ヴィンテージ感のあるコンプを挿したのはいいけれど、ステレオ素材だと低域も空間も一緒に潰れてしまう……。そんな悩みに合うのが、United Pluginsの「Royal Compressor XT」です。
Royal Compressorが2基構成になったバージョンで、Modeを切り替えると、2台に別々の役割を持たせられます。
XTの公開前にRoyal Compressorを購入した人は、United Pluginsのマイページから無料でダウンロードできます。
目次
Royal Compressor XTとは?ビートルズ時代の英国コンプをモデルにした2基構成
Royal Compressorは、ビートルズ時代の英国の古典的なコンプレッサーをモデルにした、ヴァリミュー(真空管系)のコンプです。開発はSoundevice Digital、販売はUnited Plugins。
ヴィンテージなアナログらしい質感と、気持ちのいいサチュレーション、繊細な圧縮感が持ち味です。United Pluginsの中でも、人気が安定している定番という印象。
XTは、その中身を2つ並べたバージョンです。Modeを切り替えると、2台に別々の役割を持たせられます。分け方は3通り。
- L/Rで、左右のチャンネルを別々の設定で処理する
- M/S(ミッド/サイド)で、センターと左右の広がりを別々に処理する
- Low/Highで、クロスオーバーを境に低域と高域を別々に処理する
音の方向性は、程よいヴィンテージ感と、アグレッシブなパンチのあるコンプレッション。透明に整えるタイプではなく、コンプの「色」と「勢い」を足したい人向けです。導入しやすい価格帯なので、初心者が初めて買ってみる有料コンプとしても◎。
【2026/11/30 まで Royal Compressor XT が 78%OFF】
¥12,000 ⇒ ¥2,609 (※価格は為替レートで変動あり)
1基構成だった旧版は、United Plugins Royal Compressorのレビュー記事にまとめています。
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Royal Compressor XTの構成:2台のコンプとモード切り替え
XTの2台は、どちらも完全なRoyal Compressorで、つまみは台ごとに独立しています。
Trim(全体の音量)、Input Control(入力量。上げるほど深く掛かる)、A/B/C Model、Recovery(リリースの6段階とHOLD)、Saturation、Output Attenuator(その台の出力)、Dry/Wet、Power/Solo。つまみの種類は多くないので、2台に増えても1台ぶんの考え方がそのまま使えます。
A/B/Cの3モデルの違い
A/B/Cは、手作りされたヴィンテージ機3台をモデルにした回路で、アタックと色づけが違います。
| モデル | アタック | 傾向 |
|---|
| A | 最も遅い(70ms) | 最もクリーン |
| C | 最も速い(17ms) | 最もカラフル |
Bは、AとCのあいだに位置するモデルです。Saturationはコンプの深さとは別に量を決められ、マニュアルでは実機の個性は100%に相当するとされています。
Modeで決まる、2台の役割
Modeセレクターで、2台にどの信号を渡すかを決めます。
| Mode | 1台目 | 2台目 |
|---|
| L/R | 左チャンネル | 右チャンネル |
| M/S | Mid(センター) | Side(広がり・空間) |
| Low/High | クロスオーバーより下 | クロスオーバーより上 |
Modeの「1」「2」は、元のRoyal Compressorと同じ動作のモードです。ここに合わせれば、旧版と同じ使い方ができます。
1台目・2台目それぞれのプリセット欄(P1/P2)があり、片方の設定をもう片方へ読み込めます。同じ設定を土台に、片方だけ少し変える使い方も早そうです。
Royal Compressor XTの3つの使い方:悩みに合わせて2台を分ける
L/Rで使う:左右で跳ね方が違う素材に
悩みの例は、ダブルトラックのギターや、ステレオで録ったオーバーヘッドのように、左右の片方だけ跳ねる素材。左右を連動させる一般的なコンプでは、大きい側に引っ張られて反対側まで下がります。
