10月のおすすめDTMセールは「 アナログモデリング特集! 」

UAD FATSO Tape Simulatorセール!ミックス全体に温かみを与えるテープエミュレーター

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UAD FATSO ネイティブ版が登場して、UADのハードがなくても使えるようになりました。

「Empirical Labs FATSO Tape Simulator」(以下FATSO)は、コンプ、テープのような飽和感、高域のまろやかさを1つのインサート(トラックやバスに挿すスロット)でまとめて扱えるプラグイン。これまでは「Apolloがないと使えない側」で、UADに興味があっても見送っていた人が多かったはずです。

Empirical Labs FATSO Tape Simulator

最初に気になったのが、導入の軽さ。無料のアカウントとアプリがあれば始められるので、ハードを買う前提だった頃とは入口がまるで違います。

目次

UAD FATSO ネイティブ版で何が変わったのか

FATSO の実機解説

最初に言葉を整理します。

  • DSP:音声処理専用のチップ。UAのApolloやUAD-2に載っていて、プラグインの計算をパソコンの代わりに引き受ける
  • Apollo:DSPを内蔵したUAのオーディオインターフェース
  • UAD-2:DSPを積んだUAのアクセラレーター機器。プラグインの処理だけを肩代わりする
  • ネイティブ(UADx):パソコンのCPUで動くバージョン。UAはこのシリーズを「UADx」と呼んでいる

これまでのFATSOは、ApolloかUAD-2のDSPで動くDSP版だけでした。ネイティブ版は、UAのプレスリリースによると2026年10月13日にMacとWindows向けとして発表されています。

DSP版とネイティブ版の違い

項目DSP版ネイティブ版(UADx)
処理する場所ApolloやUAD-2のDSPパソコンのCPU
UAのハード必要不要
サウンドネイティブ版と同じDSP版と同じ
プリセットネイティブ版と互換ありDSP版と互換あり
追加の費用─DSP版の所有者は$2.99で追加できる

サウンドは、UAの製品ページに「ネイティブ版はApolloユーザーが長年使ってきたDSP版と同じサウンド」とあります。変わるのは処理する場所だけ、という整理です。

DSP版を持っているなら、ネイティブ版は$2.99で追加できる

すでにApolloのDSP版FATSOを持っている人には朗報です。UAのプレスリリースでは、DSP版の所有者はネイティブ版へ$2.99でアップグレードできるとされています。

メリットは、ノートPCや外出先でも同じFATSOを開けること。プリセットが互換なので、UAD-2時代のセッションの設定も持ち込めます。Apolloで録るときはDSP版、ハードのない環境ではネイティブ版と、同じ設定のまま行き来できるわけです。

Apolloで録り込むならDSP版、ミックスならネイティブ版

UAの製品ページのFAQでも、使い分けが案内されています。Apolloを通して録音しながらFATSOの色を録り込むならDSP版、ハードのない環境でミックスするならネイティブ版です。

ハードを持っていない人は、迷わずネイティブ版でOK。Apolloを持っている人も、ミックス用にネイティブ版を足すと、DSPの空きを気にせず何台でも立ち上げやすくなると思われます。

UAD FATSO ネイティブ版の導入手順

Plugin Boutiqueの表記では、動作条件は次のとおりです。

  • OS:macOS 11(Big Sur)〜26(Tahoe)、Windows 10/11(64bit)
  • CPU:Intel、AMD、Apple silicon
  • 形式:VST3、AU、AAX
  • 必要なもの:インターネット接続、無料のiLokアカウント、無料のUA Connectアプリ

流れは次の4ステップです。

1. 無料のiLokアカウントを作る 2. Plugin BoutiqueかUAストアで購入する 3. UA Connectアプリをインストールして、アカウントでサインインする 4. UA Connectの案内に沿ってネイティブ版を認証し、DAWで読み込む

iLokは、ソフトのライセンスを管理する仕組みです。USBキーは必須ではありません。USB版のiLok(第2世代以降)を持っているなら、そちらも使えます。

認証の手間は多少ありますが、ハードを買い足す話に比べれば軽いもの。UAの他のネイティブ版プラグインをすでに使っている人は、同じ環境がそのまま使えるはずです。

UADのネイティブ版が増えてきた流れの中で

UADxは、FATSOだけの話ではありません。同じEmpirical Labsの兄弟機であるEL8 Distressorにも、すでにネイティブ版があります。UAの製品ページでも、ネイティブ版とApollo/UAD-2版は同じエミュレーションで、違いは処理する場所だと説明されています。

