音楽制作をしていると、必ずと言っていいほど耳にする「Spectrasonics Omnisphere(オムニスフィア)」という名前。
このプラグインは、プロの作曲家・サウンドデザイナーから絶大な支持を得ているソフトウェアシンセサイザーです。
今回は、Omnisphereとは何か?その特徴や使い方、他のプラグインとの違いをわかりやすくご紹介します。
目次
Omnisphereとは何か?
Spectrasonics Omnisphereは、アメリカの音源メーカー「Spectrasonics」が開発したフラッグシップ・シンセサイザー音源です。
Omnisphereは膨大なプリセットと高度なサウンドエンジンを兼ね備え、シンセサイザーとサンプラーのハイブリッド音源として知られています。
最大の特徴は、「リアルな生楽器音」と「電子的なシンセ音」がひとつのプラグインで扱えること。
ピアノやストリングス、ギターなどのアコースティックサウンドから、映画のような壮大なパッドやリードまで、ありとあらゆるジャンルに対応できます。
「Omnisphere」は非常に価格の高いシンセですが、使い切れないほどの膨大なプリセットが用意されていて、コレ一つで何でもできると言わしめる音源です。
Omnisphereを導入する理由と個性的な特徴
Omnisphereが多くのプロに選ばれる理由は、以下の3点に集約されます。
1. 14,000以上の膨大なプリセット音色
Omnisphereには14,000を超えるプリセットが収録されており、インスピレーションを瞬時に得られる環境が整っています。
「映画音楽」「エレクトロ」「アンビエント」「ポップス」「メタル」など、どんなジャンルにもマッチする音がすぐに見つかります。
例えば、シンフォニックメタルを制作している人なら、「Strings + Atmospheric Pad」を組み合わせるだけで壮大なシネマティックサウンドを作ることができます。
2. 独自の“STEAM”サウンドエンジン
Omnisphereのコアを支えるのが、Spectrasonics独自のSTEAMエンジン。
アナログ的な温かみと、デジタル的な精密さを両立した音作りが可能です。
波形を重ねたり、フィルターやモジュレーションを自在に操ったりと、音作りの自由度が圧倒的に高いのが魅力です。
3. 外部ハードウェアとの連携
Omnisphereは、MoogやRoland、Korgなどのハードシンセと連動する機能を持っています。
これにより、実際のハードウェアのツマミ操作がOmnisphere内のパラメータに反映され、ハードとソフトの中間のような操作感を味わえます。
Omnisphereの効果的な使い方と向いている音楽ジャンル
Omnisphereは「どんなジャンルにも合う万能型シンセ」ですが、特に効果を発揮するのは以下のジャンルです。
- 映画・ゲーム音楽(壮大なパッド、雰囲気あるドローン)
- エレクトロニカ・アンビエント(深みのあるサウンドスケープ)
- シンフォニックメタルやポストロック(重厚で幻想的な雰囲気)
- ポップス・EDM(存在感のあるリードやベース)
実践例として、例えば曲のイントロに「Dream Voices」カテゴリのパッドを使うと、一瞬で神秘的な空気感を作ることができます。
また、リード音に「Analog Edge」などのプリセットを重ねると、迫力のあるメロディラインを演出できます。
旧バージョンとの違い
現在の最新バージョンであるOmnisphere 2では、初代から大きく進化しています。
- サウンド数が倍増(8,000 → 14,000以上)
- ユーザーサンプルの読み込み対応
- グラニュラー合成機能が追加
- アルペジエーターの強化(リズムパターンやスイング設定が可能に)
- インターフェイスの改良(視覚的にわかりやすいレイアウト)
特に「ユーザーサンプル対応」は大きなポイントで、自分の録音素材を取り込んで、Omnisphereのフィルターやエフェクトで加工できます。
つまり「サンプラーとしても使えるシンセ」になったのです。
Omnisphere3について
2025年10月17日,待望のVer.3となる「Omnisphere 3」が発表されました。発売は2025年10月21日
SpectrasonicsはKEYSCAPE、TRILIANといった著名な音源も扱っています。
Omnisphere3 新機能
- 新しいサウンド/ライブラリ拡張
- ロスレス最適化
- アダプティブ・グローバルコントロール
- MPEサポート
- Newエフェクト
類似プラグインとの比較
| プラグイン名 | 特徴 | 向いているジャンル |
|---|
| Spectrasonics Omnisphere | 生楽器×シンセのハイブリッド。音数・質感ともに最高峰 | オールジャンル対応 |
| Arturia Pigments | ビジュアル重視のモダンシンセ。直感的な操作 | EDM・エレクトロ |
| Native Instruments Massive X | 太く攻撃的なサウンド | EDM・ドラムンベース |
| Xfer Serum | 透明感あるウェーブテーブル音源 | Future Bass・Dubstep |
これらと比べると、Omnisphereは「音の世界観を作り込むことに特化」しており、単なるシンセではなく“サウンドデザインツール”としての価値が際立ちます。
まとめ
Spectrasonics Omnisphereは、
「一つのプラグインであらゆる音を作りたい」
「曲の世界観を深く表現したい」
という方に最適なシンセサイザーです。
初心者でも、まずはプリセットを選んでいくだけでプロクオリティのサウンドに近づけます。
一方で、上級者はモジュレーションやエフェクトを駆使して無限の音作りを楽しむことができます。
音楽制作において、Omnisphereは“万能かつ唯一無二の相棒”となる存在です。
まだ触れたことがない方は、ぜひ一度体験してみてください。
その圧倒的な音の世界に、きっと驚かされるはずです。
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