L/Rモードなら、1台目が左、2台目が右を受け持ち、深さもモデルもリリースも別々に決められます。左は軽め、右は深めといった具合。Soloで片方だけ聴いて確かめることもできます。
M/Sで使う:センターは安定させて、空間は残す
悩みの例は、ボーカルやキック、ベースを安定させたくてコンプを深くしたら、リバーブやルームの広がりまで潰れて平らになるケース。
M/Sモードでは、1台目がMid、2台目がSideを担当します。ボーカル・キック・ベースが居るセンターはしっかり掛けて、Sideは軽めに掛けるか、Powerで止めて掛けない。これで中央は安定したまま、空間の余韻は残せます。逆にSideを深めに掛ければ、広がりを密にまとめる方向にも使えます。公式ページでも、バスやマスタリング向きの機能とされています。
Sideを強く潰すと広がりの感じ方が変わるので、少しずつ動かして元の音と聴き比べるのが無難。M/S処理の考え方は、Black Box Analog Design HG-2MS(M/S処理ができるサチュレーター)の記事も参考になります。
Low/Highで使う:クロスオーバーで低域と高域の処理を変える
悩みの例は、ドラムバスやミックスバスで、低域のモコッとした部分だけ抑えたいのに、全体を潰すと高域まで引っ込むケース。
Low/Highモードは、クロスオーバー周波数を境に、1台目が下、2台目が上を担当する2バンドのコンプです。分割位置は変えられます。下は軽めに整えて、上にはヴァリミューらしい艶とまとまりを足す。下をクリーンなモデルA、上を色の濃いモデルCにするなど、モデルの使い分けもできます。
Powerで片方を止めれば、「低域だけ」「高域だけ」を圧縮するコンプとしても使えます。同じ発想でLow/Highの別設定ができるヴァリミュー系コンプは、Lindell Audio MU-66の記事もどうぞ。
ジャンル別の使いどころ
- ロック・バンド系:ダブルトラックのギターやドラムのオーバーヘッドにL/R。ドラムバスにはLow/Highで、キックまわりの低域だけ整える使い方が考えられます。
- ポップス・ボーカル系:ボーカルバスや2mixにM/S。センターのボーカルを安定させつつ、コーラスやリバーブのサイドは軽く残す形です。
- EDM・ヒップホップ系:ドラムバスやベースにLow/High。低域は締めて、上は艶を足す分担ができます。
- アコースティック系:ステレオで録ったアコギに、左右の差を整えるL/R。やわらかいヴィンテージ感を足したいときにも向きそうです。
Royal Compressor XTのメリット・デメリット
メリット
- L/R・M/S・Low/Highの3通りで、1つのプラグインから音を分けて処理できる
- 2台のつまみが独立していて、Soloで片方だけ聴くこともできる
- 程よいヴィンテージ感とアグレッシブなパンチがあり、効きが分かりやすい
- 導入しやすい価格帯で、XTの公開前に旧版を購入した人は無料で手に入る
デメリット
- 2台ぶんのつまみが並ぶので、旧版より画面は賑やかになる
- Linear Phaseをオンにするとレイテンシーが増える
- 色づけを前提にした音なので、透明に整えたい用途にはほかのタイプが合いやすい
初心者が初めて買う有料コンプとして◎な理由
個人的には、初心者が初めて買ってみる有料コンプとしても◎だと思っています。理由は4つあります。
- 価格が手を出しやすい:XTは導入価格¥2,609(Plugin Boutique、2026年11月30日まで)。旧版なら¥871(Plugin Boutique、2026年10月31日まで)。失敗したときのダメージが小さい金額帯です。
- つまみの種類が少ない:覚えるのはInput Control、Model、Recovery、Saturationくらい。2台でも考え方は1台ぶん。入力を上げるほど深く掛かる、というコンプの基本が分かりやすそうです。
- 効きが分かりやすい:パンチとサチュレーションがはっきり出るタイプなので、「何が変わったか」を耳で追いやすいはずです。
- 最初は旧版と同じ使い方から:Modeの「1」「2」に合わせれば、旧版と同じ使い方ができます。2基構成は、慣れてから試せば十分です。
──個人的には、程よいヴィンテージ感とアグレッシブなパンチが欲しい人の、最初の有料コンプとして◎です。
コンプの使い方そのものが不安なら、先にコンプレッサーの使い方を目的別に解説した記事を読んでおくと、つまみの意味が入りやすくなります。
