【最新版2026/8月】DTMプラグインセールのおすすめ徹底解説!
Evertone Pro DeBleedで変わったこと。ドラムゲートをかけるたびにスネアが不自然になっていた理由。

こないだ、「ゲートをかけたらスネアの音が不自然になりました」って相談されました。
「スレッショルドをもう少し下げてみてください」って答えたら、
「下げると今度はハイハットが消えてくれないんですよね」ってなって。
……あ、それ、ゲートで解決できる問題じゃない、と思いました。
ゲートをかけるほどスネアがおかしくなる、本当の理由
みなさん、こういう経験ありませんか。
「スネアマイクにハイハットの音がはっきり入っていて、どうしても取れない」 「ゲートをかけたら今度はスネアのサステインが不自然に途切れるようになった」 「スレッショルドの調整がシビアすぎて、正解の位置がいつまでも見つからない」
わかります、わかります。
私もこれ、長いこと悩んでいました。
スレッショルドを上げたらスネアが消える。下げたらハイハットが残る。アタックとリリースをいじっても、どこか不自然なカットアウトが残る。
このループ。
ゲートと「ブリード」は、そもそも相性が悪い
なんでかっていうと。
工事現場の隣のカフェで打ち合わせをしている場面を想像してください。
ゲートで対処しようとすると「工事が完全に止んだ瞬間だけ録音する」という方法になる。
でも工事は完全には止まらない。大きい音は一瞬止んでも、小さい振動はずっと続いている。
ゲートの「閉じる・開く」という仕組みは、音量の大小しか見ていないんですよ。
スネアが鳴っている間もハイハットは混ざっている。ハイハットとスネアが同時に鳴る瞬間は、ゲートはどちらかを切ることができない。
ブリード(マイク間の音漏れ)の本質は「音が混ざっている」状態で、ゲートの本質は「音量が小さいときに閉じる」仕組み。
この2つは、問題と解決策がそもそも噛み合っていないんです。
──「混ざった音を分ける」ためには、音量ではなく、音の中身を分析する必要があった。
Pro DeBleedとは何か
答えは意外なところにあって。Evertone ProjectのPro DeBleedというプラグインでした。

一言で言うと
「NMF(非負行列因数分解)という技術で、スネアマイクに混入したハイハット・シンバルのブリードをスペクトラム分析で分離・除去するプラグイン」
です。
NMFは難しい言葉に見えますが、やっていることはシンプルで。
混ざり合った音の「周波数の指紋」を分析して、「スネアの音の成分」と「ハイハットの成分」を数学的に引き離す。音量で判断するゲートとは根本的に違う、「音の中身を見る」アプローチです。
ゲートで「どこで閉じるか」を毎回手動で調整していた作業が、スペクトラム分析が自動でやってくれる状態になる。
──触った最初の瞬間、「あ、スネアがちゃんとスネアだけになった」という感覚がありました。
2つのつまみで直感的に操作できる
UIがシンプルで、中心にある2つの大型つまみが全体をコントロールしています。
- Focus:除去するブリードの焦点を定める。ハイハット・シンバルの成分をどこまで見るかの調整
- Fine Tune:Focusで定めた設定を細かく追い込む
2つに絞られているので、「何を動かせばどう変わるか」がすぐ分かる。

