映画やゲームのサントラのような、ドンと響く打楽器を曲に足したい…… でも打楽器音源は、太鼓、民族ドラム、金属、木と、欲しい音によって選ぶものがまるで違う……
そんなときに見ておきたいのが「Heavyocity Master Sessions Bundle」。
Heavyocityの打楽器ライブラリ4本をひとまとめにした、Kontakt用のバンドルです。中身はEnsemble Drums、Ethnic Drum Ensembles、Ensemble Metals、Ensemble Woodsの4本で、公式の位置づけは映画やゲームのスコアリング向け。ギターやベースは入っていません。4本とも叩く音の素材集なので、旋律や伴奏は別の音源で用意して、そこへ打楽器を足していく前提の道具です。
迷いどころは、4本とも要るのかどうか。4本は太鼓、世界の民族ドラム、金属、木と、素材ごとに音の方向が分かれています。先に「自分の曲に足したいのはどの音か」を決めておけば、買ってから「欲しかったのはこの音じゃなかった」は減らせます。
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目次
Heavyocity Master Sessions Bundleとは? 叩く音が4方向に分かれた打楽器バンドル
4本はどれも、Heavyocityのチームが自分たちで叩いて録音した打楽器のアンサンブル集。アンサンブルというのは、複数人が同時に叩いた響きを1セットにしたもので、4本合わせて36セット入っています。1つずつ叩いた音を重ねて厚みを作るのではなく、最初から人数分の響きがひとつにまとまった状態で鳴らせる作りです。
| 製品 | 音の素材 | アンサンブル数 | 発売 |
|---|
| Ensemble Drums | 太鼓、ロートム、バスドラムなど | 7 | 2014年8月 |
| Ethnic Drum Ensembles | 世界の民族ドラム | 6 | 2014年11月 |
| Ensemble Metals | 樽、ゴミ箱、レールスパイク、パイプなど | 12 | 2015年10月 |
| Ensemble Woods | カホン、竹の棒、叩いたアコースティックギターなど | 11 | 2016年5月 |
Ensemble Drums:太鼓とバスドラムの重い響き
シリーズの第1弾。1アンサンブルに最大10種のドラムが入っていて、それを5人で同時に叩いた構成です。太鼓(taiko)、ロートム、フィールドバスドラムとスネア、コンサートバスドラム、フロアタム、大きな容器を叩いた音まで並びます。
テンポに合わせて鳴るループはストレートとトリプレットの両方があり、ループの拍子や分割を組み替えるLoop Mutatorも付いています。素のままの音に加えて、より攻撃的に加工した24プリセットもあるので、重さと荒さの両方を1本で選べる印象。4本の中では、ドンと響く太い音の担当です。
Ethnic Drum Ensembles:世界の打楽器でリズムの色を変える
Ensemble Drumsの太鼓の路線を、世界の打楽器へ広げたような位置づけ。1アンサンブルに最大12種のドラムが入り、7人で同時に叩いた6セットです。
並ぶのはtaiko、daiko、bongo、conga、frame drum、djembe、dumbek、bodhran、darbuka、bata、cajon、surdo。taikoやcajonはEnsemble DrumsやEnsemble Woodsの側にもありますが、このコレクションの中心は世界各地の打楽器で、並び全体の色が違います。コンガやバタ、スルドといった名前からも分かるように、ラテンやアフリカ系のリズム楽器が混ざっています。太鼓の重さではなく、リズムの出自そのものを変えたいときの選択肢。Ensemble Drumsと同じく、複数人が同時に叩いたアンサンブルで鳴らす作りでも、響きの色が違うタイプです。
Ensemble Metals:樽とパイプの硬い金属音
12セットの金属アンサンブルを6人で同時に叩いた構成。太く重い側は樽とゴミ箱、鋭く突き刺さる側はレールスパイクとパイプで、ほかにもさまざまな金属が入っています。
金属は、太鼓や木に比べて、叩いた瞬間の硬さが前に出る音と思われます。太い樽やゴミ箱の音と、レールスパイクやパイプの鋭い音が1本の中で振れ幅を持つので、重さと冷たさの両方を出したい場面に向きそうです。太鼓だけでは足りない迫力を、金属で補う使い方が想像できます。
