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DAW標準フィルターでアシッドにならない理由と、MTurboFilterで変わったこと。

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こないだ、「アシッドっぽい音ってどうやって作るんですか?」って聞かれました。

「フィルターを動かしながらレゾナンスを上げれば出るんじゃないですか?」って答えたら、

「やってみたんですけど、なんか違うんですよね」ってなって。

「じゃあどのフィルター使ってますか?」って聞いたら、「DAW標準のやつです」って言ってて。

……そこだ、と思いました。笑


目次

DAW標準フィルターのレゾナンスを上げてもアシッドにならない、本当の理由

みなさん、こういう経験ありませんか。

「アシッドっぽい音を作りたくてフィルターを動かしたけど、なんか平坦」 「レゾナンスを上げてもにゅっとした感じにならない」 「参考にした曲のあの”うねり”が出てこない」

わかります、わかります。

私もこれ、長いことやってました。

カットオフを動かして、レゾナンスを上げて、LFOを揺らして。

……近づいた気がするけど、なんか違う。

このループ。


フィルターは「削る道具」じゃなくて「個性を持った楽器」だった

なんでかっていうと。

同じ「フィルターをかける」でも、フィルターの種類によって音の変わり方が全然違うんですよ。

カメラのレンズで例えると……

同じ被写体を撮っても、レンズが違えば「ボケ方」「色の乗り方」「コントラストの感じ方」が全部変わるじゃないですか。

「写真を撮る」という行為は同じでも、レンズの個性が写真の全部に乗ってくる。

フィルターも同じで。

「音を削る」という機能は同じでも、アナログのビンテージハードウェアのフィルターは、削り方の癖・レゾナンスの暴れ方・低音の抜け方が全部違うんですよ。

DAW標準のフィルターは「正確に削る」ためのもの。

でも「あの質感」を出したいなら、必要なのはそこじゃなかった。


MTurboFilterとは何か

それで最近使い始めたのが、MeldaProductionのMTurboFilterです。

MeldaProductionのMTurboFilter

一言で言うと

「ビンテージシンセのアナログフィルターの個性を9種類収録した、キャラクター特化のフィルタープラグイン」

です。

9種類それぞれが、元になったアナログハードウェアの「癖」を再現してる。

アシッドなキュッとした感じのやつ、分厚くてウォームなやつ、激しく歪むやつ。全部キャラクターが違う。

「フィルターをかける」という操作は同じなのに、選ぶモデルによって音が別物になるんですよ。

──これが「フィルターは道具じゃなくて楽器だ」ってことの意味で。


9種類のフィルターが「全部違う個性」を持っている

9つのモデルはそれぞれ、こういうキャラクターを持ってます。

キャラクター音の印象
アシッド系キュッと潰れる感じ。303っぽいうねり
ウォーム系分厚くて丸い。太いベースやパッドに溶けていく感じ
ブライト系歯切れがよくてエッジがある。シャープなレゾナンス
ディストーション系激しく歪む。叫ぶようなレゾナンス
ビンテージ系低音が少し抜けた、古いハードウェア特有の質感

モデルを切り替えるとき、設定をゼロからやり直す必要がないのも助かる。

同じカットオフ・レゾナンスの設定のまま各モデルを聴き比べできるので、「このトラックにはどのキャラクターが合うか」をすぐ確認できます。


モジュレーションマトリックスで「動く音」を作れる

あとこれ、地味にすごいと思ったのが、モジュレーションマトリックスです。

LFO・ステップシーケンサー・エンベロープフォロワーを使って、フィルターの動き方を細かく設定できる。

例えば「音量の大きさに合わせてカットオフが自動で動く」とか、「ステップシーケンサーのリズムでレゾナンスが上下する」とか。

普通はフィルターを「手で動かす」か「LFOで揺らす」くらいしかやらないんですけど、モジュレーションマトリックスがあると「音が自分で動いている感じ」が出せるんですよ。

アシッドっぽい「うねり」って、実はこの「動き」の部分が大事で。ただレゾナンスを上げるだけじゃなくて、カットオフが動いているから気持ちよくなるんですよね。

──そこまで含めて設計されてる、というのが他のフィルタープラグインとの違いでした。


自分だけのフィルターを作れる「エディット画面」

あとこれ、上級者向けなんですけど。

エディット画面でフィルターのアルゴリズムをゼロから自作できるんですよ。

テキストの構文でモジュールを組み合わせる感じで。

ローパス・ハイパス・バンドパスだけじゃなくて、サチュレーター・コンプレッサー・ビットクラッシャー・コムフィルターまで組み込める。

「ローパスフィルターのフィードバックの中にハイパスフィルターを挟む」とかもできて、「低音になるにつれてレゾナンスが落ちていく」という昔のアナログ機器特有の挙動まで再現できる。

