MONTAGEM DIREÇÃO スタイルの作り方!アグレッシブなPhonkビートをDAWで再現する方法

あの重くて圧倒されるようなフォンクのビートを作りたいのに、どこから手をつければいいかわからない……
「Phonkは好きだけど、自分で作ろうとするとなんか軽い」「808をいじってもあの迫力が出てこない」そういう悩み、わりとよく聞く。
フォンクの中でも特にアグレッシブな方向性を打ち出して一気にバイラルしたのが MONTAGEM DIREÇÃO というスタイル。
DJ FKU × farofinat beats × DJ Samirによる「MONTAGEM DIREÇÃO(Brazilian Funk + Phonk)」は2025年8月のリリースから数週間で1,000万ストリームを超えた。Gaming PhonkやBeast Mode Phonkのプレイリストに続々と追加されるような、あの「押しつぶされる感」のあるサウンドだ。
この記事では、MONTAGEM DIREÇÃOスタイルのPhonkビートをDAWで再現するための具体的な手順を解説する。ジャンル全体の説明はフォンクとは?ブラジリアンPhonkの作り方にまとめてあるので、ここでは「あのアグレッシブな質感をどう作るか」の技術面に絞っていく。
MONTAGEM DIREÇÃO スタイルとはどんなサウンドか
MONTAGEM DIREÇÃO の最大の特徴は、808の歪みと圧縮感を徹底的に前に出した音の壁だ。
Brazilian Funk(ブラジリアンファンク)のエネルギーとPhonkのダークネスが合わさった設計で、「タンボルザン」のようなリズム的なユニークさよりも、音の密度と重さがアイデンティティになっている。
具体的に言うと:
- 歪んだ808が低域を支配し、音程感と圧迫感を同時に持つ
- テンポは速め(140〜155 BPM前後)で、攻撃的に前進する感覚
- ドラムは「叩きつける」ニュアンスのキックとスネアが柱
- メロディはダークなマイナーキーの短いループ、主張しすぎない
- 全体がサチュレーションとクリッピングで統一された「圧縮された質感」を持つ
ジムやゲーム系のプレイリストで好まれる理由は、この「とにかく前に出てくる低域とビート」にある。ミックスの中で埋もれない音の太さ、これがこのスタイルの核心だ。
制作環境の準備
特定のDAWを強制するものではないが、以下があると作業がしやすい。
- DAW:FL Studio・Ableton Live・Logic Pro など
- 808音源:サイン波ベースの808(各DAW付属で可)または無料808サンプルパック
- ディストーション/サチュレーション:歪み系プラグイン(DAW付属でも可)
- コンプレッサー:サイドチェイン対応のもの
- ビットクラッシャー:ハイハットやパーカッションの質感を落とすため
Step 1:BPMとプロジェクト設定
BPM:140〜155
MONTAGEM DIREÇÃOスタイルはPhonkの中でも速めの部類に入る。140 BPMはPhonkの大半のスタイルに対応できる中間地点で、最初はここから試してみるのが安全。155前後まで上げると一気にアグレッシブ感が増すが、808のピッチを追うのが難しくなる。ビートを組んでから「なんか軽い」と感じたらテンポを2〜3 BPM上げるだけで印象が変わることがある。
キーはCマイナー・Aマイナー・Dマイナーあたりが使いやすい。ダークな印象を保ちながら808のピッチを合わせやすい。
Step 2:808ベースの構築と歪み処理
MONTAGEM DIREÇÃOスタイルを決定づける最重要要素がここ。
808の基本音作り
シンセでサイン波を出発点にする。DAW付属のシンプルなシンセで十分で、オシレーターをサイン波1本に設定し、低域の音程感を作る。ピッチエンベロープで「アタック時に音程が落ちていく」動きを付けると808らしさが出る。ADSRのDecayを長めに設定(200〜400ms)して、キックと一緒に鳴った後も音程が維持される時間を作る。
歪み処理チェーン
MONTAGEM DIREÇÃOサウンドの核心がここ。以下の順で処理する:
- サチュレーション:まずチューブサチュレーターで倍音を加える。クリーンな808だけでは低域しか聞こえないが、サチュレーションで中域に倍音が生まれ、小さなスピーカーでも音程感が伝わるようになる
