70年代の音楽は、ロック、ディスコ、ファンク/ソウルが花開いた時代で、反骨精神あふれるエネルギッシュなサウンドが特徴です。アナログ録音の温かみ、グルーヴ重視のリズム、拡張されたコードが象徴的。初心者の方は、DAW(例: Ableton LiveやLogic Pro)を使ってシンプルに始めましょう。
以下に、当時のエッセンスを再現するためのポイントをまとめます。まずは基本的なコード進行とサウンドから入り、生産テクニックで仕上げます。
目次
1. 当時を象徴するコード進行
70年代のコード進行は、シンプルながらセブンスやナインスなどの拡張コードを加えて深みを出すのがコツ。ジャンル別に初心者向けの例を挙げます。DAWのピアノロールで試してみて、繰り返しを意識してください。
| ジャンル | 象徴的なコード進行(例: Cメジャーキー) | 特徴と使い方(初心者Tips) | 代表曲例 |
|---|
| ロック | I – IV – V (C – F – G) vi – IV – I – V (Am – F – C – G) | ブルース由来の力強い進行。セブンス(例: G7)を加えてロックらしく。メジャー/マイナーの切り替えでドラマチックに。 | Led Zeppelin “Stairway to Heaven” |
Led Zeppelin “Stairway to Heaven” (1971年リリース)
| ジャンル | 象徴的なコード進行(例: Cメジャーキー) | 特徴と使い方(初心者Tips) | 代表曲例 |
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| ディスコ | ii – V – I (Dm – G – C) メジャー + 相対マイナー(C – Am) | 繰り返しやすく、ダンス向き。インバージョン(コードの音順変更)でスムーズに繋げて。 | Bee Gees “Stayin’ Alive” |
Bee Gees – Stayin’ Alive ( 1977年リリース)
| ジャンル | 象徴的なコード進行(例: Cメジャーキー) | 特徴と使い方(初心者Tips) | 代表曲例 |
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| ファンク/ソウル | i – IV (Cm – F) iv minor – v minor – i major (F#m – Gm – C) ii – V – I (Dm9 – G13 – Cmaj9) | シンクロペーション(オフビート)を加え、9th/13th拡張でグルーヴィに。ルートレス(ルート音抜き)ボイシングで軽やかに。 | James Brown “Sex Machine” / Stevie Wonder “Superstition” |
James Brown – Sexmachine ( 1969年リリース)
Stevie Wonder “Superstition” ( 1972年リリース)
2. 当時を象徴するサウンド
70年代のサウンドは、アナログの温かみと生楽器の質感が鍵。歪みやリバーブを控えめに使い、ドライ(乾いた)なミックスが特徴です。
- ロック:
歪んだエレキギター(例: Fender Stratocasterのクランチサウンド)、パワフルなドラム(4/4ビートにクラッシュシンバル)。ボーカルはラフで感情豊か。
- ディスコ:
ストリングスやブラス(ホーン)のファンキーなアクセント、Fender Rhodesのエレクトリックピアノ。4-on-the-floor(キックが4拍目まで連続)のビートでダンサブル。
- ファンク/ソウル:
チキンスクラッチ(ミュートストラミング)のギター、ウォウォーペダル効果、Rhodesやクラビネットのキーボード。ベースラインのシンクロペーションがグルーヴの核。
ファンクコードの詳細例(初心者向けガイド)
ファンクのコードは、70年代のグルーヴィなサウンドの核で、基本的なメジャー/マイナーチャードに9th、11th、13thなどの拡張音を加えて「ファンキー」な響きを出します。
特徴はルートレスボイシング(ルート音を省略して軽やかにする)とシンクロペーション(オフビートのリズム)で、ベースやギターがコードを支える形が一般的。初心者さんは、DAWのピアノロールでこれを試して、テンポ110-120BPMでループ再生しながら耳で調整してください。
理論よりフィーリング重視!以下に、具体的なコード進行の詳細例をまとめました。Cメジャーキー基準で、ボイシング(音の並び方)の例も記載。各進行は4-8小節繰り返しで使えます。
| 進行例 | コード詳細(Cメジャーキー) | ボイシング例(ピアノ/ギター向け、ルートレス推奨) | 特徴と使い方(初心者Tips) | 代表曲例 |
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| 1. 基本I-IV-V変形 (シンプルでジャム向き) | I9 – IV13 – V9 (C9 – F13 – G9) | C9: E-G-Bb-D (3rd-5th-b7th-9th) F13: A-C-Eb-G-Bb-D (省略版: A-C-Eb-G) G9: B-D-F-A | ブルース由来をファンキーに。9th/13thで拡張し、ギターはミュートストラムでチキン・ピッキング。DAWで9th音をアクセントに。 | James Brown “Papa’s Got a Brand New Bag” |