「パラメーターが多すぎてどこをいじればいいか分からない」という状況にならない。
さらに8バンドのインタラクティブEQが搭載されていて、除去した後の音の質感を整えられる。
波形表示で「除去されたブリードの成分」が可視化されるので、何が取れているかを目で確認しながら作業できます。
ゲートとの決定的な違い
ゲートとPro DeBleedを比較すると、こういう違いがあります。
| 比較項目 | ゲート | Pro DeBleed |
|---|---|---|
| 判断基準 | 音量の大小 | 音のスペクトラム成分 |
| スネアとハイハット同時発音時 | 分離できない | スペクトラムで分離して処理 |
| サステインへの影響 | スレッショルド次第で不自然に途切れる | 音の成分で判断するため自然に残る |
| 調整の難しさ | スレッショルド・アタック・リリースの三点調整が必要 | Focus / Fine Tuneの2つまみで操作 |
| ブリードが小さいとき | 音量が閾値以下なら反応しない | 小さいブリードにもスペクトラム分析で対応 |
特に「スネアとハイハットが同時に鳴る瞬間」への対応が根本的に違います。ゲートはここで必ずどちらかを犠牲にする。Pro DeBleedはその瞬間もスペクトラムで分離して処理します。
ステレオペア自動検出とA/B比較
地味に便利だと感じたのが、ステレオペア自動検出です。
スネアをステレオで録っている場合(トップとボトムのマイク)、ペアを自動で認識して同じ処理を適用してくれる。
ステレオペアのどちらかに処理が片寄ると位相の問題が出るので、これが自動になっているのは助かります。
A/Bプリセット比較機能もあって、「処理前・処理後のどちらがいいか」を即座に切り替えて確認できる。

Pro DeBleedのメリット・デメリット
メリット
- NMFによるスペクトラム分析でゲートでは対応できないブリードを自然に除去できる
- Focus / Fine Tuneの2つまみでUIがシンプル。迷子になりにくい
- 波形表示で除去成分が可視化されるため、何が起きているか確認しながら作業できる
- ステレオペア自動検出で位相問題を起こさずに処理できる
- 8バンドEQで除去後の音の質感調整まで一本で完結
デメリット
- MIDIトリガー対応・サイドチェイン入力には非対応のため、打ち込みドラムのブリード模擬除去には使えない
- ライブドラム録音がない環境では使う場面がない(ドラムサンプラー・打ち込みには不要)
- NMFの処理はCPU負荷がやや高め
- スタンドアローン専用
Evertone Pro DeBleed 使い方

- File > Open Tracksよりドラムパラデータが入っているフォルダを指定。
- トラック解析がされてタグが自動で付く。違っていたらタグを手動修正
- Analyze Groupを押す。Analyze Groupを押さないとノブは動かせない。

- それぞれのトラックを再生し、ノブを回してデブリード処理を行う
プリセット

設定したタグによって選べるプリセットが異なる。
ユーザー設定したプリセットを保存するには、パラメーターノブを変更後、SAVEを押す。

使ってみて感じたこと
中の人ゲートで妥協していた部分が、なくなっていた。
元になっているのが「Accusonus DRUMATOM2 」というソフトで、買収により新規アクティベーションができなくなったこのソフトを改良したのがPro DeBleed。
DRUMATOM 2 のスペクトル分離精度を活かしたソフトとなっています。
使い始めて一番変わったのが、スネアマイクのトラックに向き合う気持ちでした。
今まで「ブリードが入っているトラックは最初からある程度諦めて使う」という前提があって。
ゲートで対処しながら「ここまでしか綺麗にならない」と思っていたんですよ。
ゲートだとノイズが消せるのは良いけど、バスバスと音が切れてしまうので聞いていて不自然に感じられる時がありました。
Pro DeBleedはノイズも消えるし、とても自然なサウンド。
キツくノイズゲートを掛けた音にすると、消え過ぎてしまうこともありこの点は好みが分かれるところ。
ブリード音が若干残っても、ダイナミクスの小さい太鼓のニュアンスを残したいと考えているプレイヤーには大活躍してくれるツールとなります。
Pro DeBleedを使い始めてから、「まずブリードをしっかり除いてから素材として使う」という順番に変わって。
スネアの本来の音・本来のサステインをちゃんと聴いた上でミックスを始められるようになった。
「ブリードが入っている前提で調整する」から「ブリードを除いた素材を判断する」に変わった感覚です。