FATSOは、UAのサブスクリプション「UAD Spark Studio」にも含まれていて、FATSOのほかに70本のネイティブ版プラグインとLUNAがまとめて使えます。FATSOだけ欲しいなら単体、他のUADxもたくさん使いたいならサブスク、と使う本数で考えると決めやすいです。どのバンドルにどのプラグインが入るかは、キャンペーンごとに変わります。UADのネイティブ版バンドルの違いはUAD Native Bundles比較|Classics・Producer・Studio・Proはどれを選ぶ?4種類の収録内容と選び方、セール全体の動きはUADプラグインセール【2026年9月最新】おすすめは?迷ったらコレ!で整理しています。

後悔しないUADバンドルの選び方!UAD Build Your Own Bundleで選ぶべき「黄金の10選」では、2026年3月の更新時点で、FATSOをDSPハード必須のタイトルとして挙げていました。バンドル側の対象は時期で変わるので、FATSOだけが欲しい人は、単体のネイティブ版を選ぶのが一番わかりやすいと思います。

FATSOの中身をひとことで

詳しい機能解説は省いて、使い分けに必要なところだけ。

FATSOは、Empirical Labs創業者のDave Derr氏が設計したハード機材が元で、プラグイン版はUAが開発し、Derr氏が監修しています。操作は、Inputで飽和を深め、Warmthで高域をまろやかにし、Trannyで低音に倍音(音に厚みを足す高次の成分)を足し、Buss/G.P./Tracking/Spankの4つのコンプモードから選ぶ流れ。

JrはハードのFATSOの操作系を再現した版で、Srはスレッショルド(圧縮が始まる音量)やアタック(かかり始めの速さ)、リリース(戻る速さ)まで触れる拡張版です。両方が入っています。

手持ちのStuder A800・Ampex ATR-102とUAD FATSOの使い分け

すでにテープ系のUADプラグインを持っている人ほど、「新しく足す意味はあるの?」と迷うところです。ここは、役割を具体的に見ていきます。

【半年使ってみた】UAD Studer A800 Tape Recorderレビュー!で触れたとおり、A800はデフォルトのプリセットのまま挿すだけで、テープらしいローファイな質感が乗り、デジタルの硬さがなじむタイプ。ロゴをクリックして出るHF/LFのトリム画面で、質感を軽く整えられます。

UAD Ampex ATR-102 レビュー!マスタリング向けの自然な変化を加えてプロのようなアナログ感が出せるテープマシンは、テープの種類、キャリブレーション、テープ速度、ヘッドまで選べる作り込み型。中域が前に出て、少し年季の入った厚みが加わる印象で、ロック系のミックスをまとめるのに向いていました。一方で、クリアに仕上げる方向や、激しく歪ませる用途には向きません。

この2本はどちらも、テープレコーダーそのものを再現したタイプ。役割は「ミックス全体に、テープに通したような質感を足す」ことです。

FATSOは、テープレコーダーではなく、テープ風の飽和と圧縮をひとまとめにした装置が元。つまり、コンプで勢いを整えながら、同時にInputで歪みを足せます。

整理するとこうなります。

  • ドラムバス、ボーカル、ギターなどのトラックやグループ:FATSO。圧縮と飽和を同時に決められる
  • ミックスバスの最後:A800かATR-102のどちらか1つ。質感づけの仕上げとして使う
  • ミックスバスにFATSOを使う日:その段のA800/ATR-102は外す。テープ系の飽和が重なると、何が効いているのか分かりにくくなるため

「録音機の質感」と「圧縮込みの勢い」は、別の引き出しです。手持ちのテープ系が質感づけ中心なら、FATSOを足す価値は十分あります。逆に、すでにバスコンプとサチュレーターをトラック単位で使い分けている人は、役割がかぶるかもしれません。

テープ系プラグイン全体の選択肢は、テープマシンシミュレータープラグインおすすめは?でまとめています。

UAD FATSO ネイティブ版のメリット・デメリット

メリット

  • パソコンだけで完結し、UAのハードを用意しなくていい
  • DSP版と同じサウンドで、プリセットも互換がある
  • DSP版の所有者は$2.99で追加でき、ノートPCでも同じ設定を開ける
  • 無料のiLokアカウントで認証でき、USBキーは必須ではない
  • コンプ、飽和、高域の丸めを1枚で扱えるので、ドラムバスのチェーンを短くしやすい