| 2. ii-V-Iジャズ風 (ソウルフルな緊張感) | ii9 – V13 – Imaj9 (Dm9 – G13 – Cmaj9) | Dm9: F-A-C-E (ルートD省略) G13: B-D-F-A-C-E (省略: B-D-F-A) Cmaj9: E-G-B-D | ウォーキングベースと合わせ、13thでリッチに。オフビートでコードチェンジをずらすとグルーヴUP。MIDIツールで自動ボイシング生成。 | Stevie Wonder “Superstition” |
| 3. マイナー進行(i-IV) (ダークでヘビー) | i9 – IV9 (Cm9 – F9) | Cm9: Eb-G-Bb-D (ルートC省略) F9: A-C-Eb-G | 繰り返しでループし、クラビネット風キーボードで。セブンスを強調して緊張を保つ。EQで中域ブースト。 | Parliament “Give Up the Funk” |
| 4. クロマチック走上 (ダイナミックなビルドアップ) | iim9 – iiim9 – IVmaj7 (Dm9 – Em9 – Fmaj7) | Dm9: F-A-C-E Em9: G-B-D-F# Fmaj7: A-C-E-G | 半音上がりの流れでエモーショナル。ストリングスをレイヤーして70s風に。初心者はスケール(Dorianモード)でメロディ追加。 | Herbie Hancock “Chameleon” |
| 5. 9thシークエンス (ギターリフ向き) | F9 – G9 – F#9 – F9 (繰り返し) | F9: A-C-Eb-G G9: B-D-F-A F#9: A#-D-E-G# (省略版) | クロマチック移動でファンキー。ギター中心に、ウォウォーエフェクトで。テンポを速めに(130BPM)。 | Kool & The Gang “Jungle Boogie” |
ボイシングのポイント(共通Tips):
- ルートレス: ベースがルートを弾く前提で、3rd(メジャー/マイナー判定音)から積み上げる。例: C9ならE(3rd)-G(5th)-Bb(b7th)-D(9th)。
- 拡張音の役割: 9th(甘い響き)、13th(ジャジー)、11th(テンション)。初心者はDAWのコードプラグイン(例: Scaler 2の無料版)で視覚的に確認。
- リズム: コードを16分音符で刻み、アクセントを2・4拍に。スウィングを15%加えてオフビートを。
DAWでの実装ステップ(初心者向け)
- 進行入力: 上記の例をピアノロールに描く。拡張コードは「C9」などで検索。
- ボイシング調整: 音域を中高域(C3-G4)に絞り、重ねないようベロシティ(音量)を変える。
- グルーヴ追加: ドラムにファンクプリセット(例: Addictive Drumsの70sキット)を使い、ベースラインをシンクロ(例: ルート+5thのウォーキング)。
- エフェクト: 軽いコンプ(アタック遅め)とサチュレーションでアナログ風。A/Bで原曲と比較。
- 実験: 1つの進行から始め、インバージョン(コードの音順変更)でスムーズに繋げてみて。
これでファンクのエッセンスが掴めます! もっと具体的なMIDIファイル例が欲しい場合や、特定の曲の分解を教えてください。制作がんばって!
3. 再現テクニック(ステップバイステップ、初心者向け)
DAWで簡単に70s風にするための手順。過度にエフェクトをかけず、シンプルに保つのがコツ。
- ビート構築(グルーヴの基盤):
- キックを1・3拍、 snaresを2・4拍に配置(4/4、120BPMスタート)。
- スウィング(16分音符にオフビート)を10-20%加えてファンキー。プラグイン: Groove Agentの70sプリセット。
- コードとメロディ入力:
- 上記の進行をピアノロールで描く。拡張コード(7th/9th)はDAWのコードツールで自動生成。
- メロディはペンタトニック・スケール(例: Cメジャーペンタ)でシンプルに。ボーカル録音時はラフに(ポップフィルター不要)。
- 楽器レイヤリング:
- ベース: ルート音中心のウォーキングライン(例: Ampeg SVTエミュ)。
- ギター/キーボード: 軽い歪み(Saturationプラグイン)とEQで中域(2kHz)をブースト。
- ストリングス/ブラス: 軽いディレイで空間を(ArturiaのMellotron VST)。
- ミックスとエフェクト:
- EQ: ハイを5kHz以上ロールオフ(アナログ風に暗く)。低域はキック/ベースに集中。
- コンプレッション: スローアタック/ファストリリーズで自然なダイナミクス(例: SSL Compressorプラグイン)。
- リバーブ/サチュレーション: プレートリバーブを控えめに(ボーカル/ギターのみ)。テープサチュ(例: iZotope RC-20の無料版)で全体にアナログ暖かみを。
- ドライミックスを目指し、ボーカルをミッドレンジで目立たせる。参考曲を並べてA/B比較。
- 仕上げと実験:
- 全体をテープエミュ(例: Waves J37)で通す。オーバープロダクションを避け、ライブ感を残す。
- 初心者ミス回避: トラックを5-8本以内に抑え、1日1セクションだけ作る。
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