Ensemble Woods:カホンと竹と、叩いたアコギ
11セットの木製アンサンブルを6人で同時に叩いた構成。カホンや竹の棒のような木の打楽器に加えて、一般的ではない叩く対象も入っていて、その代表がアコースティックギターを叩いた音です。弾く音ではなく、ボディを叩く打撃音。
木の打撃音は、太鼓や金属に比べて乾いていて軽い方向と思われます。重く迫る場面よりも、リズムを細かく刻んで曲を前に進めたい場面に回しやすそうです。ギターを弾く人にとっては、ギターの音源ではなく「ギターを叩いた音」が入っているという点が、4本の中でも少し変わった部分。
4本に共通する音づくり
録音場所はブルックリンのBunker Studios。約3,000平方フィートのスタジオで、SSLの卓(4040e)やBAEのマイクプリを通し、近いマイク、部屋のマイク、天井のXYマイクで録っています。各アンサンブルはベロシティごとに複数の音を持つラウンドロビン仕様で、同じ強さで叩いても毎回少し違う音が鳴ります。
画面まわりでは、Stageという3D画面でステレオ空間に各ドラムを置けます。位置は35か所。ノブはPunish(サチュレーション、ディストーション、コンプの組み合わせ)とTwist(音の形の変調)の2つで、演奏しながら操作できるTrigger FXもあります。マスターFXはDelay、Mod(コーラス)、Drive、Convolution(リバーブ)の4種類。ミキサーはclose、room、hallの3チャンネルで、使わないチャンネルを外してメモリを減らすPurgeも使えます。
動かすのはKontakt
4本ともKontakt上で動く音源です。要件の表記は「Kontakt 5 (Player) 5.5.1.451以上」で、無料のKontakt Playerの名前が入っています。発売は2014年から2016年と世代は古めですが、いまも現行の製品として販売されています。
4本全部要る? 欲しい音の方向で決める
4本は素材の方向が分かれていますが、taikoやcajonのように一部は重なるので、全部が必要とは限りません。選ぶ軸は、曲に足したい打撃音の中心がいくつの方向にまたがるか。
- 1方向だけなら、その1本。重く響く太鼓ならEnsemble Drums、リズムの色を変えたいならEthnic Drum Ensembles、硬く鋭い音ならEnsemble Metals、乾いた軽さならEnsemble Woods
- 2方向なら、その2本。重い太鼓に鋭い金属を重ねたいなら、Ensemble DrumsとEnsemble Metalsの組み合わせ
- 3方向なら、個別3本とバンドルはほぼ同額。バンドルなら+¥349で4本目が付く
- 4方向なら、迷わずバンドル
数字の根拠は、次の「価格と購入」の表にあります。
ひとつだけ頭に入れておきたいのが、音色の幅。海外のユーザーのコメントに、音は良いが音色の幅は少し限定的という声が2件あります。
Heavyocity Master Sessions Bundleのメリット・デメリット
メリット
- 太鼓、民族ドラム、金属、木と、打撃音の素材の方向が4つに分かれている
- 複数人が同時に叩いたアンサンブル録音で、最初から響きに厚みがある
- Punish、Twist、マスターFX、3チャンネルのミキサーで、読み込んだ後に音を加工できる
- 個別3本とバンドルの差が¥349と小さく、4方向欲しければバンドルのほうが安い
デメリット
- 入っているのは打楽器だけで、ギター、ベース、旋律楽器はない
- 発売が2014年から2016年と、世代の古いライブラリ
- 動かすのにKontakt(無料のKontakt Playerを含む)が必要
- 音色の幅は少し限定的というコメントが、海外のユーザーに2件ある
- 欲しい音が1〜2方向なら、4本入りは持て余す
曲の場面別の使いどころ
公式の位置づけは、映画やゲームのスコアリング向けの打楽器ライブラリ。
映画・ゲーム音楽風の曲
公式が想定している用途。重く迫力を出す場面ではEnsemble Drumsの太鼓やバスドラムが中心で、そこにEnsemble Metalsの金属を足して鋭さを加える組み合わせが想像できます。樽やゴミ箱の太い音は低めの迫力、レールスパイクやパイプの音は高めの鋭さと、役割を分けて重ねられそうです。
民族色のある曲