- クリッピング/ディストーション:ソフトクリッピングを軽くかけ、808に「押しつぶされた」質感を加える。歪みすぎると音程感が消えるので、かかり具合を聴きながら調整
- EQ:60〜80 Hz付近を持ち上げてサブ帯域を強調。200〜400 Hzは少し削って音のモコつきを取る
サイドチェイン
キックに合わせて808のレベルが微妙に動くよう、サイドチェインコンプレッションをかける。Ratio 4:1〜8:1、Attack 5〜10ms、Release 80〜150msが出発点。808がキックに負けず、かつ混濁しないバランスを探る。
Step 3:ドラムパターンの構築
キック
拍1と3に配置するのが基本。MONTAGEM DIREÇÃOスタイルでは「叩きつける」ニュアンスのパンチの強いキックを選ぶ。60〜80 Hz帯に芯があり、アタックが鋭いもの。オフビートに追加ヒットを入れてグルーヴを出す。
スネア&クラップ
拍2と4。スネア単体だと薄いことが多いので、クラップと重ねて音の密度を上げる。こちらもグリッドから若干ずらすことでヒューマンな揺れが出る。
ハイハット
16分音符の閉じたハイハットをベースに、開いたハイハットをアクセントとして配置。ビットクラッシャーを薄くかけるとデジタルなざらつきが生まれ、フォンク特有のLo-Fi的質感が出る。ベロシティに強弱をつけると動きが出てくる。
カウベル
Phonkの定番要素。MONTAGEM DIREÇÃOスタイルではそこまでカウベルを前に出さないことも多いが、リズムのアクセントとして軽く入れると「フォンクらしさ」が増す。メロディーラインの短いフレーズとして使ってもよい。
Step 4:ダークなメロディループの作り方
MONTAGEM DIREÇÃOスタイルのメロディは「ビートの邪魔をしないが雰囲気を決める」役割を担う。
メロディの特徴
- マイナーキーで短いフレーズ(1〜2小節ループ)
- ノート数は少なめ。複雑なメロディより「繰り返しによる催眠効果」を意識する
- ダークなシンセパッド、ストリングス系、またはサンプルチョップを使う
処理のポイント
- ローパスフィルター:高域を落として全体を暗く重くする。カットオフを2〜4 kHz付近に設定し、ブリリアントな高音成分を消す
- リバーブ:適度な広がりを出すが、かけすぎると808と干渉する。短めのルームリバーブかプレートリバーブ
- テープサチュレーション:メロディラインにも軽くかけると808との「同じ空間」感が出る
Step 5:エフェクト処理で質感を統一する
MONTAGEM DIREÇÃOスタイルの重要な要素は「全体がひとつの質感でまとまっている」こと。
マスターバスの処理
- マルチバンドコンプレッサー:低域・中域・高域それぞれをコントロールして全体のまとまりを作る
- テープエミュレーション:RC-20 Retro ColorやVHSエミュレーター系で「アナログっぽい劣化」を全体にかける。これだけで別物のようにフォンク感が出る
- リミッター:-1〜-0.5 dBFSにラウドネスを整えて、配信で音が負けないレベルにする
クリッピングの活用
マスターの最終段階でソフトクリッパーを使うとラウドネスを稼ぎながら音の密度感が増す。MONTAGEM DIREÇÃOサウンドの「押しつぶされた」迫力はここからも来ている。かけすぎると歪みが目立つので、耳で確認しながら適用量を調整する。
ジャンル別応用
ゲーム系BGM・トレーラー
MONTAGEM DIREÇÃOスタイルはゲーム系プレイリストとの親和性が最も高い。BPMを145〜155に設定し、808の歪みを強調したバージョンはモンスター系・アクション系のBGMとして使いどころがある。メロディを抑えめにしてビートとベースを前に出す構成が映えやすい印象。
ボディウェイト系コンテンツ・フィットネス動画
Gym PhonkプレイリストにMONTAGEM DIREÇÃOが入っている理由は、140 BPM以上のテンポと低域の圧力感が「運動中に気持ちよく感じる」からだと思われる。フィットネス系のSNS動画BGMとしての使いどころは大きい。
TikTok・Reels系ショート動画