注意点
気を付けたいのが「スタンドアローン専用」という点。
VSTではないためDAW上で動かせません。そのためPro DeBleedで処理後、WAV書き出ししたデータをDAWへ読み込ませるという処理が発生します。
DAW上でゲートを使って編集したいという場合には、作業フローが異なります。
iZotope RXでトリートメントするとの同じパターンですので、1手順増えると思っておいた方が良いです。
ただ、しっかりとデブリード処理したデータの方がノイズが減りますし、最終的なドラムサウンドクオリティはUPします。
目的である最高の音をリスナーに届けるために、ゲート、デブリード処理はしっかりと済ませておきたいですね!
どんな人におすすめ?
刺さる人
- ライブドラムを録音してミックスしている
- スネアマイクのハイハット・シンバルのブリードをゲートで対処しているが限界を感じている
- 「スネアのサステインが不自然に途切れる」問題が続いている
- バンドの宅録・スタジオレコーディング素材のミックスを担当している
刺さらない人
- 打ち込みドラム・ドラムサンプラーのみで制作している
- ライブドラム録音の素材を扱わない
- ゲートで十分対応できている環境で制作している
セール情報
通常価格:$94 USD(¥14,000前後) セール価格:$66 USD(約30%オフ、¥9,800前後、2026-07-31まで)
2026-06-26時点の為替レートを参考にした概算です。円建て価格は為替により変動します。購入前にPlugin Boutiqueの表示価格をご確認ください。
ライブドラム録音を扱う環境があるなら、ゲートとの置き換えとしてこの価格帯は試す価値があります。
まとめ
- ゲートが「スネアを不自然にする」原因は、ゲートが音量しか見ていないから
- ブリードは「音が混ざっている」問題なので、音の中身を分析する手段が必要だった
- Pro DeBleedはNMF(非負行列因数分解)でスペクトラムを分析してブリードを分離・除去する
- ゲートでは対応できないスネアとハイハット同時発音時のブリードも処理できる
- Focus / Fine Tuneの2つまみ操作でシンプルに使えて、波形表示で除去状況を確認できる
- ステレオペア自動検出・A/B比較機能で実務的な使いやすさが担保されている
「ゲートで妥協しながらスネアを使う」から「ブリードを除いた素材を判断する」。この順番の変化が、ミックスへの向き合い方を変えました。
FAQ
Q. ドラムサンプラー・打ち込みドラムにも使えますか?
基本的には使えません。Pro DeBleedはライブドラム録音でマイク間に発生するブリード(音漏れ)を除去するためのプラグインです。打ち込みドラムやドラムサンプラーの音源にはそもそもブリードが存在しないため、処理する対象がありません。
Q. ゲートとの併用はできますか?
できます。Pro DeBleedでブリードをある程度除去した後、残音の整理にゲートを軽くかけるという組み合わせも有効です。「Pro DeBleedで大部分のブリードを取ってから、ゲートで微調整する」という順番が実務的には使いやすいです。
Q. DAWのプラグインとして使えますか?
使えません。Pro DeBleedはスタンドアロンソフトのため、DAWへのインサートエフェクトとしての使用はできません。録音後にDAWから音声ファイル(WAV・FLAC・AIF)を書き出し、Pro DeBleedで処理してから再度DAWに読み込む形での運用になります。macOS・Windowsに対応、44.1 / 48 / 88.2 / 96 kHz・16 / 24 / 32bitに対応しています。
Q. NMFの処理はリアルタイムで動きますか?
基本的にはオフライン処理向けの設計です。波形を分析してからブリードを除去するプロセスのため、リアルタイムのレイテンシー問題は発生しませんが、録音中のモニタリングには向いていません。録音後の編集フェーズで使うことを前提にしてください。
おまけ
「ライブドラムのミックスがうまくいかない」 「スネアの処理に毎回時間がかかる」
そんな方もいらっしゃると思って。
DTMプラグインのレビューや使い方をまとめた記事を他にも書いているので、ぜひ合わせてどうぞ。













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