UJAM DANDY
「ベース音源を変えたら、曲が一気に垢抜けた」そんな経験はありませんか?特にポップスやソウル、歌謡曲テイストの楽曲では、ベースの「太さ」と「温かみ」がクオリティを決定づけます。
しかし、多くのベース音源はアグレッシブなロック向けだったり、打ち込み臭さが抜けなかったりと、意外と「ちょうどいい大人っぽさ」を出すのが難しいものです。そこで紹介したいのが、UJAMの「Virtual Bassist DANDY」。
フラットワウンド弦の丸いトーンと、熟練ベーシストの粋なフレーズを詰め込んだ、まさに「紳士」のためのベース音源です。激しい主張はしないけれど、楽曲を底から支える頼れる相棒。その実力を、競合製品との比較も交えてレビューします。
目次
UJAM Virtual Bassist DANDYとは?:紳士的な「粋」を奏でるベース
シリーズで最も「ダンディ」な音色:フラットワウンド弦の魔法
UJAMのVirtual Bassistシリーズには、ロック向けのROWDY、オールラウンダーなROYALなどがありますが、DANDYはその名の通り、落ち着きと気品のあるモデルです。
最大の特徴は「フラットワウンド弦」を使用していること。
ロックベースで一般的なラウンドワウンド弦のような「バリバリ」した高域成分がなく、コロンとした丸みのある、温かい中低域が特徴です。モータウン時代のソウルや、往年の歌謡曲、そして昨今のシティポップやネオソウルまで、「歌を邪魔せず、気持ちよくグルーヴさせる」ことに特化したサウンドです。
ソウル、ポップス、ブルースに最適化されたビンテージサウンド
DANDYがターゲットにしているのは、ズバリ「歌モノ」です。ボーカルの帯域と喧嘩せず、かつキックドラムとはしっかり馴染む。この絶妙なトーンバランスは、サンプリング元のベース(おそらくビンテージのRickenbackerやHofnerあたりを彷彿とさせます)と、UJAM独自の処理によって完璧に調整されています。
「存在感はあるのに、主張しすぎない」。この矛盾をクリアしているため、バラードからアップテンポなポップスまで、とりあえず立ち上げれば80点の合格点が取れるという、恐ろしいほどの即戦力性を誇ります。
ROYALやROWDYとの違いを明確に比較
他のVirtual Bassistを持っている方は、「ROYALで十分では?」と思うかもしれません。
しかし、ROYALは良くも悪くも「優等生なフェンダー系サウンド」で、少しモダンです。一方、ROWDYはディストーション前提の「暴れん坊」です。
DANDYは、そのどちらとも違う「枯れた味わい」を持っています。
EQでハイを削っても、DANDY独自の「弦の鳴り」や「箱鳴り感」は再現できません。特に、スローなR&Bや、シンプルなピアノ弾き語りにベースを入れるような場面では、DANDYの独壇場と言えるでしょう。
競合製品との比較:DANDYを選ぶ理由
市場には多くの優秀なベース音源があります。
ここでは代表的な競合製品とDANDYを比較し、その立ち位置を明確にします。
主要ベース音源比較表
| 特徴 | UJAM DANDY | Toontrack EZbass | IK Multimedia MODO BASS | Spectrasonics Trilian |
|---|
| 音色の傾向 | ビンテージ、ソウル、温かい | モダン〜ビンテージ(拡張性あり) | 物理モデリングの多彩な変化 | 超高音質、ハイファイ、シンセまで |
| 得意ジャンル | Pop, Soul, Blues, Rock | All Genre (拡張パック依存) | All Genre | All Genre |
| 操作の簡単さ | 超簡単 (ワンノブ中心) | 簡単 (多機能だが直感的) | 中 (パラメータが多い) | 難しい (音作りが深い) |
| フレーズ生成 | 自動追従 (Player Mode) | MIDIグルーヴ検索・生成 | パターン集あり | アルペジエーターあり |
| 打ち込み自由度 | 中 (Instrument Modeあり) | 高 (グリッドエディタ搭載) | 高 (弦の弾く位置まで指定可) | 高 (アーティキュレーション多彩) |
| 価格 | 手頃 (セール時さらに安価) | 中 | 中〜高 | 高 |
| こんな人に | 時短で「雰囲気」を出したい人 | ベースラインのアレンジに凝りたい人 | 音作りのオタク、リアリティ追求派 | 音質至上主義、リソース潤沢な人 |
結論:
- DANDY: 「細かい打ち込みはしたくない」「とにかく早く、良い雰囲気のベースラインが欲しい」という時短・雰囲気重視派に最適。
- EZbass: MIDIの編集機能が強力なので、ベースラインを細かく作り込みたいアレンジャー向け。
