。
vs Cableguys ShaperBox 3
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ShaperBoxは非常に人気の高いツールで、「波形編集」によるLFOシェイピングが最強の機能です。 サイドチェーンダッキングの正確さや、マルチバンド処理の精度においてはShaperBoxに軍配が上がります。ミックスの補正や、狙った通りの完璧なエンベロープを描く用途にはShaperBoxが向いています。 しかし、「偶発的なサウンドデザイン」や「音作り自体の楽しさ」というクリエイティブな面では、TANTRA 2のモジュラー的な自由度が光ります。ShaperBoxが「精密なエンジニアリングツール」なら、TANTRA 2は「演奏できる楽器」に近い感覚です。
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vs Sugar Bytes Effectrix
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Effectrixは、ステップシーケンサー上のグリッドを塗ることでエフェクトをON/OFFする方式を採用しています。 視覚的に非常に分かりやすく、「この拍でこのエフェクトがかかる」ということが一目瞭然です。 一方、TANTRA 2はON/OFFだけでなく、パラメータの値を滑らかに動かす(変調する)ことに長けています。 Effectrixはデジタルで切り刻むようなサウンドが得意ですが、TANTRA 2はより有機的で、アナログライクなうねりや変化を求める場合に適しています。
vs Devious Machines Infiltrator 2
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現在、TANTRA 2の最強のライバルと言えるのがInfiltrator 2です。機能面ではかなり拮抗しており、どちらも素晴らしいプラグインです。 個人的な感想としては、TANTRA 2の方が「GUIが見やすく、触っていて楽しい」と感じます。直感的なドラッグ&ドロップや、美しいアニメーションは、長時間の制作においてモチベーション維持に貢献します。 また、TANTRA 2の「Intelligent Randomizer」の質は、このジャンルの中で頭一つ抜けている印象です。 Infiltrator 2はシーケンサー機能が強力ですが、TANTRA 2は「モジュレーション」そのものの挙動が音楽的で、プリセットの即戦力度が高いと感じます。
Q&A:よくある質問
購入前に気になるポイントをQ&A形式でまとめました。
Q: CPU負荷は高いですか? A: 8つのモジュレーターと多数のエフェクト、美しいGUIをフル稼働させると、それなりにCPUパワーを食います。特に「High Quality」モードを有効にすると負荷が上がります。 最近のPC(M1/M2 Macや高性能なWindows機)なら全く問題ありませんが、古いラップトップ等で、1つのプロジェクトに10個も20個も挿すと重くなる可能性があります。その場合は、気に入った音になった時点でオーディオに書き出す(Freeze/Bounce)ことをお勧めします。
Q: 外部のサイドチェーン入力はできますか? A: TANTRA 2自体にはサイドチェーン入力でモジュレーションをトリガーする機能はありません(Version 2.x時点)。 あくまでリズムに合わせて内部のモジュレーターが走る仕組みです。ただし、MIDIノート入力でエンベロープをリトリガーすることは可能です。 これにより、キックのタイミングでフィルターを開くといった、擬似的なサイドチェーン効果を作ることはできます。
Q: 自分の持っているワンショットサンプルを読み込めますか? A: いいえ、読み込めません。TANTRA 2はあくまで「エフェクトプラグイン」です。 入力された音(シンセやオーディオトラックの音)に対して加工を行うものであり、TANTRA 2自体が音を発音する(インストゥルメントとしての)機能はありません。
Q: 日本語マニュアルはありますか? A: 公式には英語マニュアルのみの提供となっている場合が多いです。 しかし、GUIが直感的なので、基本的な操作は触っていれば理解できるでしょう。細かい仕様については、本記事やYouTubeのチュートリアル動画を参考にすることをお勧めします。
スキン変更とGUIの美しさ
機能とは直接関係ないように思えるかもしれませんが、GUI(見た目)の良さは制作意欲に直結します。 TANTRA 2はGPUアクセラレーションを使用した、現代的で非常に美しいインターフェースを持っています。 モジュレーターの動きがリアルタイムで滑らかにアニメーション表示されるため、今音がどう変化しているのかが視覚的に瞬時に理解できます。
さらに、スキン(外観)の変更機能も搭載されています。 サイバーパンク風のダークなものから、フラットでモダンなものまで、気分に合わせて見た目を変えられるのも嬉しいポイントです。 毎日使うツールだからこそ、見ていてテンションが上がるデザインであることは重要なのです。
実際の使用感:メリットとデメリット
ここで改めて、実際に使い込んで感じたメリットとデメリットを正直にまとめます。
メリット
圧倒的な変化力 : 退屈な素材を一瞬で「使える音」に変えるパワーは圧巻。
Intelligent Randomizer : アイデア枯渇時の救世主。実用的なランダム生成が素晴らしい。
直感的な操作性 : ドラッグ&ドロップでアサインできるモジュレーションシステムが秀逸。
デュアルレイヤー構造 : 複雑で飽きのこないポリリズム的なパターンが簡単に作れる。
高品質なエフェクト : 各エフェクトが単体でも通用するクオリティを持っている。
プリセットが豊富 : 即戦力のプリセットが大量に用意されており、ジャンル別に選びやすい。
デメリット
CPU負荷 : 前述の通り、リッチなGUIと処理内容ゆえに、軽量なプラグインではありません。
やりすぎ注意 : エフェクトが強力すぎるため、Mixノブの調整を忘れると原音が完全に消え失せ、何の楽器か分からなくなることがあります(それが狙いならOKですが)。楽曲に馴染ませるためのバランス感覚は必要です。
マニュアル必読な部分も : 直感的とはいえ機能が多いため、Master EQセクションやルーティングの仕様など、細かい部分はマニュアルを見ないと気付けない機能もあります。
まとめ:あなたのトラックに「脈動」を与える最強ツール
DS Audio TANTRA 2は、言うなれば「静止画を動画にする」ようなプラグインです。 もしあなたのトラックが、「音質は悪くないけど、なんとなく平坦でつまらない」「プロの曲のような躍動感がない」と悩んでいるなら、ぜひTANTRA 2をマスターバスやシンセバスに挿してみてください。
複雑に絡み合うモジュレーションとエフェクトが、あなたの楽曲に有機的な「脈動(Pulse)」を与え、聴く人の身体を揺らすグルーヴを生み出してくれるはずです。 そして何より、このプラグインを触っている時間は単純に「楽しい」です。 理屈抜きにツマミを回し、ランダムボタンを押し、予期せぬ音との出会いを楽しむ。そんな音楽制作の根源的な喜びを思い出させてくれるツールでもあります。
ランダムボタンを一度押せば、もうその魅力から逃れられなくなるでしょう。 あなたのDAWの中に、この無限のインスピレーション・マシーンを導入してみてはいかがでしょうか?
DS Audio Software TANTRA 2
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