これ最初聞いたとき「ちょっと何を言ってるか分からない」ってなりました。笑

でも、プリセットと9つのモデルだけで十分な人も多いはずで、エディット画面は「もっと深くやりたくなったとき用の入り口」と思っておくといいと思います。


MTurboFilterのメリット・デメリット

メリット

  • 9種類のビンテージモデルが一本に入っていてモデル切り替えが即座にできる
  • モジュレーションマトリックスで「動く音」まで設計できる
  • エディット画面で自分だけのフィルターアルゴリズムを作れる
  • アシッド・ウォーム・ディストーションまで幅広いキャラクターをカバー

デメリット

  • エディット画面の学習コストが高い(テキスト構文の理解が必要)
  • クリーンなEQ処理には向かない。なにかしらキャラクターが乗ってくる
  • UIが情報量多めで、最初は迷子になりやすい

正直に言う。「フィルターを動かすのが楽しくなる」という感覚。

ただ、使ってみて一番驚いたのが。

フィルターを動かすのが「楽しい」という感覚になったことで。

今まで「正確に削る」ための操作だったフィルターが、「どんな個性が出てくるか」を探る作業に変わったんですよ。

Driveを上げると音が荒れてきて、Feedbackを少し入れると共鳴が暴れ始めて。

カットオフを動かすたびに「このモデルがこう動くのか」ってなっていく。

「作業」が「実験」になった感じ。

──フィルターを「楽器」として使い始めると、制作の入り方が変わった。

MTurboFilterが刺さる人・刺さらない人

刺さる人

  • アシッドテクノ・レトロなシンセサウンドを作りたい
  • DAW標準のフィルターが物足りないとずっと感じていた
  • フィルターを動かしても「それっぽくならない」が続いてきた
  • ビンテージシンセの質感を求めている

刺さらない人

  • クリーンなEQ処理として使いたい
  • すでにビンテージフィルタープラグインを何本も持っている
  • フィルターにキャラクターを求めていない

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まとめ

  • DAW標準フィルターでアシッドにならない原因は、フィルターに「個性」がないから
  • DAW標準フィルターは「正確に削る」ためのもの。アシッドの「うねり」を出すためではない
  • MTurboFilterの9種類はそれぞれビンテージハードウェアの癖を再現している
  • モジュレーションマトリックスで「動く音」まで設計できる
  • エディット画面でアルゴリズムの自作も可能
  • フィルターを「楽器」として使う体験に変わった

DAW標準のフィルターでカットオフを動かし続けて「なんか違う」を繰り返すより、「個性を持ったフィルター」に変えるほうが早い。

MTurboFilterはまさにそれです。


FAQ

Q. MTurboFilterはどのDAWで使えますか?

Windows(8/10/11 64bit)とmacOS(10.14以降)に対応。VST・VST3・AU・AAX形式で使えるので、Ableton Live・Logic Pro・Cubase・Pro Toolsなど主要なDAWに対応しています。

Q. 初心者でも使えますか?

プリセットと9種類のモデルを選ぶだけなら初心者でも使えます。エディット画面(フィルター自作機能)は上級者向けなので、最初は触らなくて問題ありません。

Q. 標準のDAWフィルターとの違いは何ですか?

DAW標準フィルターは正確に音を削るための設計です。MTurboFilterはビンテージアナログ機器の「癖」「暴れ方」「低音の抜け方」を再現することを目的に作られています。同じレゾナンスを上げても、出てくる音のキャラクターが根本的に違います。

Q. MeldaProductionの他のフィルタープラグインとの違いは?

MTurboFilterはビンテージアナログモデリングに特化しており、自作アルゴリズムエディターを搭載しているのが特徴です。通常のMFilterはクリーンなデジタルフィルター処理向けで、用途が異なります。


おまけ

「アシッドっぽい音の作り方が分からない」 「フィルターをどう使えばいいか、ずっとモヤモヤしている」

そんな方もいらっしゃると思って。

DTMプラグインのレビューや使い方をまとめた記事を他にも書いているので、ぜひ合わせてどうぞ。

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この記事を書いた人

櫻井徳右衛門のアバター 櫻井徳右衛門 音楽プロデューサー・ミュージシャン

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VSTレビュー公開記事・触ったDTMプラグインは1,000個以上を超える。
ギタリスト・作曲家でもあり、音楽リスナーであることから聞くのも好きでイヤホン・ヘッドホンも集めはじめる。

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