- MODO BASS / Trilian: 音色そのもののリアリティやカスタマイズ性を極めたいエンジニア・プロデューサー向け。
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DANDYは機能の多さでは負けますが、「特定のジャンル(ソウル・ポップス)における即戦力性」と「迷わせない操作性」において、他を圧倒しています。
誰でもプロのグルーヴを:PlayerモードとInstrumentモード
鍵盤を押さえるだけでセッションベーシストがやってくる「Playerモード」
DANDYの真骨頂はこれです。左手でコード(和音)を指定し、右手でリズムパターン(キー)を選ぶだけ。これだけで、プロのベーシストがそのコード進行に合わせて、最適なフィルインやゴーストノートを交えたラインを弾いてくれます。
30種類のStyleと990種類のフレーズが内蔵されており、単調な8ビートから、跳ねたシャッフル、複雑なシンコペーションまで網羅。DANDYが弾き出すフレーズは「ベーシストの手癖」が反映されているため、鍵盤で手弾きするよりも遥かに「ベースらしい」ラインになります。
こだわりのフレーズを自由に構築できる「Instrumentモード」
もちろん、自分でフレーズを打ち込みたい時は「Instrumentモード」に切り替えればOKです。このモードでも、キースイッチによってスライド、ミュート、ハーモニクスなどを直感的に呼び出せます。DANDYの音色は素の状態が良いので、ベタ打ちでもそれなりに聞こえますが、ゴーストノートを多用すると一気にグルーヴが増します。
DAWとの連携で実現する「ドラッグ&ドロップ」の時短術
Playerモードで気に入ったフレーズが見つかったら、それをDAWのトラックにドラッグ&ドロップできます。すると、そのフレーズがMIDIデータとして書き出されます。
これが非常に便利で、「基本はDANDYのフレーズを使い、展開の変わり目だけ自分で細かく音を修正する」といった使い方が可能です。AI的な自動演奏と、人力のエディットの良いとこ取りができるわけです。
音作りの幅広さ:枯れた音からモダンなトーンまで
キャラクターを一変させる「Character」ノブとPick/Thumb奏法W使い
「Character」ノブを回すことで、音色の傾向をガラリと変えられます。
- Vintage: ハイ落ちした、古き良き時代の音。
- Warm: 中低域が豊かで、包容力のある音。
- Pop: アタックが少し強調され、現代的なオケにも馴染む音。
さらに、奏法も指弾き(Finger)、ピック弾き(Pick)、親指弾き(Thumb)から選べます。特に「Thumb」はDANDYならではの柔らかい音で、バラードには最高です。
マルチエフェクト「Finisher」でレトロな質感も思いのまま
DANDYには、ベース用に調整された15種類の「Finisher」エフェクトが搭載されています。単なるEQやコンプだけでなく、「60年代風のテープサチュレーション」「ワウペダルを通したようなファンキーな音」「スラップバックディレイがかかったロカビリー風」など、ワンノブで時代感まで演出できます。
アンプシミュとDIのブレンドで「空気感」をコントロール
「Amp」ノブを使えば、DI(ライン)のドライな音と、アンプを通した空気感のある音をブレンドできます。アンプモデルもRaw(生)、Vintage(ビンテージ)、Cream(歪み)から選べ、楽曲の密度に合わせて調整可能です。オケが詰まっている時はDI寄りに、隙間のある曲ではアンプ寄りにすると存在感が出ます。
まとめ:DANDYで楽曲に大人の色気を
どんなユーザーにおすすめか?導入のメリット
UJAM Virtual Bassist DANDYは、次のような方にとって「手放せない相棒」になるでしょう。
- 歌モノを作っているが、ベースがいつも安っぽいと悩んでいる人
- R&B、Soul、City Popなどのジャンルに挑戦したい人
- 難しいベースラインを考えるのが苦手、または面倒な人
- ビンテージ機材の「あの質感」を手軽に取り入れたい人
逆に、スラップを多用するフュージョンや、高速ツーバスのメタルなどには全く向きません。DANDYはあくまで、楽曲に「歌心」と「落ち着き」を与えるためのベースです。
もしあなたが、自分の曲にあと少し「プロのような深み」が足りないと感じているなら、その原因はベースの質感かもしれません。DANDYを迎え入れて、その「大人の色気」を楽曲に注入してみてください。きっと、ワンランク上の仕上がりに驚くはずです。
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