デメリット

  • Inputは飽和と圧縮の両方に効く。圧縮なしで歪みだけ欲しい場面では、コンプ側を切る一手間がかかる
  • 導入には、iLokアカウントとUA Connectアプリの準備が必要
  • 透明に整える用途が中心の人には、方向性が合わない
  • ネイティブ版はCPUで動くため、トラック数が多いセッションでは負荷を見ながらの運用になる

ジャンル別の使いどころ

ヒップホップやビートメイクなら、ドラムループやサンプルをまとめて通して、太さとザラつきを足す使い方が合うと思われます。ベース用のバスでTrannyを少し上げると、小さなスピーカーでも低音が聴き取りやすくなる印象です。

ロックでは、ドラムバスがメインの使いどころ。Spankを重ねると、前に飛んでくる音になると思われます。歪んだギターには、Warmthで耳に刺さる帯域だけを丸める使い方が向いています。

歌ものでは、ボーカルにTrackingを選び、Inputを控えめにして芯を足すのが入り口。ローファイやEDMでは、キックやシンセに軽く通して、デジタルらしさをやわらげる使い方が考えられます。

どんな人におすすめ?

  • UADに惹かれつつ、ハードの出費がネックで見送ってきた人
  • UAD-2やApolloのDSP版を持っていて、ミックスはノートPCやハードのない環境でも続けたい人
  • トラック単位で、圧縮と歪みを1つのプラグインで決めたい人
  • A800やATR-102はあるけれど、ミックスの勢いが足りないと感じている人

すでに似た役割のプラグインを何本も使いこなしている人は、今回は見送って構いません。

UAD FATSO ネイティブ版のセール情報

2026-10-20時点のPlugin Boutique表記は、¥13,756(通常¥25,944)です。割引率は「46% off」と表示され、期限は2026年11月1日です。購入特典として、Melodyne 5 Essential、Synthesizer V Studio 2 Core、Moogerfooger MF-109S Saturatorの3本が並んでいます。受け取り条件は商品ページで確認してください。

UAの発表では、導入価格は$79、通常価格は$149です。円で買うなら、Plugin Boutiqueの価格で比べるのが分かりやすいと思います。

特典付きで入口の価格が下がっている今は、買い時のひとつ。価格や期限は変わることがあるため、最新の情報は商品ページで確認してください。

Empirical Labs FATSO Tape Simulatorの価格を確認する|Plugin Boutique

メーカーの製品情報はUniversal AudioのFATSOページにあります。

FAQ

Q. DSP版を持っている場合、ネイティブ版はいくらで追加できますか?

UAのプレスリリースでは、DSP版の所有者は$2.99でネイティブ版にアップグレードできるとされています。プリセットも互換があるので、UAD-2時代の設定をそのまま引き継げます。

Q. LUNAやAAX対応のDAWでも使えますか?

使えます。プラグイン形式はVST3、AU(Macのみ)、AAXで、UAの録音システムであるLUNAにも対応しています。Apple siliconのMacでも動きます。

Q. FATSOとEL8 Distressorは何が違いますか?

どちらもDave Derr氏が設計した機材で、UADでもネイティブ版が使えます。Distressorは、1つの音源を精密に圧縮するための専用コンプレッサー。FATSOは、圧縮に加えてテープ風の飽和とトランスフォーマーの色、高域の丸めを1つにまとめたもので、バスで温かさとまとまりを一緒に足したいときに向いています。

Q. モノラルのトラックにも使えますか?

使えます。FATSOは2チャンネルの機材が元で、ステレオでもデュアルモノ(左右を別々に処理する方式)でも動かせます。モノ入力・モノ出力で使うときは、チャンネル2のつまみは効かず、リンク機能も無効になります。

まとめ

UAD FATSOは、ネイティブ版(UADx)の登場で、UADのハードなしでMacとWindowsのCPUだけで動くようになりました。サウンドはDSP版と同じで、プリセットも互換。DSP版の所有者なら$2.99で追加できます。

導入は、無料のiLokアカウントとUA Connectアプリがあれば進められる程度の手間。手持ちのA800やATR-102は、ミックスバスの質感づけ担当のまま残して、トラックやグループの圧縮と歪みをFATSOに任せる分担がしっくりきます。

──個人的には、UADのハードがなくて見送ってきた人にこそ、特典付きの今の価格で試してほしい1本。気になる人は、商品ページで最新の価格を見てみてください。

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