バイラルしたスタイルなので、ショート動画のBGMとして使うと「知っている感」が共感を呼ぶことがある。ただし、アグレッシブすぎる音はコンテンツを選ぶ。エネルギー系・スポーツ系・モチベーション系のコンテンツとの相性が特に良い。
どんな人に向いているか
- アグレッシブ系・Gym PhonkスタイルのPhonkを作りたいDTMer ── MONTAGEM DIREÇÃOサウンドを目指す上で最も直接的な参考になる
- 808の歪み処理に慣れてきた中級者 ── サチュレーション・クリッピングの使い方を理解しているとこのスタイルの理解が早い
- ゲーム系・フィットネス系コンテンツのBGMを作っている人 ── スタイルとコンテンツの相性が高く実用性がある
- Brazilian Phonkの作り方記事を読んで、さらに踏み込みたい人 ── フォンクとは?ブラジリアンPhonkの作り方の次のステップとして読んでほしい内容
逆に、Lo-Fiやチルウェーブのようなゆるいフォンクを作りたい人には方向性が違うので、スタイルを確認してから試してほしい。
FAQ
- MONTAGEM DIREÇÃOとBrazilian Phonkの違いは何ですか?
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Brazilian Phonkは「Phonk+ブラジルのストリートミュージック文化(バイレファンキ)」の融合ジャンル全般を指す言葉です。MONTAGEM DIREÇÃOはその中でも特にアグレッシブ性と808の重さを前面に出したスタイルです。タンボルザン(バイレファンキ特有のリズムパターン)よりも、歪んだ808と圧縮感のある音の壁を作ることが主眼になっています。詳しいジャンルの背景はフォンクとは?ブラジリアンPhonkの作り方も参照してみてください。
- 808の音程がうまく作れません。コツはありますか?
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808はピッチエンベロープで「アタック時に音程が一瞬上がってから落ちる」動きをつけると本物らしさが出ます。また、サチュレーションをかける前と後で音程感が変わることがあるため、処理後に改めてピッチを確認するのがポイントです。DAWのピアノロールで意図したキーにノートを配置し、サイドチェインとの兼ね合いでダイナミクスを整えてから最終的な音程を決めると作業しやすいです。
- どのDAWで作るのがおすすめですか?
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FL StudioはStep Sequencerとパターンベースの制作がPhonk系ビートとの相性がよく、多くのPhonkプロデューサーが使っている印象です。ただしAbleton LiveやLogic Proでも問題なく制作できます。使い慣れているDAWで始めて、808処理とドラムパターンの組み方を覚えることの方が優先度は高いです。
- 無料のサンプルパックで作れますか?
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808サンプルとドラム系は無料配布のものが多く、Splice・Looperman・ splice.comで「808 phonk」「phonk drums」で検索するとすぐ見つかります。ただしMONTAGEM DIREÇÃOスタイルの重要な要素は「808の処理方法」にあるので、サンプルの質よりもディストーション・サチュレーションの使い方を習得することが先決です。
- テンポは必ず140〜155 BPMでなければいけませんか?
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このスタイルのエネルギー感には140 BPM前後が合っている印象ですが、絶対的な規則はありません。135 BPM以下になるとPhonk Houseやチルフォンク寄りの雰囲気になり、160 BPM以上ではドリフトフォンクやスピードコア的な方向に近づきます。MONTAGEM DIREÇÃOのアグレッシブな質感を出したいなら140〜155の範囲が最も適していると思われます。












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