Ethnic Drum Ensemblesの出番。taikoやdjembe、cajon、surdoのように、楽器の名前そのものが曲の出身地を示します。ドラムキットのリズムとは別の色を、打楽器の種類で付けたいときに向きそうなタイプです。
打楽器が前に出る静かなパート
声や旋律楽器が少ない場面でリズムを支えるなら、Ensemble Woodsのカホンや竹の乾いた音が合いそうです。重い太鼓だと場面が大きくなりすぎるとき、木の軽さが逃げ道として使えそうです。
価格と購入:個別3本とほぼ同額で4本目まで
2026-11-05時点、Plugin Boutiqueの円表示です。購入はPlugin BoutiqueのHeavyocity Master Sessions Bundleから。
バンドルは¥25,981(定価¥69,655の62%OFF)で、12月18日まで。個別は4本とも¥8,544(定価¥25,970の67%OFF)。個別の期限は購入前に各ページで確認してください。
| 買い方 | 金額 |
|---|
| 個別1本 | ¥8,544 |
| 個別2本 | ¥17,088 |
| 個別3本 | ¥25,632 |
| 個別4本 | ¥34,176 |
| バンドル(4本) | ¥25,981 |
表の読み方は、2本まで(¥17,088)は個別がバンドルより安く、3本(¥25,632)でも個別が¥349安い。4本になると個別は¥34,176で、バンドルのほうが安くなります。つまり3方向の音が欲しい人にとっては、個別3本とほぼ同額で、バンドルなら+¥349で4本目が付く位置づけ。4本全部を使う前提なら、1本あたりは約¥6,495です。
個別の定価4本分(¥103,880)との差は¥77,899ですが、個別もいまセール中なので、セール価格どうしで見た差は¥8,195。お得額の大きさより、「3本までは個別とほぼ同じ、4本ならバンドル」という見方のほうが判断しやすいはず。
ユーザー評価は、バンドルが4.7(177件)。個別はEnsemble Drumsが4.6(69件)、Ethnic Drum Ensemblesが4.8(41件)、Ensemble Metalsが4.7、Ensemble Woodsが4.6(27件)。価格や期限は変わるので、購入前に表示を見直してください。
どんな人におすすめ?
- 映画やゲームのサントラのような曲に、太鼓や金属の打撃音を足したい人
- 太鼓、民族ドラム、金属、木のうち、3方向以上の音が欲しい人
- Kontaktで打楽器ライブラリを使うつもりの人
FAQ
購入はダウンロード版だけ?
4本ともダウンロード版のみで、パッケージ版はありません。
4本合わせた容量は?
ディスク上の容量は、Ensemble Drumsが1.9GB、Ethnic Drum Ensemblesが1.96GB、Ensemble Metalsが1.5GB、Ensemble Woodsが1.39GBで、4本合わせて約6.75GB。
購入者ごとのウォーターマークとは?
Heavyocityは購入者ごとに固有のウォーターマークを音源に埋め込み、認証のために本人確認書類の提出を求められる場合がある。
同じHeavyocityのDamage 2とは何が違う?
Damage 2は、Skywalker Soundで録音した総合パーカッション音源で、ディスク上の容量は約24.6GB。Master Sessionsは素材ごとに4本へ分かれた構成で、4本合わせて約6.75GBです。どちらが上という話ではなく、1本にまとめた総合型か、素材別に選ぶ型かの違い。同じHeavyocityのドラム音源は、Heavyocity Oblivion Drumsの記事でも紹介しています。
まとめ:欲しい音の方向を数えてから、買い方を決める
Heavyocity Master Sessions Bundleは、太鼓、民族ドラム、金属、木の4方向の打撃音を、複数人で叩いたアンサンブルのまま足せる打楽器バンドル。
選ぶ軸は、足したい音がいくつの方向にまたがるか。1方向か2方向なら該当の個別、3方向なら個別3本とほぼ同額でバンドルなら+¥349で4本目が付く、4方向ならバンドル。買ってから「この音じゃなかった」とならないよう、まず曲に足したい音を数えるのが先です。
──個人的には、欲しい音の方向を先に数えて、それから買い方を決めるのがいちばん無駄がないと思います。
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