似た路線のコンプを探している人は、Softube Bus Processor 670(チューブ系のバスコンプ)や、Slate Digital Virtual Buss Compressors(3種のバスコンプを1つにまとめたタイプ)の記事も見比べてみてください。コンプのあとに質感を足すなら、サウンドシェイプができるサチュレーションのUnited Plugins DarkFireも候補です。
Royal Compressor XTのセール情報(2026-10-28時点)
| 製品 | 通常価格(表示値) | セール価格 | 期限 |
|---|
| Royal Compressor XT(Plugin Boutique) | ¥12,000 | ¥2,609(PB表示78%OFF) | 2026年11月30日まで |
| Royal Compressor(Plugin Boutique) | ¥21,610 | ¥871(PB表示95%OFF) | 2026年10月31日まで |
Plugin Boutiqueで買うときのギフト特典はpluginboutiqueの最安商品でおまけプラグインをもらうやり方、ほかのセールはDTMプラグインセールの月次まとめにあります。
旧版とXT、新しく買うならどっち?
Plugin Boutiqueの価格同士で比べると、旧Royal Compressorは¥871(2026年10月31日まで)、XTは¥2,609(2026年11月30日まで)で、差額は¥1,738です。
XTのライセンスは旧版も解放すると公式ニュースにあるので、XTなら1本で両方の使い方を持てます。2基構成が不要で、単体の真空管系コンプを安く入れたいなら旧版。M/Sや帯域分割を使う可能性があるならXTです。
旧Royal Compressorは「United FREE Bundle」にも加わっています。このバンドルは広告表示つきで無料で使えるタイプで、ライセンスを購入すると広告表示が消える仕組みです。
まず旧版の音を試したい人には、こちらも選択肢になります。
どんな人におすすめ?
- 程よいヴィンテージ感と、アグレッシブなパンチのあるコンプが欲しい人
- 初めて有料コンプを買ってみたい人
- ステレオ素材やバスで、センターと広がり、低域と高域を別々に整えたい人
- XTの公開前にRoyal Compressorを購入した人(まず無料でダウンロード)
ヴァリミュー系のコンプをすでに何本も持っている人や、とにかく透明に整えたい人は、急いで買わなくても大丈夫です。
Royal Compressor XTのFAQ
- Plugin Boutiqueなど他のストアで買った場合、ライセンスはどう入れますか?
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公式FAQによると、他のストアで買った場合は、United Pluginsのサイトでアカウントを作り、購入時に受け取ったコードを登録して、ライセンスを有効にします。手順はRedeem a licenseのページにあります
- Soloはどういうときに使いますか?
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Soloは、そのユニットの信号だけを再生するスイッチです。M/SならSideだけ、Low/Highなら低域だけといったように、片方が受け持っている音を単独で聴けます。どちらが何をしているのか確かめたい、設定の途中で使うスイッチです。
- パラレルで使えますか?
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各ユニットにDry/Wetがあり、原音とコンプ後の音を混ぜられます。混ざる位置は、Input Controlのあと、Saturationの前です。強めに掛けた音を薄く混ぜる使い方が考えられます。
- 入力を上げると、音量が大きくなりすぎませんか?
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AGC(オートゲインコントロール)が、入力を上げても出力レベルが変わらないよう自動で調整します。音量が上がっただけで良く聴こえる、という状態を避けやすい作りです。各ユニットのOutput Attenuatorには影響しないので、台ごとの音量は自分で決められます。
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